この10月から改定された(道府県によっては10月中に順次改定する)地域別最低賃金は、すべての都道府県で従前よりも16円以上の大幅アップとなり、過去最高の798円(1時間あたり全国平均)となった。これにより、問題視されていた“生活保護水準との乖離”は、昨年に引き続き全都道府県で解消された形だ。
ところで、この最低賃金は、これから雇い入れる従業員ばかりでなく、現に雇用している従業員にも、もちろん適用される。したがって、現在支給している賃金を再確認し、必要があれば改定しておかなければならない。
こんなことは人事労務担当者にとっては常識に属する話だろうが、まれに、「基準内賃金については見直したものの、時間外手当までは気が回らなかった」という“うっかりミス”を見掛けることがあるので、油断は禁物だ。
この“うっかりミス”は、60時間を超える残業について別単価を設定しているとか、「定額残業代」(予め一定時間の残業があるものとして一定額の残業代を賃金の中に組み込んでおくもの;「固定残業代」とも呼ばれる)を支払っているといった、手計算(もしくは給与ソフトへの手入力)が必要となるケースで発生しやすいようだ。
また、同様に、法定休日(原則として週1回)に勤務した場合の「35%増し」や深夜(原則として午後10時から午前5時の間)に勤務した場合の「25%(時間外勤務や休日勤務との組み合わせで50%、60%、75%になることも)増し」の単価も、最低賃金アップに伴い、見直しておく必要がある。これらについても失念の無いようにしておきたい。
それにしても、こうもあっさり「900円の壁」を越えた(東京都で「907円」、神奈川県で「905円」)のは、個人的には正直、驚きを禁じ得ない。
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