その日は朝から「光栄軒」だった。理由は分からないが、なんとなくそんな感じ。多分、あの唐揚げが食べたかったのかもしれない。仕事を早く終わらせて、「光栄軒」に。ところが、時刻は17時半になってしまった。お店の前は並んでないだろうと踏んでいたが、一人待っている人がいた。コロナはまだ収まっていないが、客足は普通に戻ってきたのかもしれない。少しすると、自分の後ろにもう一人お客さんが来て、列は2人になった。その刹那、3人のお客さんが出て、自分と後ろに並ぶ人は同時に入店した。その人とは席が隣同士になった。自分がカウンターを台拭きで拭いていると、その人は「すみません」と言った。
ん? 以前見かけたことがある。
今度はその人が水を持ってきてくれた。自分が「すみません」を言う番だった。
まずは、「お茶割り」からスタートしたが、彼もまた同じものをオーダーした。
そして、ほぼ同時にお通しがきた。もちろん、同じもの。「ニラレバ」だった。
なんとなく、話しをし始めると、どういういきさつか、酒場の話題になった。彼は、「宇ち多¨」の常連さんで、その大人気店の攻略法をいろいろ教えてくれた。彼は、都内のもつ焼き屋に明るかった。有名処は大体抑えていた。
「光栄軒」に通って、3年が経ったが、お通しに「ニラレバ」が出てきたのは初めてだった。この物価高騰の中、本当にありがたい。レバーは大好きだから、嬉しかった。
彼の酒はコスパ重視だった。その点を考慮すると、「光栄軒」も必然だった。彼の言うところはもっとなこともあった。横暴な振る舞いをする酒場で、文句を言ったこともあるようだ。こっちは客なんだから、というのがその言い分だった。
「ニラレバ」がなくなりそうなタイミングで、「餃子」をオーダーした。ただ、人と話しをしていると、酒のペースが早くなっていけない。その時、既に3杯目の「お茶割り」をおかわりした。
彼は自分とは対照的に随分ゆっくりしたペースで飲んでいた。自分が3杯目の「お茶割り」に口をつけた時は、まだ1杯目を飲んでいた。それをとやかく言うつもりはないし、むしろゆっくりペースが出来ることを羨ましくも思った。
その後も酒場の話題で盛り上がりながら、彼は2杯目の「お茶割り」を飲み干すと、お勘定して、帰って行った。つまみはお通しだけだった。
自分はある意味、自由で羨ましいと思った。2杯で800円か。一方、自分はマスターに申し訳ないという気持ちがあり、ついついもう一品頼んでしまう。本音としては、〆の「炒飯」だけでも充分なのだ。
3杯飲んだら、「餃子」。4杯の時は、「餃子」はやめてもいいかなと思った。
この日は4杯飲んだが、「餃子」に「半炒飯」で〆た。
「半炒飯」はいつもより量が少なかった。マスターが自分に配慮してくれたのか、それとも材料髙で、ボリュームが少なくなったのかは分からない。それでもいつも通り、お腹がはち切れそうになって、家路に着いた。
せっかくサービスで良心的にお通し(それもニラレバ)を付けてくれるのに食べ物を頼まないとは!
何度か通いましたが自分は黒ラベル、ウーロン杯につまみ1品を頼んで〆に半炒飯というパターンでした。
お店の好意を踏みにじるような客は行ってほしくないですね。
そのオヤジって、客であることを鼻にかけた単なるドケチじゃん😤呆れました
こんにちは。
まず、「え?」と思いました。お通しだけで帰る人は初めて見ました。
>お店の好意を踏みにじるような客は行ってほしくないですね。
マスターの好意ということは常に忘れてはいけませんね。ただ、この人、自由でいいなと思ったのは事実です。ただ、自由だからといって全てが許される訳でもありませんが。
自分は、いつも1時間半ほどの滞在で、2,400円ほど使って帰ります。これくらいなら失礼じゃないかなと気にしているんですが、それって実は自由じゃないなって感じることがあるんですよ。
noblehistoryさん。
こんにちは。
そうですねー。
マスターがまずどう思っているかを考えると、難しいお客さんだと思います。
本文には書き忘れましたが、ニラレバも間食してなくて、残して帰っているところも自分の中では衝撃でした。