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居酒屋放浪記 0398 -タレ、焼き、地鶏、こだわりがそこにある- 「元祖 串八珍」(台東区上野)

2010-12-21 10:46:13 | 居酒屋さすらい ◆東京都内
 上野といっても広い。明治時代の町名変更で上野はだだっ広い町になった。
 しかし、春日通りを挟んで南北とでは、上野でも全く違う。そして、これらの町並みを一緒くたに上野とくくってしまうことはあまり好ましくないだろう。
実際、地元を歩けば、旧町名の自治会が現存しているし、お店やその屋号にも旧町名を冠した店も残っている。これらを見つけながら、散策するのも楽しいものである。

 この日、うかがった店は「串八珍」。
 かつての上司と会うことになり、店をチョイスしたわけだが、この店の辺りは旧黒門町である。黒門町の由来は寛永寺の黒い門がここらにあったとか(今これを新幹線に乗りながら書いており、本で読んだうろおぼえの知識を参考に)。現在は千住のお寺にその門は現存するらしいが、この門を軸に歴史散策はきっとかなり面白いのではないかと思う。

 さて、その古い歴史の町にあって、「串八珍」の歴史は浅い。これもうろおぼえだが、この店の開店は10年の3月くらいだったかと記憶している。その開店間近に我々は出かけてみたのだ。
 開店して間もないこともあり、店内はこざっぱり。同店は恐らくFCだが、フランチャイザーの意向でインテリアを揃えていると思われ、これが全く味気ない。10年スパンで大衆居酒屋の風格を持てるか否かは疑問符である。

 生ビールの中(441円)を頼んだ。
 ビールはサッポロヱビス。スタンダードビールでヱビスが飲めるのは嬉しい。現在のスタンダードは何故かスーパードライに変更されているが、スードラ(スーパードライ)でこの値段は、地域的に高めの値段といえる。次回の当ブログで詳述するが、この春日通り以南のビール価格は300円台がスタンダード。この中にあって400円台のビールはちょっと引いてしまう(ヱビスであれば納得だが)。

 まずは名物と書かれた「もつ煮込み」(399円)。もつは豚のシロ、スープは赤味噌ベースで、味はごくフツー。激戦区上野にあって、舌が肥えた上野のおっさんを唸らすまでにはいかないレベルだ。
 厳しいことを言うようだが、上野の住人(働いている者)としてあえて言いたいところである。

 しかしながら、さすが焼き鳥屋!串焼きは本当にうまかった。
 やきとんはカシラ、タン、シロ、といった基本部位から網脂レバー、ハラミといったアメ横ではあまりお目にかかれないものまで揃え、鶏はもも、ねぎ間、砂肝、ぼんじりとラインナップしている。ちなみに店の品書きによると鳥は、岩手県産銘柄鶏『奥の都どり』(おくのみやこどり)を使用していると書いてある。ももを食べてみたが、確かに弾力があってもちもちしている。

 焼き台はガスではなく、当然炭火。「塩は赤穂の天然塩、たれは鶏ガラを煮込み、旨味エキスたっぷりの自家製たれ」を使用と記されている。
 熊猫は焼き鳥屋に行くと大概、タレで頂くことにしている。やはり、タレである程度その店の力量と心遣いが見えるからである。

 一方、やきとんのカシラ、タン、豚バラ、豚レバーに関しては、秘伝の「とんみそ」と呼ばれるタレも注文できる。実際に頼んでみたが、少しピリリと辛い味噌仕立てはかなりやきとんにフィットするタレであった。
 こうした点を考慮すれば、同店(実際はフランチャイザーなんだけれど)の焼き鳥への情熱はひしひしと感じた。1本各105円は頑張った値段設定といっていいだろう!

 ビールから別の飲み物へのスイッチにしばし逡巡した。
 ホッピーは黒(380円)のみ。うぅむと唸りながらメニュー表を凝視していると「健康酎ハイ」の文字が見える。
何だろう?と思って「ラーク」(304円)というものを頼んでみた。緑色のその酎ハイは不気味な雰囲気をたたえており、おそるおそる口をつけてみた。一見すると青汁のような感じ。だが、飲んでみると青汁ではないことは分かる。では一体何か。実はそれが分からないのである。
甘いのだが、実態は分からず、店の人に聞いてみると、詳しくは教えてくれない。だが、癖になってしまって、その後4杯も飲んでしまった。
ある意味、この「ラーク」はマスト酒といっていいだろう。

時間が経つうちに店は混んできた。
ディープな店が多い上野にあって、それほどディープでもなく、かつ串焼きがうまい!という店は実はそれほど多くもない。女性を連れてくるならほどよい店といえるかもしれない。

さて、「串八珍」の頭に「元祖」とあるが、これが少々気になった。やはり「加賀屋」と同じように暖簾わけしていく過程で分裂があったのだろうか。
気になるところでもある。
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