出入国管理法の改正により「技能実習」という在留資格が新設されて久しい。
これは、それまで「特定活動」の一つに位置づけられていた「技能実習」と、就労できない在留資格である「研修」とを統合して整理したものだ。これにより、「研修」の在留資格を有していた外国人も、座学による講習(研修期間中の原則1/6以上)の期間を除いて、就労可能となった。
ところで、外国人が就労する場合にも、当然、日本の労働法規が適用される。例えば、労働者に支払う賃金額は、労働局長の減額特例許可なしに最低賃金を下回ってはならないこととされている。「技能実習」の在留資格で就労する者も例外ではない。
しかし、それを知らないのか、知っていながら無視しているのか、理由はともかく、外国人を低廉な賃金で就労させる会社も多いようだ。
ちなみに、減額特例の対象となりうるものの一例として挙げられている「職業に必要な基礎的な技能及びこれに関する知識を習得させることを内容とするものを受ける者」には、外国人技能実習生はそもそも該当しないので、これも覚えておきたい。
茨城県潮来市のメッキ工場で働いていた中国人実習生が急性心不全で死亡した事件は、「外国人初の過労死」・「劣悪な労働条件(時給400円など)」・「技能実習制度の悪用(実質的に低賃金労働者として扱っていた)」ということで話題になった。また、報道されてはいないが、遺族が会社を相手取って民事訴訟を起こした(あるいはこれから起こす)可能性も充分考えられる。
技能実習生に限った話ではないが、法違反の報いは会社存亡に関る問題にまで発展する可能性があることを、経営者は認識しておくべきだろう。
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