チェルシーが販売終了だそうだ…
私にとっては自衛官時代の思い出ともに小田一曹という上司の顔が浮かんでくる。
事務所でいつも小田一曹の隣の机で事務作業していた。
給与計算などを担当していた小田一曹は何の楽器を担当していたのかは忘れたが、
とにかく達筆で、
私が自衛隊を辞めてからも長い間、年賀状のやり取りをしていた。
組織を知らずに入ってきた生意気な私は
先輩隊員から無視されたり、
叱られたり…落ち込むことの多い日々だった。
直接、事務所まで来て
「アンタのは歌じゃないよ!」
と怒鳴る隊員もいた。
そんな時、
小田一曹は泣きそうになっている私に、
「アナタには、チェルシーあげな〜い!」
と言って、
チェルシーをこっそりとくれるのだ。
四角い顔に離れ気味に配置された小さな目がいっそう小さくなって、いたずらっぽく笑う小田一曹の顔に
私は笑顔を取り戻した。
自衛官らしくない人だと思った。
定年後の小田さんは、
相変わらず冗談を年賀状に書いてくるような面白い人だったが、
奥さんが亡くなってからは、小田さんの年賀状の筆文字には覇気が感じられなくなった。
その小田さんも数年前に亡くなって、
年賀状は途絶えた…
私にとってチェルシーは、
小田さんとの思い出だ。
お世話になった…
随分と助けてもらった。
チェルシーは、涙と笑いの混じった複雑な甘さだった。
今日は、これから
商工会議所主催の新入社員研修だ。
自分の若い頃の失敗談でも話そうか…
(^_^;)