音楽友達からメールがきた。
「ある雑誌に、私が夫の主治医に送ったメールが出ているの。よかったら立ち読みしてみてね」そんな内容だった。
立ち読みだなんてとんでもない。
早速、その雑誌を求め記事に目を通した。
芸能界で、癌の話題が続く中だ。
彼女はまだ若くして夫を亡くし、そろそろ3年目に入る頃だろうか。
時々喪失感が彼女をとらえ、私から見ても彼女の哀しみは癒えてはいない。
未だに医師の携帯に残されているという彼女のメールの内容は「望ましい死の準備」というものを、彼女の言葉で医師に伝えたものだった。
それは、死に逝く人を安心して旅立たせる時の、彼女の優しさや潔さが伝わってくる言葉。
多分、その医師が上梓したという本にも彼女のそのメールは載っているのだろう。
送る時そして送られる時、その瞬間にどういう心持で対峙するべきなのか、私自身も暫く考えさせられている。