ざわわざわわざわわ〜♪で始まる森山良子さんの《さとうきび畑》は、
サトウキビの葉が風に揺れる音を表していると聞いたことがあるが、
この擬態語に、どことなく胸騒ぎのようなものを感じるのは、
沖縄戦で亡くなった多くの人達の事を、この優しい歌詞に重ねてしまうからだろうか…。
言葉の持つ力って凄いなぁ…と感じる瞬間だ。
名歌の歌詞には、多くを語らずとも背景にある多くの事を思い起こさせてくれる…
童謡の《赤とんぼ》も、そうだ。
十五でねえやは嫁に行き…
という行には、どうしても引っかかる。
子供の頃、なぜ15で嫁に行ったのか…と実母に訊いた事がある。
昔の人は早くに嫁に行った…だけでは片付けられない“貧しい時代”を思わずにはいられない。
時代は変わり言葉も変わるが、
最近、夫とTVを見ながら驚いたのは
ハンバーガーを食べながらレポーターが
「肉肉しいです」と言ったことだ。
肉がギュッと詰まっている?事を言ったつもりだろうが、
ちょっと残念な気がした。
恐らく、夫が言うように、
「肉がいっぱい入っていると言いたいんだろうが、他に上手い表現が思い浮かばないんだろうなぁ」
という事だとは思う。
調べてみると、
メディアでよく見かける国語学者も認めた言葉らしいので、
使うのは構わないという事だろう。
しかし、
「肉肉しい」と表現する事は的確なのだろうか?
まず、耳から聞いた印象がネガティブだ。
私の世代では
「にくにくしい」は「憎々しい」以外にはないのだ。
だいいち、ちっとも美味しそうじゃない。
言葉には“語感”が大事だ。
食レポで安易に「肉肉しい」を使うレポーターにはガッカリする。
一時よく使われていた
「肉汁がジュージー」と言うのもイマイチだが、
もっと適切な表現はできないものか…。
ちなみに私は
「真夏の大冒険」のような予め用意された言葉に、
一瞬、引いてしまった1人である。
ごめんなさい…。
(ー ー;)