母を連れて、茨城の親戚へ出掛けた。
今では、母のたったひとりの弟である叔父の家だ。
1泊し、翌日には帰宅するので、わたしは自由時間を福島に近い五浦の岡倉天心美術館に行くことに決めていた。
常磐道も水戸を過ぎると、ぐっと車の量が減少する。
最近は、以前ほど車の運転も好きではなくなった。
夫の横で景色をぼーっと見ているほうが、勿論気が楽。
今は、わたしのボロ軽自動車で、市内や郊外の田舎をくるくる走るのが好き。
走りながら、横で座っている母に「あの山が、秋に全山紅葉するとすごく綺麗よ」と言うと
もともとマイナス思考で、年を重ね更に心配性になった母は
「あの山が、こっちに崩れてきたらどうしよう」などと言い出す始末(ふぅ。笑)

母と叔父の奥さんは気が合うので、母を託し帰る日の朝から五浦へでかけた。
五浦は北茨城なので、ほとんど福島に近い。
手前の磯原は、子供の頃に夏休みの海水浴に連れて来られた海岸だった。
湘南や千葉の海岸のような派手さもなければ、何も無かった。
そして、水温がとても低く、海に入っていると唇がすぐ紫になった。
子供心に、父がどうしてこのような遠くの海まで連れてくるのか分からなかった。
父は、辺鄙な、とか、ひなびた…そんな形容動詞が好きな人ではあるが。
泊まった旅館も、子供の好きなご馳走が並ぶはずもなく……。
今年は夏休みが少し残っていたけれど、海水浴場に人影はまるでなかった。
父は、こんな僻遠な場所が一番好きなのだろう。
そして、地球温暖化で、あの頃よりこの海岸の水温も少しぬるくなっただろうか。

茨城県天心記念五浦美術館に、来たのは2度目。
スッキリ晴れていると、美術館のどこからでも太平洋が見渡せるのだけれど、今回はどんより日和でがっかり。
企画展は「千總コレクション 京の優雅~小袖と屏風」と題された、京友禅の老舗「千總」所蔵の美術品。
染めや刺繍を豪華に施した小袖や円山応挙作の重要文化財「保津川図屏風」などが展示されていた。応挙の10メートルもある八曲一双の大作など、京都を舞台に花開いた優雅な美の世界。
わたしは日本の文様が好きで、毎年のお年賀状は日本文様のデザインに決めているほど。
花篭文や扇面散折枝花文など、女性好みがお好み。
京友禅の文様の美しさもさることながら、夏の絽の帷子の文様が、雪を被った南天を配したところなど、当時の絵師は何て洒脱なのだろうと感心した。
そして、なんと明治時代の友禅染の文様がアールヌーボーなどの文様に似て超モダンだった。

帰りは高速でひどい雨降りになった。
ワイパーも効かず、低速になっても前が見えなくて困った。
無事に戻れたけれど、山が崩れるより雨降りの方がよほど怖かった(笑)
今では、母のたったひとりの弟である叔父の家だ。
1泊し、翌日には帰宅するので、わたしは自由時間を福島に近い五浦の岡倉天心美術館に行くことに決めていた。
常磐道も水戸を過ぎると、ぐっと車の量が減少する。
最近は、以前ほど車の運転も好きではなくなった。
夫の横で景色をぼーっと見ているほうが、勿論気が楽。
今は、わたしのボロ軽自動車で、市内や郊外の田舎をくるくる走るのが好き。
走りながら、横で座っている母に「あの山が、秋に全山紅葉するとすごく綺麗よ」と言うと
もともとマイナス思考で、年を重ね更に心配性になった母は
「あの山が、こっちに崩れてきたらどうしよう」などと言い出す始末(ふぅ。笑)

母と叔父の奥さんは気が合うので、母を託し帰る日の朝から五浦へでかけた。
五浦は北茨城なので、ほとんど福島に近い。
手前の磯原は、子供の頃に夏休みの海水浴に連れて来られた海岸だった。
湘南や千葉の海岸のような派手さもなければ、何も無かった。
そして、水温がとても低く、海に入っていると唇がすぐ紫になった。
子供心に、父がどうしてこのような遠くの海まで連れてくるのか分からなかった。
父は、辺鄙な、とか、ひなびた…そんな形容動詞が好きな人ではあるが。
泊まった旅館も、子供の好きなご馳走が並ぶはずもなく……。
今年は夏休みが少し残っていたけれど、海水浴場に人影はまるでなかった。
父は、こんな僻遠な場所が一番好きなのだろう。
そして、地球温暖化で、あの頃よりこの海岸の水温も少しぬるくなっただろうか。

茨城県天心記念五浦美術館に、来たのは2度目。
スッキリ晴れていると、美術館のどこからでも太平洋が見渡せるのだけれど、今回はどんより日和でがっかり。
企画展は「千總コレクション 京の優雅~小袖と屏風」と題された、京友禅の老舗「千總」所蔵の美術品。
染めや刺繍を豪華に施した小袖や円山応挙作の重要文化財「保津川図屏風」などが展示されていた。応挙の10メートルもある八曲一双の大作など、京都を舞台に花開いた優雅な美の世界。
わたしは日本の文様が好きで、毎年のお年賀状は日本文様のデザインに決めているほど。
花篭文や扇面散折枝花文など、女性好みがお好み。
京友禅の文様の美しさもさることながら、夏の絽の帷子の文様が、雪を被った南天を配したところなど、当時の絵師は何て洒脱なのだろうと感心した。
そして、なんと明治時代の友禅染の文様がアールヌーボーなどの文様に似て超モダンだった。

帰りは高速でひどい雨降りになった。
ワイパーも効かず、低速になっても前が見えなくて困った。
無事に戻れたけれど、山が崩れるより雨降りの方がよほど怖かった(笑)