【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

焔の幻想 Ⅱ

2009-12-20 16:06:16 | 煌きの硝子(ランプ含む)

【絵本は「ティファニー版」】


   



   新聞を取りに出た時見た今日の朝の空は、
  又々、な~んにもない空に。

   昨日、今日と・・随分、寒く感じたものですが、
  どちらも起床時の気温は 12度。
  
   しかしながら何年か前、7度という事がありましたから、
  この位どうって事ありませんね。

   そして今日は日射しがある分、
  昨日よりは幾分暖かい気がします。


   さて、冒頭の写真。
  ゆらゆら揺れる蝋燭の焔や、
  ランプも好きですが、
  小さな電球も好きなのです。

   それも細長いシャンデリア球
  などの所謂(いわゆる)、電飾。

   ようするに、
  オレンジの灯りが好きなのです。
  ご承知のように硝子も・・。

   その硝子、花瓶として
  使うのが一般的ですが、
  口の広い物など
  相当沢山の花が必要となります。

   おまけに私の好きな花は、
  薔薇を除きますと、
  どちらかと言えば、
  背丈の低い、小さな花。

   そんな時に思い付いたのが、
  その中に電球を入れるという事。

   蝋燭でもいいのですが、生憎耐熱ではありませんので。
  幸い前述のように、電球は買い溜めしています。
  
   そんなこんなで、 5ワットの電球を硝子の花瓶に入れてみました。
  それに、僅か 5ワットですので耐熱でなくても問題ありません。

   元々、オレンジの “手づくり硝子”、
   (琉球硝子)にピッタリです。(写真)

   揺れる焔を見つめる事は出来ませんが、
  これですと安全ですものね。消し忘れても心配ありません。

   申すまでもなく仄かな灯りは、
  周りの空気を一変させてくれました。

   不思議な事に、いつもの部屋が
  特別の表情を持ったようにも見えます。
  又、なぜか優しい気分にも・・。
  
   これも、いつものように蝋燭も併用です。
  同様に、足の付いた蝋燭立てを利用。
  でも、ちょっと見えにくいですね。

   今年は今丁度、外壁工事をしていますので、
  外ではクリスマスの、ちょっとした電飾も出来ません。

   ふと思い付いたのですが、
  その電飾をクリスタルの花瓶に入れても素敵ですね。

   そうそう、電球の事。
  今日の電球には、コードが付いていますが、
  付属の両面テープで着脱可能な、
  コードレスの 「ボンライト」 も便利です。 

佇む静寂

2009-12-19 19:35:35 | レトロ(素敵)な空間~散策



   今日も起床時の空は快晴。
  その後、燦々と太陽は
  降り注いでいましたが、
  いかんせん冬の空。

   厚い雲に覆われ、
  いかにも冬の空・・
  という様相になっています。
  気温は、この冬一番の冷え込みとか。

   さて、この所、
  ずっと籠の鳥状態の私。

   おまけに昨日からは窓という
  窓は、外から目張りされ、
  玄関ドアしか出入り出来ません。
  
   そんな事もあって、この寒空の中、
  ちょっとだけ外出。

   野暮用なのですが、
  久し振りに外出してみますと、
  周りの景色は一変。いつの間にか、
  冬枯れの様相を呈して来ていました。



   まだまだ上の写真のように秋の残像・・
  残り香のように、赤い葉っぱを付けた
  木々も、あるにはあります。

   でも、この寒さのせいでしょうか・・
  いいえ、俄かに色彩がなくなった、
  背景にあるのかも知れません。

   その姿は哀れにも思え・・。
  精一杯頑張って今もこうして
  赤い葉を見せてくれていますのに。

   そしてこちらは、
  見事に葉っぱを落とした公孫樹。

   毎年、同じ光景を見ているのに、
  その潔(いさぎよ)さには、
  いつも新鮮な感動を覚えます。

   そうそう、スッと背を伸ばし、
  凛とした姿のこの木を通して、その背後には、
  こちらでは、ほとんど見る事の出来ない、ポプラや白い貴婦人(白樺)を見ています。
  そう、「想像の余地」 を駆使して。







 

   





   郵便局で、トヨタのMR-S に遭遇。
  最近、あまりスポーツカーを
  見ませんし、何だか懐かしくて、
  ついパチリ。MR2 の後継車ですね。

   この車も、もう製造して
  いませんが、以前に乗っていた、
  日産の 180-SX も
  その姿を見ません。

    故障もなく、エンジンの割には、
   走りも快適で、勿論、恰好良く、
   気に入っていたのですが・・。    

ちょっと気分はお姫様 Ⅱ

2009-12-18 16:45:16 | ハーブと香り雑学


   



   今朝は、凛とした空気に包まれました。
  ゴミ出しの時の空には、な~んにもありません。
  澄み切って晴れ渡った空。

   尤も、大層寒い朝になりましたけれど。
  でも、このような久し振りに身の引き締まる冷気、
  嫌いではありません。
  
   そして、こんな日こそ・・
  次のような アン の文章がピッタリです。

   雪のない所に住む私などには、
  何ともロマンティックな気分にさせてくれる文章です。

   こんな風に、どなたかに・・。
  手紙でもしたためてみたいものですね。

   “・・・ 今夜は雪になりそうです
  あたしは雪になりそうな晩が好きです。
   風は 「小塔や木々」 の間を吹きすさみ、
  あたしは居心地の良い部屋を一層居心地良くしています。
  最後の金色の葉が今夜、
  柳から吹き散らされる事でしょう。・・・”

                             【「アンの幸福」 最初の1年4.】

   さて、私は今日も甘~い香りに
  包まれています。

   それにしても、
  “お姫様気分”?なんて、
  何だか・・ですね。
  でも、心の中だけ。

   “そのつもりになって
  みるだけなのです・・”


   ~という ミス・ラベンダー
  心境かも知れません。

   そうそう、肝心の香水。
  昨日は香りがすぐ抜ける

   ~なんて、申しましたが、
  それほどでもありません。丁度いい位。

   ところで、香水を付ける場所って、
  どこがいいか悩む所ですね。色々な説があるようです。

   手首、膝裏、足首等など・・。
  それについて、こちらでも何度か紹介しています、
  暮らしの手帖版、『すてきなあなたに』 には、
  次のように書かれています。






 






【香水入門】
香水に詳しいお二人に、
ふとしたことでお会いしました。
(中略 )
もう一人は、クリスティアン・ディオールの
日本の責任者です。
( 中略)
香水の付け方には決まりのあるように
言われますが、
フランスの専門家に聞いても、
全部が全部違うのです。
腕に付けると言う人もあれば、
耳の後ろと言う人もあれば
(中 略 )
マチマチで結局、つまるところ、
ご自分がその日、その時、好きな所に付ければいい、
~という事でした。
何だか急に、香水を付けるのが
気楽になって来ました。
(中略 )
     【暮らしの手帖 「すてきなあなたに」 より】  

ちょっと気分はお姫様

2009-12-17 18:45:28 | ハーブと香り雑学


   


   
   朝、早いうちは太陽燦々・・。その後は寒々しい冬空に。
  事実、気温も昨日よりは随分、下がっているようです。

   日本海側は雪の地域も多いようですね。
  やっと冬らしい冬が来たような気がします。

   今日も、あの 『アンの世界』 から、
  こんな記述を見つけました。

   “小春日和の続いた晩秋、・・・ 略 ・・・
  しかし、この日は俄かに 12月 らしく冬の季節に帰り、
  風もなくどんより曇り、
  雪の近付きを思わせる静けさが漂っていた。”

                           【「アンの青春」 第23章】


   さて冒頭の写真。
  ジャンヌ・アルテスの
  スウィートローズベリーの
  香りの香水です。

   正確には、
  「スルタン・フェアリーローズ」。
  生協より今日届きました。

   この大きさのボトルで、
  随分、割安。

   お部屋コロンにしても
  素敵ですし、何より瓶が
  欲しかったのです。

   そうそう、こちらの香水、
  キャップの形は、アラビアの
  宮殿の形がモチーフとか。

   それにしても居ながらにして、
  こうして香水まで求める事が
  出来るなんて。

   その便利さに私は、
  益々怠惰になってしまいそうです。

   ところで、こちら・・“もう一度会いたくなる香り”
  と、中に入っていた栞に書いてあります。

   ス~ッと吹きつけてみましたが、意外に香りは残りません。
  一応、「オーデ・バルファン」 ですが、オーデコロンのよう。

   そうそう、例の生協のおニイサマ、
  一番最後に 「これ!」 と、両手で手渡して下さったのです。

   「ワ~ッ、これ待っていたのですよ」
  「そうですか、良かったですね」 ~と、にっこり。

   そう言えば、憧れの花、「匂いすみれ」 の時も、
  そうでしたっけ・・。

   一瞬、プレゼントされたような気持ちに。
  勿論、ほんのちょっぴりですけれど。

   最後に、この香水の 「香りのピラミッド」
  を記して置きます。




 【トップ】: オレンジ、カシス、グリーンリーフ、鈴蘭  
 【ミドル】: フリージア、ブラックバカラローズ、イリス・ジャスミン、
         レッド・アップル、ストロベリー  
 【ラスト】: サンダルウッド、シダーウッドアンバー、ブラックベリー、
       ホワイトムスク

夢見るエプロンⅡ

2009-12-16 16:17:27 | リラのお気楽ユメ日記



   今朝は真珠色の空になりました。
  勿論、籠の中? から見た空ですが・・。

   空の見えない鬱陶しさ、
  気楽に庭に出られないもどかしさ・・。

   それは、相当なものがありますね。
  一見、何でもない事のように思われますが・・。

   でも、シートが取り外された時の爽快感を
  思いますと、我慢出来るというものです。

   ところで。
  「これからは、日ごと寒さが募ります・・」

   ~とは、昨夕のテレビの気象予報士の言葉。
  “アレッ!? どこかで聞いたフレーズ・・”

   思わず、その予報士(男性)の顔を真剣に眺めました。
  でも、あくまでも真面目で、澄ました顔。
  周りの方も何も仰いません。何だか可笑しくて。

   「日ごと寒さが募ります、
  着ては貰えぬセーターを涙こらえて編んでます」

   ~と続くのでしたね。【「北の宿から」~ 都はるみ】
  とは言え、こちらは今日も起床時の気温は14度。まだまだです。


   さて私は、大好きな物が多くて
  困ってしまいますが、
  そのうちの一つに、
  エプロンがあります。

   それは、レースだったり、
  フリルだったり、刺繍だったり。
  結構、華美だったりします。

   勿論、自分で求めた物も
  ありますが、私がエプロン好きだと
  いう事を知っていますから、
  友達からプレゼントされたり。

   ただ、ここでも困った状態に。
  あまりに美しいものですから、
  汚すのが勿体なくて使えないのです。

   写真は、手近にある物を
  取り出して来たのですが、
  衣装ケースの中には、まだまだ沢山。

   それで実際に使っているのは、
  薔薇の絵こそ描かれていますが、
  ごくシンプルなもの。
  何をか言わんといった所ですね。

   “朝の食事がすむと、まもなくダイアナが片手に花籠を、
  もう一方の手に自分の白モスリンを抱えてやって来た。
   白モスリンは食事の用意がすっかりすまないうちは、
  着られないからで、今のうちはピンク更紗の服に、
   おそろしくひだ飾りの付いた麻のエプロン を掛け、
  いかにもさっぱり、可愛らしく見えた。・・・”

                                【「アンの青春」 第17章】

   そうそう、【前回】 の記事。
  もう3年前になりますが、
  うっかりあの時と同じエプロンを掲載してしまいました。(右上の写真左)

   その時、そのエプロンを使うと言っていますね。
  でも、こんな訳で・・あの時も結局、使えなかったのです。
  そして相も変わらず、「箪笥の肥し」 ばかり増やしている私がいます。       

硝子の魔法

2009-12-15 15:45:15 | 私の手作り夢時間



     今日も美しい空で明けました。
    写真がないのは本当に残念ですが・・。

     今朝は、いつもより “寒い!” なんて思い、
    起き出したものですが、居間の温度は14度。
    ちょっと肩透(すか)し。

     寒さに身体が慣れていないのでしょうね。
    こんな調子ですと、これからの寒さが思いやられます。

     でも、昼間は昨日より随分、寒くなりました。
    空も、朝の快晴が嘘のような、どんよりとした冬空になっています。


   さて、こちらのチョーカー、
  もう着なくなったセーターのビーズだけ
  残して置いたもので作りました。

   本当は、もう少し幅広のものに
  したかったのですが・・。
  (せめて後、1段)

   仕方ありませんね。
  どうしても数に限りがありますから。

   でも、これもちょっとした
  リサイクルですね。

   【以前】 にも紹介しましたが、
  こんなビーズは、幅広のグラスを
  逆さまにしたものに掛けて、
  お部屋のオブジェに。

   これらは、こんな風に、
  外に出して置いても綺麗ですから、
  それなりに楽しめます。

   身に付けるのとは違った楽しみ方ですね。
  そうそう、普段は窓辺に。
  光の反射を受けて、キラ、キラッ


   そして、こちらはコサージュの
  ポプリ? です。

   私の場合は勿論、ポプリ用に
  求めたものですが、こんな風に
  コサージュを入れてもいいですね。

   コサージュも、
  花には違いありませんから。

   漆器でも感じた事ですが、
  使い方は自由でいいですものね。

   その方が押入れの奥に、しまい込んでおくより、
  どれだけ器も喜ぶでしょう。
  因みに・・コサージュも手作りです。         

焔の揺らめきと翳りを感じる時

2009-12-14 15:35:15 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編


   



   ここ2、3日、すっきりしない天気が続いていましたが、
  やっと快晴の空を迎える事が出来ました。
  と言っても写真はありません。

   最近では、朝一番にベランダに出て、
  朝の空を撮るのが日課でしたから、
  勝手が違って、とまどっている私がいます。

   すぐ裏にお住まいの奥様からは、
  「綺麗になるのだから、いいじゃない!」
  ~なんて。それもそうですね。

   「今年の11月は何といい月だったのでしょう」           
                                   【「アンの青春」 第10章】

   言うまでもなく、この言葉は、アンの口癖です。
  こんなアンですから・・もう少しすれば、
  「今年は何ていい年だったのでしょう」

   ~と続く筈です。きっと・・。
  そして感謝と共に1年を終える・・。

   改めて自分自身を振り返ってみますと・・。
  “11月・・?”  “一体、何があったかしら・・?” 

   12月に入ってまだ何日も経っていませんのに、
  何とも曖昧な印象しかありません。
  丁寧な毎日を送っていない証拠ですね。









     さて、ずらり並んだ硝子の靴(ブーツ)。
    (硝子でない物もありますが) 
    なぜか靴って、好きなのですよね。

     別にどうって事ありませんが、
    並べてみました。

     12時の鐘が鳴ると同時に、硝子の靴を残し、
    南瓜のバスに乗り込んだ、シンデレラではありませんが、
    なぜか夢やロマンがある気がして・・。
    別にどうって事ありませんが、並べてみました。

     これにはポプリを入れたり、
    花瓶にしたり、使い道は色々です。

     そうそう、つい3日前にも開店したばかりですが、
    急に思い立ち、早々と 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)』
    の開店です。


   奇しくも、ブーツは、
  クリスマスシーズンの今に、
  ぴったりですね。

   白いカップは、「たち吉」。
  シンプルで気に入っています。

   そして、こちらの本。
  『1Q84』 などで今、
  話題の村上春樹の本です。

   来年、この 『ノルウェイの森』 は、
  映画化されるそうですね。

   「とても面白かったから・・」
  ~と、主人からのたっての勧め。
  何でも私向き? なのだとか。
  
   “暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に
  着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの
  『ノルウェイの森』 が流れ出した。・・・”


   こんなプロローグで始まります。
  まだ読み始めたばかりですが、早くものめり込みそうな予感・・。     

普段着の漆器

2009-12-13 18:05:55 | 趣味の器(壺)~その他
   昨日同様のスッキリしない天気が続いています。
  どんよりした空。いかにも冬空と言った感じです。

   今朝は、ちょっぴり寒さを感じましたが、
  それでも居間の温度は 15度。
  これでも平年よりは相当暖かいですね。

   昨夜などは、同じ居間の温度は 18度もあり、
  ストーブを点けてもすぐ消す始末。何とも暖かい 12月です。


   さて昨日は陶器でしたが、
  今日は又々、漆器の話題を。

   写真の小鉢は、ハナエ・モリの
  「CHIKI CHIC(しっきシック)」
  として商品化されているものです。

   漆器の文字に、何も考えず、
  実家から持ち帰った物ですが、
  「ウレタン塗装」 との事。

   この事については、木工作家で
  いらっしゃる、【工房 Miya】 さんが
  詳しく述べていらっしゃいますので、そちらをどうぞ。

   ウレタン塗装ですが、この小鉢の材質は木製。
  良くあるプラスチック様ではなく、木の持つ質感はありますので、
  素人目には全く分かりません。








   



   一方こちらは、ご覧の通り弁当箱です。
  こちらは正真正銘の漆塗り。

   押入れの中を探していて、見つけました。
  自分でもその存在はすっかり忘却。
  
  と言うより、全然興味がありませんでしたから即、
  押入れ行き・・となったのでしょう。

   それが変われば変わるもので、今では春になったら・・
  リラ版 「お化けの森 」 にでも、お弁当を持って行こうかな・・
  ~なんて。

   “・・・祖母の箱を開けるのは大層面白かった。
  中には美しい硝子製品や、瀬戸物類が入っていた。
  祖母の物であった白と金の正餐用食器類一式、
  脚の細い台付きコップ、
  あらゆる種類の風雅な美しい皿などがあった。”

                             【「丘の家のジェーン」 18.】

   今の私が同様の心境です。
  実家の物置きの箱の中に限らず、我家のそれも・・
  ちょっとした宝箱? を開けるような気持ち。

   趣味や好みなども、若い頃とは随分、
  変わって来ましたから。

   ところで、先日も記しましたが西村玲子の同じ本に、
  この 「漆器」 の事を書いた件(くだり)があります。
  
   魯山人 も、「器は料理の着物」
  ~と仰っていらっしゃいましたものね。以下に記して置きます。





 





 ・・・ 略 ・・・「杏」 というお店、何度か出掛けて、
その美味しさとセンスの良さに感激している。
 器の扱いが上手で、私達の生活のヒントになる。
【中 略】
ごまだれの器は漆の平皿。ポン酢の方は古伊万里。
 こんな風に陶器と漆のバランスがとてもいい。
そうだわ、私も漆をしまいこんだままにしないで、
ドンドン使って行く事にしよう。・・・ 略 ・・・

 漆器を特別に考えず、食卓の彩りに使いたい、
陶器や硝子の硬質感を和らげ、
温もりを感じさせる漆器。
 常に使う事によって持ち味が出るのは
漆器とて同じ事。
煮物にも、菓子盆や果物、
麺類なども上等に見えてしまう。
そう言えば、それにぴったりの漆器が
どこかにあったはず・・・。
         「 ちょっと憧れ、こんな暮らし方」~西村 玲子 】 

目と心のご馳走

2009-12-12 16:15:16 | 趣味の器(壺)~その他


   昨日の雨は上がりましたが、起床時の空は、スッキリという訳には行きません。
  ただ外壁工事のためシートが掛けられていますので、それを通しての空ですが・・。
  それでも午前10時頃には一度は、太陽も顔を覗かせたものです。

   それにしても今、“籠の鳥” 状態。
  いつものように、ちょっと庭に出て花を愛(め)でる・・という事も出来ません。

   先日も記しましたが、普段の何気ない事・・いつものように。
  それが普通に出来る事がどれだけ有り難くて、癒やされていた事か、早くも感じています。
  これしきの事で・・なんて言われそうですが・・。



     さて、昨日は珈琲がこぼれていますのに・・
    気になりながらも、カップの写真をそのまま掲載。

     普段でしたら早速、撮り直すのですが、なぜかめんどうくさくて。
    でも、やはり今日も同じカップで、もう一度 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』
    開店です。(昨日の写真は、入れ替えました)
    となれば・・。

   今日は、お茶請けのお皿に注目する事に致しましょう。
  取り出したのは、↑ のお皿。相変わらずの土物です。

   今年は長かった紅葉のシーズン。でも、もうそろそろ終わりですね。
  その旬の木、紅葉の絵柄にしてみました。ふと・・。

   新型肺炎や何やかやで慌ただしく、明け暮れた今年の秋。
  それもいつの間にか、12月も半ばにさしかかろうとしていますのに、紅葉だなんて・・。
  そればかりか・・後 20日もしないうちに今年も終わりなのですね。
  
   やはり季節の流れはゆっくり・・いいえ、曖昧になっているのでしょうか・・。
  時間の流れだけは、超特急ですのに。~なんて事を思ったりして。

   さて、昨日も記し、タイトルにもちゃっかり頂戴してしまった、谷崎潤一郎の「陰鬱の美」
  彼の著書 「陰鬱礼賛」 より以下に抜粋してみます。
  
   一口に 「和」 と言いますが、そもそも “和とは何か・・” が、
  おぼろげながらにも分かるのではないでしょうか。     


 


 なまじな事をするよりは、あの在来の乳白ガラスの
浅いシェードを附けて、球をムキ出しに見せて置く方が、
自然で、素朴な気持ちもする。

 およそストーヴと名のつくもので日本座敷に調和するような
形態のものは一つもない。

 或る程度の薄暗さと、徹底的に清潔である事と、
蚊のうなりさえ耳につくような静かさとが、必須の条件なのである。
 美というものは常に生活の実際から発達するもので、
暗い部屋に住む事を余儀なくされた我々の先祖は、
いつしか陰鬱のうちに美を発見し、
やがては美の目的に添うように陰鬱を利用するに至った。
                  【「陰鬱礼賛」 より~谷崎潤一郎】

陰鬱の美?

2009-12-11 18:40:58 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編


   雨の週末となりました。それにしても暖かいこと!
  起床時の居間の温度は、何と17度。暖かい雨となりました。

   ただ今日も道端には紅葉(もみじ)の華。雨は、紅葉の雨も降らしたようです。
  これで最後? と思って見上げましたら・・まだまだ残っています。
  でも、もうそろそろ時間の問題ですね。

   “・・・アンが目を覚ましてみると雨だれが部屋の窓に打ちつけ、
  池の灰色の水面は拡がる波紋で覆われていた。
  丘と海は霧に隠れ、全世界は薄暗く、物淋しく思われた。・・・”

                                           【「アンの愛情」 第3章】

   こちらは灰色の景色に紅葉の “紅” は、鮮やかです。
  灰色の中の華・・といった所でしょうか・・。



     さて、今日は雨。こんな日は、自ずと蝋燭に。
    つい 【先日】 も、ある実業家の(蝋燭に関する)お話を紹介したばかりですが、
    この蝋燭、癒やしばかりか、精神集中にも良いようですね。

     それは、焔の芯一点に光が集中しているからでしょうか・・。
    それだけでなく、焔は人々の心をも寄り添わせる、
    不思議な力を持っています。

     この力が神様に結びついているからこそ、
    仏教でもキリスト教でも蝋燭の光は、
    欠かす事の出来ないものなのでしょう。          

   という訳で、10日振りに
  『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』 を
  開店致します。

   今日も、
  “和” を意識したものとなりました。

   となれば、土物のカップで。
  こんな色ですが、信楽焼です。

   そうそう今日のタイトルの
  「陰鬱の美」
  
   “「和」 とは、「陰鬱の美」” だと言った、谷崎潤一郎の言葉です。
  「陰鬱」 とは鬱陶しく晴々しないさま・・
  それを美にしてくれるのですから、「和」 って素晴らしいです。
  
   「陰影の美」、「翳(かげ)りの美」・・とでも言いましょうか・・。
  五感で感じる心地良さ、光と影の偶然の面白み、はたまた人の手による調和。
  これらは和独自のような気がします。
  
   ところで、「引戸」 って、日本独自のものなのだそうですね。
  「ガラガラ、ガラ・・」 今では懐かしい音を伴うこの建具、韓国にもないそうです。