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居酒屋さすらひ 2087 - ん〜、まずくなぁい、もう一杯 - 「まずい魚 青柳」(新宿区高田馬場)

2024-03-07 21:07:49 | 居酒屋さすらい ◆東京都内

ひょんなことからTか社長と一献することになった。すると、Tかさんが、昵懇のO坪さんも呼びましょうとなった。このおふたり、W大繋がりなのである。O坪さんは70代、Tかさんは64歳、そして自分が53歳。かくして3代のジェネレーションが入り混じる、不思議な飲み会となった。

場所は高田馬場。もちろんW大にちなんで。

高田馬場駅で待ち合わせをして、W大方面を歩く。O坪さんが、昔の話しをしてくれる。都電が走っていたこと。もちろん、駅前のビッグボックスはなくて、別の建物があったこと。Tかさんは、O坪さんを同郷の五木寛之さんになぞらえ、「まさに『青春の門』」と評す。O坪さんは八女出身なのだ。

Tかさんが予約をしたという酒場は、普段から通われているお店らしい。格子戸の一軒家。一枚板の看板には、「まずい魚 青柳」とある。

まずいと自らにして名乗るお店。立て看には、「宮内庁御用なし」との記載。

はてさて、どんなお店なのか。

店内はカウンターも小上がりも満席で、我々は予約席の小上がりに案内された。清潔なお店である。活気もある。人気のお店は入店しただけで、大概その店の評価が分かるというもの。適度な活気が店内を包み、お客さんと店員さんが相互で織りなす独特のリズム感を感じる。まさにグルーヴである。

生ビールにて乾杯。

料理は刺身はもちろん、焼き、一品もの、様々な魚種と料理がラインナップされている。

Tかさんは、すぐさま店員さんを呼び、刺身の盛り合わせと「アジフライ」を3尾オーダーした。

「会社の決算がよかったので、今夜は奢らせてください」。

いつか、自分もこんなカッコいい大人になれるかな。

という訳で、画像は一切ない。

ただ、圧倒的な刺し盛りのボリューム感。肉厚で、見るからに新鮮な素材。仕入れの素晴らしさはとにかく圧巻だった。そして居心地の良さ。

Tかさんが、都電の写真集を持参して、我々が読んでいたら、店員さんも寄ってきて、一緒に本を見出した。お店はあっけらかんとしており、敷居はそれほど高くない。

そんなTかさんとは対照的な存在が、O坪さんだった。O坪さんとは一年前に、桜木町の「ぴおシティ」、「ふくふく」に隣接する「一休」で飲んだが、それきりになっていた。喋る前に鼻をほじる人で、あまり積極的に飲みたいと思う人ではなかった。ただ、一年前、「家飲みはやめてる」と言った理由は、内縁の奥さんが入院していて、その願掛けらしい。

しかし、その奥さんが数カ月前に亡くなったという。どことなく、O坪さんの元気がない。

「日本酒はどうですか?」

Tかさんの勧めで、日本酒へ移行。O坪さんもご満悦になった。やはり、魚料理は日本酒だ。

冷やと燗をそれぞれ選べるラインナップ。自分は長老の意見に従った。齢70超の鼻ほじ翁は「吉野川」の燗酒を選んだ。しばし、まったりとそれをいただく。ただただ、旨い。魚を食べることは我々日本人の長きにわたって刻まれたDNAの一部なのだろう。体の強張りがとれて、ゆったりしていくのが分かる。

まずい、なんて、何故逆張りの言葉を屋号に入れたのだろう。単なる遊び心か? それとも捻くれた気持ちか。

「食べログ」によると、創業60年、親子4代に渡って、お店は続いているという。1960年代、学園紛争が激化した時代の創業。O坪さんもTかさんも、学生の頃から、すでにお店はあったということ。都電はなくなったが、「まずい魚」は健在である。

さて、すいすいと日本酒をもう一杯とおかわりするうち、悪役商会の八名信夫さんを思い出した。ご存知青汁のコマーシャルである。

商品のCMに、「まずい」を持ちだした初の人である。インパクトは十分。ただ、恐らくその当時の「青汁」はホントにまずかったのかもしれない。でも「青柳」の魚はまずくない。だから、「もう一杯」と日本酒がついつい進むのだ。

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