いつのまにか 「今なにを語るか」 に テーマがかわっていました。要請ではなく わたしが自分から求めたことになっておりました。 こんなはずではなかったという衝撃のなかで デイケアへの語りの訪問から 高齢者のみなさんの戦争体験の話を聴き 採話してきたこと その血のにじむような体験を語りついでゆこうと カタリカタリというグループで「夏の日に語り継ぐ戦争と平和」 という語りの会を 井上ひさしさんの追悼のかたちでひらいたこと 客席とステージとひとつになってひょっこりひょうたん島を涙とともに歌い踊ったこと 戦争のエピソードをあつめてゆくうち 戦争が起きて最も悲惨な目に遭うのがこどもたちであることに気づいたこと 語ることがこどもたちへの愛であるなら それとおなじように こどもたちが安心して暮らせる国にしてゆくことがたいせつではないかと気づいたこと.....
それが中学校での語りにつながっていったことを話しました。「サイパンの青い灯 赤い灯」 という当時16歳の少女の体験を語らせていただきました。原爆の民事利用がげんぱつであったこと 高線量のなかで行政から見捨てられている福島のこどもたち 憲法改正の動き まず96条の改正に要するのが3/2から1/2にという蠢きについて 憲法改正には十二分な論議がひつようではないか 参院選が終わると同時に まるで戦前のようになだれるようにものごとが動いてしまうのではないか こどもたちのために 今できることはなにか 20分間 おはなししました。ディスカッションはありませんでした。
終わったあと 連絡先を求める方 サイパンでおにいさん一家にどんなことがあったか 語ってくださった方もいました。本を借りたいともとめる方もいました。涙をためて あの選挙の日 どんな思いであったか と訴える方がおりました。これから この国がどうなるのか不安に思っている方は大勢います。マスコミが嘘をついていることや対米従属にも気がついている.....でも どうしたらいいのかわからないのです。
...... 語り芸の講談などでは 政治について批判することも公然と行われておりましたが 組織になってしまったら 政治のことを言ってはいけないようです。政治はそれぞれ考えが違う？ それなら議論をすればいい。タブーのある語りで 文化で戦うなどといえるのでしょうか？ 語りは愛であるといえるのでしょうか？ もう金輪際組織にはたよらないし ことばでひとを判断することもしません。およそ 語りについてわたしは 言行不一致は許しがたいのです。師と決別したのもそれゆえでした。
けれども いいこともありました。福島県の川島町に６月頃 語りにゆくことになりそうです。 希望の語り 龍神伝説をと 依頼されました。とてもうれしいです。気持ちのつながる仲間とあるいていきます。そして もうひとつ 気づかせていただいたことがあります。
きのう書いた メンバーがほかにしたいことがある というくだりです。わたしはほんとうにショックだったのだけれど よくよく考えれば 語ることを目的にすべきでないと言ったのはわたし自身だったのです。なぜ 語るか 自分の軸を持つこと 語ることは自分を知ること 聴き手を癒し 自分を癒すことと..... わたしの願いは成就していたのです。メンバーの多くは子育て支援に あるものは安全で美味しいお食事を出すお店で あるものは図書館で あるものはひととひとをつなぐことでそれぞれ日々活動しているのですから。 感謝こそすれ嘆くことはなかったのです。
NPO法人もきのう 認証されました。わたしは導かれるままに 歩いてゆきましょう。
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