栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

伸びんと欲すればまず縮めよ。

2008-11-29 01:06:52 | 視点
 「伸びんと欲すればまず縮めよ」という言葉がある。
成長したいと思うなら、まず謙虚になれということである。
 例えば、できるだけ高くジャンプしたいと思い、背伸びした姿勢でジャンプすると、意に反してほとんどジャンプできない。
逆にジャンプする前にしゃがんでから思い切りジャンプすると高く飛ぶことができるのと同じだ。

 ところが、若い時は高く飛びたいという気持ちの方が先走るものだから、ついつい背伸びをした姿勢のままで飛ぼうとして失敗する。
 失敗は誰でもするし、しないよりした方がいいのだ。
問題は失敗した後どうするかである。
失敗を素直に認め、謝れば、次の飛躍が待っている。
 しかし、プライドが邪魔するのか、素直な性格でないのか、ミスを素直に認め、即座に謝ろうとしない者が結構多い。
こうした態度は自らの将来を自分で閉ざしているのだが、そのことに気付かないようだ。
 このタイプは貝を閉ざしたように自らの殻の中に閉じこもるか、逆にミスを他人のせいにして、その相手を憎む態度に出るかどちらかのようだ。

 反省だけなら猿でもできる、というCMが昔あったが、それでも反省する人間の方が成長する。
その場合の観点は、なぜミスを犯したのか、どこでミスしたのかを真摯に考えることだ。
次は、いつまでもそのことばかりを考えるのではなく、速やかに次の行動、つまりミスを挽回する行動に移ることである。
ミスの連続はよくない。

 ある時こんなことがあった。
某所で講演した時のことだ。
直前に参加人数が少なめで申し訳ありませんというお詫びの言葉があった。
人数の多少はその時の条件によってあるからある程度はやむを得ない。

 ただ、案内文書をよく見ると講師のプロフィールを載せてなかったのだ。
これではよほど知られたタレントでもない限り人は集まらないだろうと思った。
それでも気付いた時、即座に講師のプロフィールを入れた案内文書を追加配布すればいいのだが、それがなかった。
さらに悪いことに講演開始の際にも講師の紹介がなかった。
 ここまでくれば次々にミスを重ねていくのは目に見えるようで、講師の話が終わった後に質疑応答の時間を取らずに、いきなり次の予定を紹介したものだから、参加者の方から「質疑応答をするのが普通ではないか」と指摘される始末。
しかも最後まで、そうした不手際を講師にきちんと詫びることもなかった。
こうした態度を改めなければ伸びは期待できないだろう。


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