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香彩日記

一筆入魂!今の思いを『書』に込めて。

最近読んだ小説から~線は、僕を描く

2021年11月08日 12時05分20秒 | 本(紹介・レビュー感想)

水墨画を題材にした砥上裕将さんの小説『線は、僕を描く』を読んで、書に通じるものを感じ、感銘を受けました。


高校生の時、両親を事故で亡くし、殻に閉じこもってしまった大学生の主人公は、展覧会の設営のアルバイトで、水墨画の巨匠と出会い、水墨画の道を歩み始めます。巨匠の孫や同門の先輩をはじめ素晴らしい絵師との触れ合いを通し、外の世界に目を向け、自分の内面に向かい合い、線を描くことの意味深さにたどり着いていきます。
水墨画を描く細かい描写を読んでいると、その画像が浮かび、まるで漫画を読んでいる気分になりました。
数々の賞を受賞した本作は、実際、漫画化されているようです。アニメでも観てみたいです。

線の技の習得や余白の大切さ、作品に心が反映されてしまうのも、一発書きの線は決して書き直しができないのも、書と同じだなあと思いました。

見出しの書は、主人公がはじめに習った春蘭の葉を1本描いて、題目を表紙の並びで書いてみました。春蘭の葉の描き方は、あらかじめ動画を観ましたが、描けるようになるにはかなりの時間を要しそうなので、練習なしで本当の一発書きです。 題目を書き入れて写真に撮ってみたら、その迷いある線を嘆いて泣いている顔に見えました😅 

とっくに人生の半ばを過ぎていますが、まだまだ学ぶことが多いです。

 
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