【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

蝶のひと枝(花)

2012-07-11 18:45:58 | 四季のスケッチ







【「ランタナ」 の花に ~ 「ベニシジミ」】

・・・既に辺りの景色に魔法を織り成していた。
(中略)
窓の右手には樺の若木が爪先立って
丘の上に顔を出そうとしていた。
柔らかいビロードのような影が
羊歯の間で動いていた。
「これを 魔法の窓 という事にしよう」
                【「丘の家のジェーン」 16.】


   起床時から午前中までは、“アラッ!?” と思う程、良いお天気。
  しかしながら最近の天気予報は、本当に良く当たりますね。

   お昼前頃から途端に雲行きが怪しくなりました。
  それを察知してか否か・・今日は千客万来。そう、蝶たちです。

   先日はどうしても名前を思い出せなかった、
  オレンジの 「ベニシジミ」 がやって来れば、黒に青い模様のアゲハ蝶も。
  尤も、相も変わらず飛び回っていますから、写真は撮れませんでしたが・・。

   ところでお天気の方。あれから降りそうで降りません。
  どうやら夜にずれ込みそうです。
  






   涼しげな瑠璃色の 「ブルーサルビア」 が開花しました。
  一足早く咲いたスカイブルーの 「ボッグセージ」 も続々と・・。

   ところでこれらの花、ゴーヤの緑のカーテンから
  透かして見る事が出来ます。

   ただ今年は、その葉っぱが繁りに繁りましたからほんの僅かに。
  さしずめここが今、我家の 「魔法の窓」

   ビロードのような柔らかい黄緑色の葉っぱが、
  風に揺れるのを見ているだけで癒やされます。

透かし模様からこぼれるエレガンス ~ その2

2012-07-10 16:58:58 | 私の手作り夢時間











・・・10年前に流行った窮屈な型の
黒のカシミアの服を着込み、
黄色の蝶リボンの飾りを付けた
小さなほこりまみれの黒い麦藁むぎわら帽子を被り、
色のめた黒レースの
指無し手袋をはめていた。                   
               【「アンの愛情」 第30章】




   梅雨の晴れ間4日目も快晴となりました。
  今日も乾燥していますが、
  昨日よりは少々、暑いかも知れません。

   こんな天候ですから、
  ふと梅雨が明けたかのような錯覚も。

   しかしながらこのお天気も今日までとか。
  明日から再び鬱陶しい梅雨空が戻りそうです。     













   さて、先日の
  【黒のレース】 に続き、
  ベージュの肩掛けマントが
  出来上がりました。

   ついでにスカートを利用した
  ブルーのカフェカーテンも。

   裾のベージュのレースだけ
  今回、手持ちのレースを
  (以前に編んでいたもの)
  縫い付けました。

   このスカートも気に入って
  いたのですが、何しろ
  ウェストがギャザー使い、
  それもたっぷりと・・
  と来ていますから、
  今ではとても着れません。

   そうそうベージュの
  肩掛けマント。

   これも以前に編んだ
  レースのセーターに
  合わせてみました。

   今日の引用文のように10年は経っていませんが、
  しかも自分で編んでおきながら、そのまま箪笥の肥やしに。

   このセーターにはお揃いのスカートもあるのですが、
  既に 【テーブルクロス】 に様変わりしています。

   今となれば、タイトスカートにすれば
  良かったと後悔しきりですが、後の祭り。

   そう、これも糸も時間も余計に使いますのに、
  懲(こ)りもせず、ギャザー入りなのです。  

かそけきピンクの花姿

2012-07-09 17:10:37 | 路傍の花~道草


【「捩花(ネジバナ)」】










・・・既に曙の色を払い落した富士は、
3分の2を雪に包まれた鋭敏な美しさで、
青空をり抜いていた。
明晰めいせき過ぎるほど明晰に良く見えた。
雪の肌は微妙で敏感な起伏の緊張に満ち、
少しも脂肪のない筋肉の細かい
端正な配置を思わせた。
(中略)
1点の雲もなく、石を投げれば石の当たる
きわどい音が響いて来そうな 硬い青空 である。      
        【三島由紀夫作 「暁の海」 ~ 『豊饒の海』 第3巻】


   



   梅雨の晴れ間3日目は、快晴となりました。
  おまけに梅雨、しかも7月とは思えない程の爽やかな気候。
  気温は、かなり高いのですが湿度がありません。

   昨日も記しましたが、
  淡い水色の空は包み込むような優しさ。

   「青い陶器のような空」 と表現したのは吉屋信子ですが、
  期せずして三島由紀夫も今日の引用文の如く、
  同様の表現をしていますね。

   「硬い青空」 と言うと私などは
  咄嗟(とっさ)に冬日和の空を連想したものです。

   季節は様々で吉屋信子が夏、
  三島由紀夫は春。沈丁花の咲く季節です。
  これからは意識して空を眺める事に致しましょう。







【風を待つ花 「赤花夕化粧(アカバナユウゲショウ)」】


                                    【捩花】

   さて、薔薇が美しいのは
  誰もが認めるところですが、
  「かそけき花」 の
  イメージはありませんね。

   可憐なピンクの野の花には
  後塵(こうじん)を
  排する事でしょう。

   何せ薔薇は存在感、
  たっぷりですものね。

   尤もそこは花の女王。
  憂愁の薔薇もあるには
  ありますが。

   ところで今日の幸せ。
  今年初めて裏庭に「捩花」
  を発見。大好きな花です。

   この花は孤高のイメージ。
  決して群れないで一定の距離を
  保ち咲く事にあるのかも
  知れません。誇り高き野の花。

   そして 「赤花夕化粧」。
  もうかなり長い事咲いていますね。    

   風に揺れているその姿は、見るからに儚(はかな)げで。
  風の似合う花です。「風待草」 と命名しましょうか・・。   

紅薔薇ほろり ~ その2

2012-07-08 16:31:16 | 薔薇の追憶









「・・・グレン小学校の女の子たちが
先生のお嫁さんにと庭に
薔薇 の繁みを2列に植えましたです。
ジョンは ピンク の薔薇はパーシスの頬を
表し、 はパーシスの額を表し、
紅い のはパーシスの唇を表すと
言いましたっけが、あまり詩を引用するもんで
話の中にも混ぜる癖がついたらしいですわい」
                  【「アンの夢の家」 第7章】


   



   梅雨の晴れ間2日目。
  昨日はまだ、通り雨の可能性がありましたが、
  今日はそれもありません。

   久し振りに洗濯物が思い切り干せた今日。
  青い空に白い雲がポッカリ。これも久し振りの青空。
  しかも優しい空。

   おまけに、この所の蒸し暑さを忘れさせて
  くれるようなカラッとした気温です。

   さて、同じ “紅” でも品種の違う薔薇の開花、
  第2弾。写真は昨日の朝撮ったものです。

   いつも思うのですが、薔薇に関しては
  雨の滴も絵になりますね。前回より一回り小振りです。

   でも、虫にやられなくて “ようこそ!” という気分。
  5月に1度きり咲いたオールドローズの 【ピンクの薔薇】 は、
  新芽を出すものの、その都度虫にやられ、
  私も枝を切るものですから、今では丸坊主状態。

   それでも現金なもので又、新芽を出しつつあります。
  私の方も “今度こそ” と力が入ります。










   



   今日も続々と蝶が飛来。
  アゲハ蝶に・・後、オレンジに黒の・・何でしたっけ・・?
  名前が出て来ません。ただ止まってくれたのは、この蝶だけ。

   どうやら 「セセリ蝶」 の仲間ですね。
  伸びに伸びた 「庭石菖(ニワゼキショウ)」 の葉っぱに。 

透かし模様(レース)からこぼれるエレガンス

2012-07-07 18:01:08 | 私の手作り夢時間





「・・・ なんてまぶしいほど美しい女主人公を
あたしたちこしらえた事か ――
そして、それに着せた衣裳と言ったら!
絹に ―― 繻子しゅす に―― ビロードに ――
宝石 ―― レース ――
それ以外、何も身に付けないのよ・・・」         
               【「アンの愛情」 第35章】


   昨日の雨は、起床時には上がっていました。
  そう言えば明方、凄(すさ)まじい雷鳴と激しい雨の音を聞きました。

   夢現(ゆめうつつ)で再び眠りに着きましたが、
  暗闇に一筋の稲光も。そのお陰でしょうか、今日は日中、青空も。
  今の所、雨は降っていません。





【寸足らずの以前の 「肩掛けマント」】


   さて、冒頭の写真。
  レース編みではないけれど、
  布レースの肩掛けマントが
  出来上がりました。

   ところで気に入っているけれど、
  ほとんど袖を通す事なく、
  いつの間にか箪笥の肥やしになって
  しまっている服ってありませんか?

   実は私も多数。
  その中でこのワンピース。

   アメリカに住む叔母から貰った物
  ですが、この服ほど目で見たイメージ
  と実際に着たイメージが、
  違ったものはありません。

   何せ、いかにもアメリカ的な
  薔薇のプリント柄に薔薇のレースの
  パッチワークと来ています。

   私が飛び付いたのは、
  言うまでもありません。しかしながら・・。

   初めて着た時、“もう少し年齢を重ねてから・・” と思ったものです。
  Sサイズとは言え元々、胸もたっぷりある、アメリカ人の体型に合うように
  作られていますから、襟ぐりの開きは胸元までと深く。

   私が着ると襟も袖も見るも無残に垂れ下り、何とも不格好です。
  いつしかこの服の事は忘却の彼方に・・という訳です。
  昨年、薔薇の肩掛けマントを作った時も全く。

   でも先日突然思い出し、このワンピースを取り出しました。
  イソイソと例の 【肩掛けマント】 を付けてみましたが、結果は寸足らず。
  期待が大きかっただけに残念です。

   レースで編む事も考えたのですが、
  ネットでも見掛ける、英国のアンティークレースのアイデアを借用。
  冒頭の写真となりました。後ろは小さな鍵ホックで。

   ただワンピースはパッチワークですし、普段着です。
  叔母も同じ物を持っているのですが、勿論、普段着として着用。
  (でも随分、昔の事。叔母が知ったら、“物持ちいいのね・・” と驚くでしょう)

   でも今度は少々、エレガント過ぎて。
  これを着て自転車で出掛ける訳にも行きません。
  スカートのレースも引っ掛けそうですし。

   ただ、1つ出来上がった事で安心しました。
  8月の食事会にでも着て行きましょうか・・。
  そして今度は、薄いベージュのレースでも作るつもりです。  

青と白を纏って ~ 梅雨の “涼”

2012-07-06 17:30:07 | リラのお気楽ユメ日記

【昨日より沢山花芽を付けた 「ボッグセージ」】


【露草】




時々突き刺すような驟雨しゅううが訪れ、
その合間は薄ら寒くじめじめして冷たく、
鉛のような空の下を不吉な溜息をつきながら
さっと吹き付ける風はうめき声を上げた。                 
               【「エミリーはのぼる」 第13章】


   雨こそ降っていないものの、昨日以上の蒸し暑さとなりました。(起床時)
  こんな風に、一旦は上がっていた雨も昨日より少々遅く、
  午前10時頃から今度は強い勢いで雨が降り出しました。

   その後、降ったりやんだり。
  今はやみ、何と太陽も顔を出しています。
  それでも又々、ザ~ッと。おかしな天気です。

   こんな時、不思議に思い出すのが、ある小説の巻頭部分の描写。
  土屋隆夫の推理小説ですから、ロマンティックどころか物騒極まりないものです。

   でも淡々と・・抑制されて記されている雨の描写に、
  なぜか余計にドキドキしたものです。とは言え題名すら覚えていません。
  その本も探せばあると思うのですが、その気力もありません。

   そう言えば、かれこれ1ヶ月前位になるでしょうか。
  新聞のコラムに、“この季節になると永井荷風の 『つゆのあとさき』 を
  つい手に取ってしまう” ~云々(うんぬん)の記事を目にしたものです。

   尤も、この本は梅雨には全く関係ないそうですが・・。
  話が逸(そ)れました。
  







【半夏生】



   再三、申している通り、雨が1番似合うのは紫陽花ですが、
  つい先日もお伝えしたように、今年は不作です。

   雨に洗われると一層青くなり、瑞々しさを増す紫陽花は、
  梅雨になくてはならない花とも言っていいでしょう。

   その意味では、紫陽花のない今年の梅雨は、
  心にぽっかり穴が空いたような気分です。

   その代わりを埋めてくれているのが、
  「半夏生」 や 「朝顔」 などの白やブルー、寒色系の花。

   僅か1日でぐっと花芽を付けた 「ボッグセージ」、
  次から次へと咲く小さな野の花 「露草」 と。
  紫陽花の華やかさとは対極にある花ですが、心を和ませてくれます。

   今、17時過ぎ。再びPCを開きました。やっと雨が上がったようです。
  16時半頃だったでしょうか、いきなり凄い雨の襲来。

   それは久し振り、雷も伴って。一時停電もした程です。
  『アンの世界』 なら雨が降れば、夏とは言え肌寒さを増すのでしょうね。

   ただ一雨来てもこちらは益々、蒸し暑さを増すばかり。
  それは湯気が出そうな程です。

蝶を呼ぶ庭 ~ その2

2012-07-05 17:06:17 | 四季のスケッチ


【薄紫色の 「シジミ蝶」 ↑ ↓ ~ 「マリーゴールド」 の葉っぱに】




【一般的な 「シジミ蝶」 ~ 「ブルーサルビア」 の葉っぱに】

「帰らなくてはなりませんわ。
こんなに遅いと思いませんでした。
ジム船長は1時間位訳なく経ってしまうと
いつも言ってなさるけれど、
私は2時間もお邪魔してしまいましたものね。 
楽しかったですわ」         
                  【「愛の夢の家」 第12章】




【ヘブンリーブルー(西洋朝顔)】

 
【暁の海】


   午前9時頃から降り出した雨は、
  降ったりやんだり。

   しかしながら、それ程多くの
  雨ではありません。

   同様に気温も高くはないのですが、
  何分にも湿度が高くて。
  不快指数だけは上がりっ放しです。

   そんな中咲いた、
  リラ版 「早起きの妃」 こと朝顔。

   園芸名は 「暁の海」 と言うの
  ですが、何と素敵なネーミング。

   名前を付けた人に、
  詩的なセンスがあったのでしょう。

   暁の空を映した深い瑠璃色の
  海の色は、ふっと梅雨独特の
  不快さを忘れさせてくれますね。

   それにしても何か
  物言いたそうなあどけない表情は、
  見ているこちらの心も和ませてくれます。



  
   ここでもふっと感じる幸せな時間。
  だからでしょうか・・庭にいる時間が、つい長くなって。

   今日の引用文は、訪問先(アンの家)での楽しい時間。
  楽しい時間は、アッという間に過ぎ去って行きますね。

   今、庭にいる私がそんな状態です。
  それこそ時間の経過は、アッという間に。

   「もう、家の中に入らなければなりませんわ・・」
  紫外線を気にしながら、いつもこんな有様なのです。

   でも、その甲斐もあって、今日は薄紫色の 「シジミ蝶」 を発見。
  こんな美しい色のシジミ蝶がいる事を初めて知りました。
  曇り空ですし、光線の加減というのでもありません。

   そして今日の空とは真逆の、スカイブルーの 「ボッグセージ」 が開花。
  ボッグとは沼や湿原を意味しているのだそうですね。
  そう言えば、湿原に似合いそうです。

   初めは鉢に植えていたのですが、
  地植えにして、ぐんぐん背丈が伸びました。
  今ではゆうに私の背丈を越えています。

紅薔薇ほろり

2012-07-04 16:26:56 | 薔薇の追憶







「あれは 王女の木 ですわい。
今じゃ時代遅れですですがな。
(中略)
あの威厳のある所と人を寄せ付けないと
いった所が気に入ってたでな。
あれはめったやたらの者と打ち解けた
付き合いをする木じゃありませんわい。
楓が仲間付き合いだとすれば、
プライスの奥さん、ロムバルディポプラは
社交界 の付き合いですよ」              
                【「愛の夢の家」 第7章】


   昨日の雨は上がりました。
  朝は涼しかったのですが、日射しが戻るとやはり気温は上昇。
  それでも今年は、まだエアコンを付ける程でもなく助かっています。

   そんな中、一休みしていた薔薇が開花。紅薔薇。
  この薔薇は、リラ版 「公爵夫人の薔薇」 ですね。
  朝方、雨が降ったのか滴の宝石も纏(まと)って。

   この季節にしては珍しく虫にやられもせず、美しい姿。
  一方、ピンクの薔薇。

   新芽が出るや否や・・いつの間にか丸坊主に。
  気が付けばその都度捕るのですが、既にイタチごっこの様相。

   丁度今、リラ版 「白い貴婦人」 にも蕾が付いているのですが、
  こちらは、かろうじて間に合い、ホッ。
  小さな小さな虫です。でも当分、目が離せません。

   それにしても薔薇の “紅”。それも深紅の薔薇。
  格調高さと流麗さでは、他の色を圧倒している気がします。
  小さくても個性派でも女王の風格が宿っているのはこの色だけかと。

   そう言えば、今日の引用文。
  尤も、アン の友達、ジム船長
  の言う 「王女(女王)の木」 は、
  ロムバルディポプラですね。

   でも、そっくりそのまま
  「薔薇」 に置き換えますと。

   特に “社交界の付き合い”
  云々(うんぬん)には脱帽です。

   そうそう、水栽培の薔薇。
  又々、新芽を増やしました。
  (前回は 【こちら】

   でも先日の 「ミント」 は、
  あえなく失敗。

   瞬く間にどす黒くなり・・。
  慌てて土に植え替えました。

   となれば、ミントの水栽培に適して
  いる季節は9月頃でしょうか・・。

   土に植えたミントは、幸いな事に
  息を吹き返したようです。

雨に咲く傘の華

2012-07-03 15:05:25 | リラのお気楽ユメ日記

【シェルブールの雨傘】



1時間ばかり雨と風に襲われて、
私は陽気にね回っていたが、
丁度モンジューヴァンの沼の畔に立つ
瓦葺かわらぶきの小さな掘立ほったて小屋の前に来た時は、
太陽が又顔を見せたばかりで、
それが放出する金箔きんぱく驟雨しゅううに洗われて、
再び空や木々の上や小屋の外壁や
まだ濡れている瓦や、雌鶏が歩いている
屋根の上できらきらと輝いていた。
(中略)
水面と壁の表面に、空の微笑に応えるかの
如く青白い微笑みが浮かぶのを見て、
私は熱に浮かされたように、
閉じた傘を振り回しながら叫んでいた。                
           【プルースト作 「失われた時を求めて」】


   こちらは又々、雨。断続的に降り続いています。
  ただ再三、申していますが、今年は連日降り続くという事が
  ありませんので、随分助かっています。

   そんな事もあり、雨音に耳を傾ける心の余裕も。
  “意外に癒やしの音だわ・・” ~なんて。




   今、急に雨脚が強くなり、
  部屋の中も薄暗くなって来ました。

   こんな日は明るく楽しく、
  「シェルブールの雨傘」 気分で。

   それには手っ取り早く、
  音楽がいいかも知れませんね。

   カトリーヌ・ドヌーブの
  「シェルブールの雨傘」、
  それに続く、
  「しあわせの雨傘」 の 【CD】 を。

   それにしても雨に咲く華、
  とりわけ薔薇の花は美しいですね。

   折角ですので今日は、
  手持ちの傘を並べてみました。

   薄暗かった部屋に、パ~ッと
  薔薇の花が咲き、途端に華やかに。

   特別意識して、薔薇の傘を
  求めたつもりはありませんが、
  薔薇に限らず、花柄の傘は多いのでしょうね。

   そうそう1番上の傘は、表面が無地(ゴールド)で、
  内側が薔薇模様になっています。
  傘をさしている本人が薔薇を楽しめますものね。

   1番下の赤い傘は、抽象的な薔薇。
  こんな風に傘の写真を撮ったのは初めてですが、何だか愉快です。

   雨を喜ぶフランス人のように、
  傘をクルクル回しながら歩いてみるのもいいかも知れません。

   そう言えば子供の頃、そんな風にして歩いた記憶が・・。
  ただし、人通りの少ない所で、ですね。

   もう少し雨が小やみになりましたら、
  そこら辺を傘をさして散歩に行ってみましょうか・・。 

緑のタペストリー

2012-07-02 18:57:58 | 路傍の花~道草

【蔦の絡まる家】



・・・ 辺りが何て静かな事か!
自動車の警笛も聞こえず、
ライトがぎらつく事もない。
ジェーンが窓を押し開くと、
羊歯の香が流れ込んで来た。
それから聞き慣れない静かな音も
遠くから聞こえて来た ――
呻くような海の呼び声である。               
              【「丘の家のジェーン」 16.】


   梅雨の中休みは晴れとなりました。今日は1年の折り返し点ですね。
  早くも・・もう・・つい、そんな言葉が口をついて出そうですが、
  暑さはこれからが本番。心してかからねばなりません。

   そんな今日。太陽が顔を出していましたから、
  暑さは覚悟したのですが、意外に爽やかです。

   と言いますのも、久し振りに野暮用で街へ。
  そしてこれも久し振り、道草です。








【クローバーの原】




   先ずは蔦の絡まる家。
  美しい緑のタペストリー。

   いくつになっても、
  ロマンティックの根源ですね。

   ついカメラを
  向けてしまいます。

   尤も、夢と現実の落差を
  これ程、感じたものは
  ありませんけれど。

   (以前、玄関先の擁壁を蔦で覆っていましたから、
  その大変さは良く分かっているつもりです)

   そしてやって来たのは、「クローバーの原」
  少々、遅かったようですが、まだ大丈夫。

   それにしても今日の引用文の如く、静かです。
  私以外、誰もいませんが、物騒な所ではありません。

   少々、廻り道でしたけれど、ここに来て良かったと。
  ここなら、お弁当だって持って来れます。

   それより何より・・こぼれ種なのでしょうか、
  「こけもも」(ブルーベリー・ラズベリー)が群生しているではありませんか。
  それにしても、「クローバーの原」 に 「こけもも」。

   まるで 『アンの世界』
  探せば、こんな所にも 【アンの世界】 があるのですね。何だか嬉しくなってしまいます。