NHKドラマ「メイドインジャパン」
の最終回を見て、
複雑な思いを持ちました。
製造業の現実と生き残りへの模索、
日本人技術者の心に根付いている、ものづくりへの情熱との葛藤…。
今、リストラや企業再生に取り組んでいる企業人にとっては、
ドラマとはいえ、唐沢寿明をはじめとする登場人物の一人一人に
自身の思いを重ねながら観ているに違いない、という思いと
もう一つは、数日前放送された
「クローズアップ現代」での、
日本に在住している外国人の起業ブームについて…、での思いが重なりました。
「クローズアップ現代」では
日本で起業する事の意義について
ある中国人起業家が
「日本には、まだまだ高い技術力と信頼性がある」と述べていましたが、
その一方で、画面下に
「技術を盗まれるのでは?」
というTwitterが流れていたのです。
日本の「ものづくり」技術者がアジアに出て行き、技術が流出することが問題になってから、随分時間が経っていますが、
未だに、ある種の島国根性は根強く残っているようです。
“技術は盗まれるもの”だと考え、
他国に真似できない、より高い技術力を身につけていくのが
「日本のものづくり」だと思うのは
間違っていますか?
生き残りの道を中国企業との業務提携に求める、という今回のドラマ「メイドインジャパン」は、
国際競争に乗り遅れた現状の日本企業を皮肉ったものだと、
…そう思いながら複雑な思いで見終わりました。
今、特に気になっているのは後継者育成の問題です。
実は以前、技能新世紀委員会という「ものづくり」後継者育成プロジェクトに参加していた事があります。
「ものづくり」の技術に関しては
技能五輪国際大会という技術後継者を対象とした大会が二年に一度開かれているのですが、
その技能五輪国際大会で2007年以来、日本は金メダルの数では韓国にtopの座を譲り渡しています。
↓
http://www.javada.or.jp/jigyou/gino/kokusai/kako_taikai_kiroku.html
とはいえ、2年前のロンドン大会では
自動車関連、特に部品製造部門のフライス盤や旋盤で金メダルを取っているなど、工業製品の分野に於いては
まだまだ高度な技術力を持っている将来有望な若者が国内にはいるのです。
今年は7月にドイツのライプツィヒで開かれる予定ですが、
日本の「ものづくり」を担う若者達には、ぜひ国際社会で生き抜くための高い技術力をこの大会で世界にアピールしてもらいたい、
そう、強く願ってやみません。
あっ、なんだか政治家口調になってしまいました。(^^;;
ちなみに、委員会に入ったキッカケは日曜大工が趣味だと答えた事からですが、最近は腰痛でノコゴリ持っていませんねぇ…。(⌒-⌒; )
清水由美