久しぶりの雨で、やっと一息つく。
こんなに暑い夏は初めて。
まだ8月の中盤だしいつまで暑いことやら。
そんな時に、日頃から気になっていたおじから久しぶりに電話があった。
3か月前に最愛の奥様を送られてから、独り暮らしになっていた。
このおじは父方の親戚のおじさんだということは子供の頃から知っているが、よく考えてみればどういう姻戚関係なのかが私にはひとつ良くわからないのだ。
多分、父が3歳の時に死別をした実母の兄弟、その息子だとは思うけれど
今度お会いした時に、詳細をしっかりとその小父に聞いてみるつもりでいるが…
ところで、何故「長いお別れ」かというと
昔、亡き父とおじの間で仕事上の意見のすれ違いが起こり、頑固一徹な父はそれ以降付き合いをやめてしまったと母から聞いたことがあった。
それまでは、一緒に旅行に行ったり、おじの結婚の時は仲人を務めたりした、数少ない父の親戚のひとりではあったのに。
それから30年は時が流れたと思う。
父が他界した翌年、ひょっこりそのおじが我が家を訪ねてきたのだ。
父とおじの関係を知る人が、思い切って会ってそこで話しあい、胸のつかえを下ろせとおじに忠告したらしい。
おじも日々、父との壊れた関係を悩んでいたのだと思う。
ふたりとも意地っ張りで、頑固この上ない。
おじは叱られることを覚悟で、意を決して訪ねてきたのだと思う。
その時に既に父が無くなっていたことを知り、とてもショックを受けていた。
再会の機会が、永久に失われてしまったのだから。
30年以上同じ市内にいて没交渉だったとは、本当に長いお別れだった。
その後、おじは時々我が家を訪ね、私は病気を発した奥さんの介護の相談に乗ったりしていた。
その奥さんが亡くなって3か月余り。
家にいると誰とも話すことが無くてね…と、電話の声は力がなく頼りなかった。
とはいえ、いくら若く見えても70代の後半だし。
熱烈な想いで結婚した最愛の奥さんを失うのは、本人しかわからないほどの辛いこと。
友達が旦那様を亡くして3年、未だに喪失感鬱に襲われると言う。
おじも日を重ねるごとにヒシヒシと寂しさを感じ、その喪失感は暫く拭えないはず。
長いお別れの時を埋めるのは、これからは私の役目なのかなと思っている私がいる。