２Years later - 陸前高田より -

南相馬のふりそぼる雨に濡れたせいか。
頭痛は更に激しくなっていた。

砂埃の向こうは見渡す限りの更地だった。
遠くで重機が幾何学的な動きで躍動する。
海岸線の朽ち果てた建物。
未だに死の臭いが立ち込める。
その向こうに「奇跡の一本松」のオブジェ。
陸前高田の褐色の大地に立って、頭痛は更に激しくなった。
茫獏とした光景を見ていると、目眩とともにそこに吸い込まれていく気がした。



大船渡の港は何事もなかったかのように鴎が飛ぶ。
春の訪れはまだ遠い。
乾いた風が砂埃を巻き上げた。
ここも町が消えていた。
プレハブの仮設店舗が並ぶ。
大船渡駅はもうない。
途切れとぎれの線路は錆び付いていた。



気仙沼の町はもっとひどかった。
まだ基礎がむき出しのまま。
そして埃がまた舞い上がる。
魚のにおいが微かにした。
そして、ボクは海を振り返る。

日経平均株価は今年の最高値を更新している。
少しずつ都会は、２年前の記憶から
遠ざかろうとしているように見えるのは気のせいだろうか。

まだ、復興は緒についたばかり。
陸前高田も気仙沼もまだスタートにもついていない。
ましてや、福島は。

福島から南相馬、そして飯館。
仙台と石巻。
盛岡、陸前高田、そして大船渡。
気仙沼、一関。
２Years later.
現場に立つことで見えたこと。
新しい細胞が顔を出した。


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2011REPORT2 ◆ 被災地ルポ　震災に負けないゾ！　仙台編