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蕎麦屋さすらい 029 - 禁断の味 - 「名代 富士そば 秋葉原電気街店」(千代田区外神田)の「コロッケそば」

2018-06-01 23:14:58 | 蕎麦屋さすらい

揚げもの大好きの自分が、「かき揚げそば」以上に好物なのが、「コロッケそば」。

天ぷらの脂がしみだしたつゆもうまいが、コロッケの脂とじゃがいもの餡がもろもろになったつゆも最高だ。ボクはむしろコロッケの方が好きかも。でも、なんとなく、「コロッケそば」って、邪道な気がするんだよね~。

天ぷらとそばは、だれが何と言おうと蕎麦の王道だ。多分、伝統的な和食の組み合わせだからだろう。でも、コロッケはちと違う。出自の違いからなのか、少し卑しい身分に見られてしまう。また、コロッケという片仮名もイメージに悪影響を与えている。じゃあ、天ぷらのぷらって何だよ。そうも言いたくなるが、コロッケは外来種の新参者に過ぎない。

こう考える人って、自分以外にもいると思うな。でも、本当は好きだから、食券の券売機の前で、少し躊躇う。それはまるで踏み絵。

「コロッケそば」が食べたいけど、でも自分にはできない。ごめん。「コロッケそば 」!

多分、そういう人が、1日あたり全国で20人はいるだろうな。でも時々、その戒律を破ってしまい、人は「コロッケそば」に手をそめてしまう。

アキバ電気街の入口にある「富士そば」。多分、日本で一番外国人の来店が多いそば屋だと思うのだが、ここに来ると、「コロッケそば」(410円)は罪悪ではなくなる。周囲に異教徒がたくさんいるのと、グローバル基準にマインドがリセットされるからだろう。

そんな禁を犯して食べる「コロッケそば」は格別だ。アダムは何故、リンゴを食べたか。それは禁じられていたからに他ならない。

「コロッケそば」には、そんな魔力がある。

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