実母がS和医大から田園調布の病院に転院することになった。旗の台と比べると、職場や家から更に遠くなったが、最寄り駅の東急線は地下鉄南北線に乗り入れるので、アクセスには便利になった。ただ、これまでは乗り換えの大井町で、一杯やって帰れたが、もうそれも出来なくなることが残念だった。
田園調布は噂にきく、高級住宅街だった。駅舎は瀟洒で美しい。ボクは会社を休み、実母の転院を手伝った。無事に転院が済み、落ち着いたところで、ボクは帰宅の途についた。
さて、酒でも飲もうかと田園調布駅周辺を散策したが、当然ぬがら昼間から酒が飲めるスポットはなかった。この高級住宅街に、それを求めることの方が愚かだった。そればかりか、酒場自体も少なかった。立ち飲みなど、ある訳もなかった。さぁ、これから田園調布に来た時は、どうすればいいのか。暗澹たる気持ちになった。
ちょっと歩くと驚いたことに、チェーン店の酒場があった。13時すぎなのに営業している。どうやら、ランチの営業らしい。
「目利きの銀次」。
モンテローザの酒場チェーンである。魚介類を中心にした業態で、最近やたらとあちこちで見る。
ビールくらいは飲めるだろうと店に入った。店内には、誰一人と客はなく、ボクだけの貸し切りになった。
何故、モンテローザは高級住宅街に出店したのか。恐らく、地代も安くないだろうに。駅前には、チェーン店はおろか、酒場もあまりない。高級住宅街に住む人のニーズに果たしてあっているのだろうか。
ボクはランチの「海鮮丼」と、「瓶ビール」をオーダーした。
最近のチェーン系酒場はすごい。ファミリーユースを想定して、店舗づくりがなされている。昔では、考えられないこと。しかも、素材などにもこだわるなど、本格派の様相を呈している。
若い女性がボクのオーダーした「海鮮丼」が、それを物語っていた。ランチで、約900円は、けして安くないが、それなりのものが出てきた。それとも、田園調布用に用意した厳選素材なのか。
ともあれ、「海鮮丼」は、すこぶるうまく、ボクはかなりの満足感に浸った。酒場が少ない田園調布でも、これならやっていけそうな気がした。
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