前夜から降り始めた五月雨はあがったものの、新宿地下コンコースはうだるような湿度で蒸しかえっていた。鬱陶しい季節がまた巡ってきたのかもしれない。
待ちあわせの時間になったが、彼は現れなかった。
プロ野球の速報をケータイでみると、我らがチームは初回に大量失点を許していた。
Uチーさんが現れたのは約束の時間から20分ほど遅れて。
合い言葉は「ヨシヒコ」。
同じ野球チームを愛する者同士の再会である。
Uチーさんのセッティングによる今夜の酒宴。エンタテインメントの世界で仕事をするUチーさんは「ダウンタウンの松ちゃんお気に入りのお店」という酒場を予約してくれていた。
新宿駅東口の地下コンコースを抜けて、地上に出ると、大音量の「友達賛歌」が聞こえてくる。
子どもの頃のこの曲で山手線を「やまのてせん」と読むようになった。
紀伊国屋書店の手前を歌舞伎町方面へ。
坂を下るとその店があった。
簡素な作りの店だった。
地下の階段を降りて、店に行くと、店内は超満員だった。Uチーさんによると予約していないと入れないという。
「じとっこ」。
不思議な音感である。
日南市の方言なのだろうか。
「組合」というのも不思議だ。
農協の組合のことなのだろうか。様々な養鶏業者が集まって、仕入れ先を組織しているということなのか。
椅子もテーブルも木目がくっきりと見えるものだった。蛍光灯が眩しく、白木のテーブルに反射をして、店内は異様に白い。
生ビール(480円)。
銘柄は失念。
乾杯の発声は何故か「天福球場」。
「サンマリン」ではない。
球界の紳士がつけた怪しげな英語とは正反対に位置する天福。
日南と僕らを繋ぐ微妙なキーワードだ。
その後、繰り出される、地鶏の数々の料理をほおばる度に「これ天福球場だよね」と訳の分からない会話が繰り返された。
だが、根拠がないわけではない。
日南。日向。サンマリン。
宮崎にはとかく陽の温かみを感じる。その地鶏、もしもはや地鶏とはいえないにしても、その温かみの中で育った鶏はもはやブロイラーではないのかも。
だから、頬張るたびにぎゅっとつまった味わいを感じるのは天にも昇るような福だよね。
そういう意味を含んでいる。
「名物じとっこ焼き」(1280円)。
カレーの底にこびりついた焦げが混ざってしまった2日目のカレーみたいな、そんな色合いをした皮、ももを塩味で焼いたそれは、科調の味をこれでもかとさせていたが、それでもやはり濃い味が好きな自分にとって、やはりおぃしいと言わざるをえなかった。
ビールを飲み干し、メニューを繰ると、東国原さんの笑顔。
宮崎県の本格焼酎が数ページに渡って掲載されている。
その中から、渡邉酒造所の「萬年 黒麹」をチョイス。
ショット550円。
どんと一発お腹に響く重厚の低音といった味だ。
最近、ずっと地鶏を食べている。
そういえば、この店の成功から、ぐんと牧場系の店が増えた。卸店を介さないB to Bの商売は、この酒場業界にも波及してきたようだ。
何はともあれ、地鶏と地元蔵元の本格焼酎に「天福球場」と、僕たちは掛け声を繰り返した。
待ちあわせの時間になったが、彼は現れなかった。
プロ野球の速報をケータイでみると、我らがチームは初回に大量失点を許していた。
Uチーさんが現れたのは約束の時間から20分ほど遅れて。
合い言葉は「ヨシヒコ」。
同じ野球チームを愛する者同士の再会である。
Uチーさんのセッティングによる今夜の酒宴。エンタテインメントの世界で仕事をするUチーさんは「ダウンタウンの松ちゃんお気に入りのお店」という酒場を予約してくれていた。
新宿駅東口の地下コンコースを抜けて、地上に出ると、大音量の「友達賛歌」が聞こえてくる。
子どもの頃のこの曲で山手線を「やまのてせん」と読むようになった。
紀伊国屋書店の手前を歌舞伎町方面へ。
坂を下るとその店があった。
簡素な作りの店だった。
地下の階段を降りて、店に行くと、店内は超満員だった。Uチーさんによると予約していないと入れないという。
「じとっこ」。
不思議な音感である。
日南市の方言なのだろうか。
「組合」というのも不思議だ。
農協の組合のことなのだろうか。様々な養鶏業者が集まって、仕入れ先を組織しているということなのか。
椅子もテーブルも木目がくっきりと見えるものだった。蛍光灯が眩しく、白木のテーブルに反射をして、店内は異様に白い。
生ビール(480円)。
銘柄は失念。
乾杯の発声は何故か「天福球場」。
「サンマリン」ではない。
球界の紳士がつけた怪しげな英語とは正反対に位置する天福。
日南と僕らを繋ぐ微妙なキーワードだ。
その後、繰り出される、地鶏の数々の料理をほおばる度に「これ天福球場だよね」と訳の分からない会話が繰り返された。
だが、根拠がないわけではない。
日南。日向。サンマリン。
宮崎にはとかく陽の温かみを感じる。その地鶏、もしもはや地鶏とはいえないにしても、その温かみの中で育った鶏はもはやブロイラーではないのかも。
だから、頬張るたびにぎゅっとつまった味わいを感じるのは天にも昇るような福だよね。
そういう意味を含んでいる。
「名物じとっこ焼き」(1280円)。
カレーの底にこびりついた焦げが混ざってしまった2日目のカレーみたいな、そんな色合いをした皮、ももを塩味で焼いたそれは、科調の味をこれでもかとさせていたが、それでもやはり濃い味が好きな自分にとって、やはりおぃしいと言わざるをえなかった。
ビールを飲み干し、メニューを繰ると、東国原さんの笑顔。
宮崎県の本格焼酎が数ページに渡って掲載されている。
その中から、渡邉酒造所の「萬年 黒麹」をチョイス。
ショット550円。
どんと一発お腹に響く重厚の低音といった味だ。
最近、ずっと地鶏を食べている。
そういえば、この店の成功から、ぐんと牧場系の店が増えた。卸店を介さないB to Bの商売は、この酒場業界にも波及してきたようだ。
何はともあれ、地鶏と地元蔵元の本格焼酎に「天福球場」と、僕たちは掛け声を繰り返した。
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