14日から今日までの5日間、
被害の実態が刻々と伝えられています。
“震災バラエティ”と皮肉られるほど、最近の報道姿勢を問題視する意見も多い中、
震災時のバラエティ番組の扱い自体が論議を呼んでいます。
尾木ママとホリエモンさんの考え方の違いや
明石家さんまさんが
「落ち込んでいる時に笑いは必要か」
と、葛藤する本音を吐露したと言う記事に
私も今から21年前の阪神大震災が起きた直後、
担当していたラジオの収録番組の中で、
成人の日の「お祝いコメント」を急遽「お見舞いコメント」に差し替えて収録し直した事を思い出しました。
言葉一つとってもナーバスにならざるを得ない時期に、お笑いを演じなくてはならない芸人さんたちの苦しい胸の内も理解できます。
落ち込んでいる時だからこそ笑う事が必要なのかもしれないけれど、
当事者にとって、心から笑う事は難しいのではないかとの気遣いは、
大きな不幸を経験した人間なればこそです。
昨日、私は立ち寄ったショップで偶然、
地元TV局の番組で取材中の吉本の若手芸人さんたちを見かけました。
「24日オンエアです、観てくださいね!」
とスタッフから声を掛けられましたが、
気軽に言葉をかけられて、軽く笑顔を返した自分が不思議でなりませんでした。
被災している知人友人たちを心配しつつも、
現実の私は九州とは遠く離れた場所で、何事もなかったように、普通に生活しているのです。
複雑な思いです。
振り返れば、4月14日の夜までは、
5年前に体験した震度6強の揺れも、
その後、長く続いた余震による船酔いのような
感覚も、いつの間にか忘れてしまっていました。
少し前に北関東では頻繁に小規模な地震がありましたが、
震度3くらいでは、驚かなくなりました。
“慣れ”ほど怖い事はないと思っていますが、
ここ数日、鈍くなりつつある感性に問いかけている自分がいます。
地震国「日本」の国民として覚悟しているせいでしょうか?
それとも、ただ鈍感なだけでしょうか?
清水由美