栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

すべては最初と最後で決まる(2)~女将の愛想の悪さで損をしている田の原温泉の宿

2008-11-13 17:28:30 | 視点
 次は最初のミスをフォローできなかった例。
神戸からやってきた弟が熊本・黒川温泉に行きたいというので、それなら黒川の隣に田の原温泉というのがあり、そこにもう一度行ってみたい旅館があるから行ってみようということになった。
 R憩園というこぢんまりとした旅館で、初めて行ったのは10数年前。
その時の印象があまりにも強烈だったので、機会があればもう一度行って確かめてみたいと思っていたのだ。
 黒川と違って田の原は「ひなびた温泉地」。インターネット接続設備はもちろんのこと携帯電話の電波さえ不安定な場所で、宿泊したのは料金はリーズナブルだが、その代わり室内に浴室もなく、風呂は露天風呂だけという「何もない」旅館。

 だが、何もないことは必ずしもマイナスとは限らず、それを逆手に取れば魅力にもなる。
 例えば露天風呂に入るのに20m近くも坂道を歩いていかなければならず、当日は雨だったので傘を差し、下駄を履いて滑りそうな山道を降りていくわけだから、年配者にはちょっと厳しいかもしれない。
 ただ、ぜいたくに慣れた現代人にとっては、こうした露天風呂こそ野趣溢れていると映るだろうし、何もない施設こそ「ぜいたく」と好まれる要素はある。

 しかし、人々がひなびた温泉地の、こぢんまりとした宿に惹かれるのは、女将の細やかな心遣いと人情がありそうだからで、それがなければすべてはマイナスでしかない。
 さて、件(くだん)の旅館である。


  記事全文はこちら





温泉宿を探すならJTB