日々、やらねばならぬ様々な事がでてくると、不思議と映画が観たくなったり、出掛けたくなったり…
そして更に、やらねばならぬことが山積。
この心理はなんだろう。
多分、何か理由付けをして逃げ出したいのかもしれない。
まぁ人生は長いからと言いながら
すべてを先延ばしにして
そして映画館のポイントが溜まり、フリーで鑑賞できるので(言い訳がましいが。苦笑)
気になっていた映画を観に行った。
今月はもう2本目。
わたしは感動力が希薄なのか、映画を観ても滅多に泣かない。
まして、観客を泣かしてやろうという意図がみえみえの映画は、観ているほうが何だか恥ずかしくなる。
そして、却って白けてしまう。
しかしこの『あなたになら言える秘密のこと』the secret life of words にはつい、いつになくホロリと。
映画を観て泣くなんて、何年ぶりだろう。
『死ぬまでにしたい10のこと』(どうやら「~~のこと」のフレーズがお好きみたい)で日本でブレイクをした女性のイサベル・コイシェの監督作品。
心に傷を持ったふたりが、自分を取り戻していく過程を描いたという、どこにでもありそうな作品だけれど、実は非常に重い内容なのだ。
計算されたメタファーとして
ヒロイン、ハンナは秘密の背景となった、国家の民族浄化としての内戦で手ひどい過去を負い、今では補聴器のスウィッチを切り静寂の中で言葉を拒絶して生きている。
そしてそのハンナの静寂な世界に、風穴を開ける男がでてくるというストーリー。
再生の物語というけれど、わたしにはそうは思えなかった。
「人は過去をどう背負えばよい?つらい結末を、死を、どう受け入れる」
「さぁ、前に進むしかないわ。皆どうにか未来に向かって生きている、でも、挫折する人もいるわ」
とハンナは答えるけれど。
子供を2人持っても、どこか危うさをもったハンナ。
観た後に、わたしの心にも泰平に生きている事への危うさが少し残った。
キャストにはわたしには懐かしい女優のジュリー・クリスティーがカウンセラーとして登場。
そして、わたしの好きな映画top10にはいる「ショーシャンクの空に」のティム・ロビンス。
さぁ、今度は気分を変えて『ドリームガールズ』を観て来よう。