声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

裁判所にて

2013-02-08 18:34:18 | テレビレポーター、キャスターの仕事
関西でレポーターをやっていた頃の
仕事は、心霊シリーズ以外には“事件”の取材がありました。

サラ金問題などの社会問題や、マスコミを騒がせた事件を調べ、
ワイドショーで紹介する仕事です。

その仕事中に、
実は何度かピンチに立たされた事がありました。

三◯銀行の女子行員の横領事件の初公判の時です。
前日の深夜、番組ディレクターから

「急な取材で悪いんだけれど、明日の朝、地裁にいってくれる?」

との電話があり、

翌朝5時から、大阪地裁で傍聴券を求める長蛇の列に並ぶことになったのです。

「もし、クジに外れてもアルバイトを何人か頼んであるから大丈夫だからね!」

と言われていたものの、
誰がバイトさんやら…私には全くわかりません。(~_~;)

( 何が何でも自分で当たりクジを引かなくては…この取材ができないと、
私は多分、準レギュラーから外される )

そう覚悟を決めて抽選の棒を引くと、
先に赤いマークが…。

(ああ、良かった…)

と、ホッとしたのもつかの間、
裁判所に入ろうとすると、すぐに警備員に呼び止められました。

メモを取るなどの許可は腕章を付けている取材陣のみに認められる、というのです。

一難去ってまた一難、どうしたものかと思っていた時、
目の前に見覚えのある人が…

そうです、当時TBSのワイドショーのレポーターをされていた東海林のり子さんです。

とは言え、私のような駆け出しのレポーターが東海林さんのような
ベテラン有名レポーターと面識があるわけがありません。

そこで、私の出演している番組はTBS系列だという事を思い出し、

すぐに、東海林さんのところに行き
事情を説明したところ

彼女は、

「大丈夫よ、ウチのカメラマンの腕章を使うといいいわ、
カメラは入れないんだから。」

と言ってカメラマンの腕章を快く
私に貸してくださったのでした。

TBSの腕章をつけた私は、他局の取材陣に混じって、

堂々と傍聴席の一番前の取材陣席で
メモを取り、写真撮影の代わりのスケッチをする事もできました。

2時からの生放送で、無事に裁判の模様を伝える事ができたのも、
東海林さんのおかげです。

残念ながら、その後は東海林さんにお会いする機会がありませんが、

いつかお会いする事があれば、
真っ先に、あの時のお礼を言いたいと思っています。

清水由美 

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