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「東京国立博物館」で開催されている『仏像』展を観に行った。
わたしが是非観たいと思っていた、『国宝十一面観音菩薩立像』は11月7日からの展示で、今度の日曜日で終了をしてしまうのだ。
夫と一緒に観に行く約束をしていたけれど、なかなかスケジュールが合わなかった。
そこで、急遽わたしひとりで、レッスンの帰りに寄ることにした。
レッスン場から谷中を通って10分位歩けば着く近さ。
あと何日かで終わってしまうので、夫のことなんて構ってらんない(笑)
20代の頃に、確か『芸術新潮』だったろうか、白洲正子が毎月「十一面観音」について書かれたものを読んでいた。
その頃は、みうらじゅんではあるまいし、抹香臭い仏像なんて、全然興味が無かった。
しかし、その中で向源寺の十一面観音菩薩の気高い美しさだけは、今に至るまで記憶の底にいつも張り付いていた。
教科書にも載っていたような気がする。
それ以来、十一面観音というと、すぐ反応してしまう。
そして、寺外不出だった観音菩薩が自ら、東京に来るというので楽しみにしていたのだ。
多分、普段は薄暗い寺の中に安置されているのだろうが、ぐるりと照明を当てられ隅々まで見ることができた。
わずかに腰を捻って立つ、すらりとした肢体は2メートル近くあり平安時代の一木彫で、本当に圧倒される気品と美しさ。
十一面観音は、頭上に11の表情を持つ顔をもち、人々を救済する観音菩薩といわれている。
所々色彩や金箔が残っていた。
わたしは谷崎潤一郎の『陰翳礼賛』で谷崎が著したように、外の光が届かない寺の暗がりに仏像が蝋燭の灯りで反射する。
そのように、この十一面観音が夢のように、照り返している様を観たいものだと思った。
しかし、メチャメチャ会場は混んでいた。
やはり年齢層は高い。
おまけに家を出るときは、博物館に寄る事を想定していなかったので、高いヒールのブーツを履いて来てしまった。
非常に疲れた。