鉄道の街

2007年10月29日 | diary
資源物回収日。
集積場に雑誌や新聞を出しに行くと、沢山の本が紐で束ねられ置かれていた。
来月から全面リフォームに入るというお隣さんかも。

他人の読書傾向に興味があるので、誰もいないことを幸いにじろじろと背表紙を見れば、
あらあら、夏目漱石の「こころ」が、松田聖子の本と並んで捨てて(?)ある。

「こころ」は親友を裏切って恋人を得たけれど、友人の自殺に罪悪感をもち、自ら死を選んだ孤独な先生の人生の苦悩と悲劇を描いた……確かそんな内容だった。
何にせよ「こころ」は捨ててはいけない(笑)

月曜日に夫の休みが入ったので「鉄道博物館」へ出かけることにした。
土曜日の「アド街」で取り上げられたので混むのでは?と思ったけれど、ウィークデーなので…
しかし、とんでもなかった。

どうやら学校関係の日曜土曜日の休日振り替えが多かったらしく、街の中には子供が多い。
デパートの駐輪場に自転車を置いて大宮駅のコンコースに着けば、盛んに博物館の混雑状況を放送をして
なんと、1時間待ちの入場制限をしているとか。
「ヤ~メタ」と止めた。

夫も私も鉄道オタクではないけれど、まぁ地元の施設を一回くらいは訪ねても、そんなノリで出てきたのが間違いだったらしい。
様々なメディアに連日のように取り上げられ、鉄道ファンが全国から集まっているという事を忘れていた。

とはいえ、私が生まれ育った大宮はかつては、国鉄の街だった。
学校でも近所でも、父親のほとんどの職業は、国鉄マンばかり。
そんな友達の家に遊びに行くと、朝に仕事から帰った父親が部屋で寝ていて、騒ぐと叱られた。

夜半にふと眼が覚めて聞こえるものは、寒くて澄んだ空気の中で列車を次々と連結していく金属音や、薄暗がりの中で働く人の吹く笛の音だった。
今はその操車場の跡がスーパーアリーナや合同庁舎にかわり、国鉄もJRにかわり、かつての面影はどこにもみつけられない。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

変な電話ばかり

2007年10月27日 | diary
昨日は友人とランチをしながら、彼女がつい最近オレオレ詐欺に引っかかりそうになった話を聞かされた。
既に、オレオレ詐欺は(死語の世界)かと…思っていた。

独身で一人暮らしの彼女の家の電話に「僕だけど…」と若い声で電話がかかり(さしずめボクボク詐欺?)
「僕」と聞けば、つい身近の甥の名前を言ってしまったらしい。
彼女「○君?どうしたの」
「僕の携帯が壊れたから、今日思い切って機種変更をして番号も変えた。だから新しい番号を登録しておいて。それにアドレスも消えちゃったからまた携帯番号を教えてね」  
固定電話にかけて、更に相手の携帯番号も聞き出す仕組み。
現在、県内で多い詐欺らしい。

深く考えれば妙な話で、つじつまが合わない事もあるが、急に言われると信じてしまうかも。

相手の携帯に新しい携帯番号を登録させる事によって、次回からは疑うことなく会話をしてしまうという、思い込みの人間の心理をついた詐欺だとか。

そして翌日に「僕」なる人物が携帯にかけ、すっかり本人だと信じ込んでいる相手から、あの手この手でお金を引き出す。
変だと思った友人は、早速「僕」の家に電話をかけて事なきを得たというけれど。

いつも、思うけれど携帯電話が普及した現在、固定電話に掛かるのはそんな怪しげな内容と勧誘がほとんど。

墓石と墓地関係は毎日。
「墓地はあります」と答えるのも、面倒くさい。
だから、友人達はほとんどナンバーディスプレイに変えているらしい。

そんな事をつらつら考えていたら
今朝、電話が。
ここ3回くらいだろうか、1週間に1回ほどのペースで夜に「××ですが、○○(夫の名前)さんはいらっしゃいますか?」とかけてくる男がいる。
知り合いを装ったりする、この手は多いのだ。

何かの勧誘の雰囲気プンプンなので、勿論いつも居留守。
ところが、今日は土曜日なので、朝なら居ると思いかけてきたらしい。
変に慇懃な声を覚えてしまった私は
向こうが夫の名前を言い出す前に

「○○はいませんよ」
と超カンジ悪く先んじてやった!!(笑)
すると、その男
「チェッ! ハエーな。ワカッチャッタカ 」 ガチャン!! だって…(バンザイ!)

やはりナンバーディスプレイは、必要かしら?
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人生の一日

2007年10月18日 | diary
近頃は、遊びすぎかしら? 
だから、やらねばならぬことが押せ押せに。

しかし、今日は何の予定も無い、
故に、朝から夕食の為におでんをぐつぐつ煮こんでおいて、今日一日を有意義に使おうと思っていた。

そんな矢先、母が私の所にやってきた。
「夜にね、何だか布団が重くて眼が覚めてしまって…良く寝ていないのよ」

「まるで、誰かが布団の上に乗っているようで…」

    ぞぞぞっ~~!

「それに○○(6月に亡くなった母のお兄さん)がいるような気がしてね」

父も母も霊体質。
昔から、色々なものを見てしまったり、感じたりするのだ。

しかし、よくよく考えればお彼岸に、母は叔父の墓参をしていなかった。
だから、そのことが気になって、そんな感覚に襲われたのかもしれない。

私は、時間たっぷりの一日をあきらめて
父と母を連れ、叔父のお墓参りに行く事になった。

叔父もつれあいを先に亡くし、息子夫婦も忙しい生活のよう。
だから、寂しくて本当に母のところに来たのかもしれない。
墓石を綺麗にして、少しの雑草を抜き、花を生けて祈っていたら、母の気持ちも晴れやかになったようだった。

やっと夕方に帰宅をして
さぁやらねばならぬ続きをやりましょう、と思っていたら
友人から電話。
私も話にのってついつい長電話。

今も、やらねばならぬことを後回しで、ブログなんか書いている。
あら、時計を見れば、12時をとっくに回って…。

こんな感じで、私の人生の一日が過ぎて行った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

THE QUARTET

2007年10月16日 | jazz
【 THE QUARTET 】を聴く為に、昨夜東京国際フォーラムに出かけた。
1976年に、ピアニストのハービー・ハンコックがたった1回の為に、グループを結成したという。
それからquintetだったり…そして今回、実現されたカルテット。
現代のジャズ界の最高峰、伝説のVSOPが日本で再生されると聞けば、これは行かないわけにはいかない。
V:Very
S:Special
0:One-time
P:Performance
まして、日本だけの特別コンサート。


       


                 

ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ロン・カーター、ジャック・デジョネット
かつて、それぞれマイルス・デイヴィスのバンドで育てられた4人が、初めてQUARTETとして共演。
トイレに行く間もない、驚く事に休憩無しの2時間ぶっ通しだった。
少しお疲れかしらと思う時もあったけれど、4人は60,70代なのにパワフル!!
最初の1曲、マイルスの“SO WHAT”が始まるとゾゾッとした。
マイルスをトリビュートした今回のコンサート、私にとって至福の時。

今日のレッスンの際に、昨日が先生の39歳の誕生日だったと伺い、ジャズとの出会いや、昨日のコンサートの話で盛り上がった。
そして、ジャズ理論について日頃私が思っていたことも話してみた。
男性の生徒さんは皆、理論を話し出すと食いついてくるそう(笑)
先生曰く、理論を全面に押し出して教える教室のほうが多いらしい。
しかし、そればかりに走ってしまうと、個性の無い曲になり本来のジャズというものを考えると如何なものかと。
私もその説に賛成。
勿論、ある程度の理論は必要だけれど。
絵を描いたり、デザインする時に理論は習ったけれど、実際作品に仕上げるときに必要なのは、結局その人のセンスや感性の鋭さだと思う。
良い作品ができた時に、気付けば理論通りだったということがある。
最初理論ありきでがんじがらめになるより、ジャズなんてものは何でもありの中で自由に楽しみたいと、私は思う。

ちょうど、私はマイルスの「FOUR」を弾き始めたばかり。
今回は、アドリブを出来るだけ沢山つくることと、今回もフォーバース、そしてピックアップを入れ、初めてベースソロを入れる事と盛り沢山。
呆けてらんない(笑)


         

             東京国際フォーラム


ついでに

フォーラムの近くなので、早速先日オープンした「イトシア」にも寄ってみた。
私の住む市にも、ファッション系商業施設がリニューアルされたり、新しくオープンされたけれど
いずれも、対象としている年代が20代30代の女性の店舗ばかり。
いつも思うのだけれど、それ以上の年齢の女性は、どこかないがしろにされている感じがする(怒)
女友達が集まると「洋服はどこで買うの」などの話題になる。皆困っているのだ。
どうやら、お洒落なミセスを、この国のアパレルは求めていないらしい。

           
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日は三島由紀夫について

2007年10月13日 | 小説
美術友達のというより、私の幼友達のMさんに誘われ、都美術館で今週から開催された「フィラデルフィア美術館展」へ出かけた。
Mさんは幼稚園から一緒の長~い友達。
つまり、私の友達の原点。
感性が似ているので、話の中で無駄な説明の必要が無いのが嬉しい。
そんなMさんとの無理をせず付き合える関係が、いつも私にとっては心地よい。

○○美術館展と名のつくものは、大体ハズレが多い。
保険などの関係で、傑作は呼べないのかもしれないけれど。
今回の傑出した作品は、ルノワールの「大きな浴女」、マティスの有名な「青いドレスの女」、ドガのブロンズ像「14歳の小さな踊り子」。
ドガのブロンズ作品というものを、初めて観た。
ドガの死後にアトリエで見つかった作品を、後に鋳造したらしい。
これは2人ともお気に入り。
Mさんとこの美術展はイマイチだったわねと言いながら、彼女の習っている油絵の事や、今読んでいる小説や観た映画の話しで盛り上がった。
感性が似ていると、最近観た映画も同じなのに驚く。

帰りの電車の中で、途中から乗車した高校生が鞄の中から、ブックオフの超目立つまっ黄色の袋を出した。
その袋を見ながら
「今時の男子高校生って、ブックオフでどんな本を買うのかしら?」
「そりゃ、コミックでしょ?」

私は、人が選ぶ本に興味がある。
書籍もファッションと同じように、その人のセンスが如実に出るような気がする。

まして、活字離れをしているという、イマドキの若者が読むものとは…(興味しんしん)
いそいそと、彼が袋から出した文庫本は、なんと三島由紀夫の「仮面の告白」!!!
確かに、男子高校生が読むには「仮面の告白」はグッドタイミングかも???
最近の若者は純文系をあまり読まないらしいが、軽く読める物で簡単に満足しないで欲しいと思う。

しばし、Mさんと三島の話題。
彼女が好きな作品は「午後の曳航」だとか。
私は短編の「真夏の死」
この作品には、特別な思い入れがある。
というのは「真夏の死」にはトラウマがあり、読んでいるとそれを思い出して息苦しくなってくる。
最近、やっとその思いは薄まってきたけれど。
そのくせ、夏になると必ず開いてしまう小説のひとつなのだ。

何故か、私はここへきて三島づいている。
先日、小説の先生との会話の中で、三島の遺族から出版差し止めを求める訴訟を起こされ、絶版となった本の話題になった。
そういえば、かつてそんな事があった…と徐々に思い出しながら、「剣と寒紅」をamazonで378円で買ってしまった。

Mさんとこうして出かけたのは、ちょうど1年ぶりだった。
私と別れると、Mさんは御父上を介護する日常に戻っていった。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする