ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「ニック/NICK リベンジ」、ティル ・シュヴァイガー主演の刑事アクション

2015-06-02 17:53:35 | ドイツ映画
おすすめ度 ☆☆☆

アクション映画好き ☆☆☆☆

劇場未公開 

カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2014(5月)で公開されたドイツ映画「ガーディアン」の主演を務めたティル・シュヴァイガーが主演した刑事アクション。

ニックは2部作で、実はこのリベンジは、その後編。

前編で、売春婦の組織をやっつけたニックだったが、

恋人で、州検事が凌辱されてしまう。

ニックは、その復讐に立ち上がるが、

攻めきれず、自らも瀕死の重傷で、敵と対峙することに。

この映画は、主役が痛めつけられるところに主点があり、

その描写に胸が痛む。

シュバイガーの苦み走った顔がゆがむところに、魅力がある。

警察がバックアップするが、後手後手に、

したがって、ニックの出番が多く、

おまけに少年までからんで話を面白くしている。

ドイツらしく重厚な作風だ。
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「バチカンで逢いましょう」、愛と感動の世界遺産へようこそ!

2014-06-03 17:26:46 | ドイツ映画
おススメ度 ☆☆☆
 愛と感動の映画好き ☆☆☆☆

「 バグダッド・カフェ」のマリアンネ・ゼーゲブレヒトが主演で話題の映画。

カナダで生活するマルガレーテ、夫を亡くし、娘夫婦の元へ。だが、老人ホームへ入所の話が持ち上がり、それを嫌がり、楽しみにしていたイタリア旅行へ。

イタリアには、孫娘が留学していた。そこへ転がり込むも、孫はクラブで働く男と同棲中。

マルガレーテは、ドイツ出身で、ドイツ語を話す。

イタリアへ来た目的の一つは、バチカンで法王に会い懺悔することだった。

もともと陽気でバイタリティのあるマルガレーテ。

法王に面会に行く過程で様々なトラブルを起こしてしまう。

そこで知り合った、イタリアの紳士とその甥っ子。

出てくるエピソードがかなり速いテンポで繰り広げられるので、興味に引き連れられてポンポンと物語は進む。

マルガレーテは、警察のご厄介になったり、法王の前で結婚式をする段取りで、花嫁衣装のまま逃げ出したり、得意の料理でドイツ料理レストランを繁盛させたり、愉快なエピソード満載。

どうしても、法王に懺悔したい秘密もあって、最後はきれいにまとめてくれました。


やはり、マリアンネ・ゼーゲブレヒトが生かされて、ローマの休日ではないが、楽しい旅物語ともなっている。

家族物語でもあり、恋愛物語でもある。

法王の肝いりで作られるドイツ菓子カイザーシュマーレンがとってもおいしそう。
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「北朝鮮強制収容所に生まれて」、脱北者が語る強制収容所の実態!

2014-05-19 17:35:49 | ドイツ映画
おススメ度 ☆☆☆
 北朝鮮の闇を知りたい方 ☆☆☆☆

北朝鮮強制収容所で生を受け、脱北した申東赫(シン・ドンヒョク)さん。

彼は、韓国で暮らし、強制収容所の証言や、ボランティア活動を行っている。映画でも。アメリカで体験を話しているシーンが見られる。

自著「収容所に生まれた僕は愛を知らない」(李洋秀訳/KKベストセラーズ刊)、アメリカ人ジャーナリスト、ブレイン・ハーデンによる「北朝鮮14号管理所からの脱出」(園部哲訳/白水社刊)が出版されている。

本作は、ドイツ人監督が、本人に直接インタビューし、ほかにも、脱北した秘密警察の高官と収容所の幹部にも、インタビューしている。

そして、収容所での生活や処刑場面などをイラストで再現し、生々しく迫っている。

北朝鮮強制収容所は、思想的な重犯罪者が収容されているが、勤務態度のよいものにだけ許される表彰結婚により生を受けたシンさん。だが、一生収容所暮らしを運命づけられていた。


脱走の罪で処刑された母と兄の死を見ても、涙が出なかったという。思想教育の恐ろしさ。人権のない北朝鮮を象徴する出来事だ。

この実態を告白する、シン氏は、絞り出すように言葉を発し、時には休憩を要求し、これ以上は語れないとするなど、見ているものをイライラさせるが、監督は執拗に粘り強く、真相を語らせていく。

脱北よりも、収容所を脱走して、北朝鮮の民衆の生活にあこがれを持ったという証言は、まだ北朝鮮の救いが残っていることを示している。


一方で、収容所幹部の淡々とした処刑の告白に、人間の業が読み取れる。

更に、韓国社会の自殺者の多いことに触れ、韓国も決してパラダイスではないと語る。(韓国で生活するシン氏の目から見た韓国の映像が挟み込まれている)。

アムネスティが北朝鮮の人権について調査しているが、早く、正常に戻ってほしいものだ。

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『犯罪「幸運」』、数奇な運命で娼婦になった女と、路上生活の若い男の恋物語。

2014-02-06 19:06:51 | ドイツ映画
おススメ度 ☆☆☆

劇場未公開。ただ、ドイツ映画祭などで上映。

2012年本屋大賞翻訳小説部門1位の短編小説を映画化。現役弁護士フェルディナント・フォン・シーラッハが実話に基づいて書いた短編集『犯罪』。

監督は、ドイツのベテラン女性監督、ドリス・デリエ。

故郷マケドニアの内戦で両親を惨殺され、自身もレイプされたイリーナ。ベルリンに流れ着いて娼婦をしている。いまでも、ふとしたことでレイプシーンを思いだしトラウマに。

そんな彼女が、愛犬と路上生活をするパンク青年カレと知り合い、恋に落ちた。

それぞれ傷を持つ二人、2人の過去のことはあまり語られず、恋は進む。

ベルリンの綺麗な街並みでのデート三昧。

イリーナは、娼婦で稼いだ金でアパートを借り、2人の新居を作る。そして、彼には新聞配達の仕事を用意する。

不法滞在の女と路上生活の男。底辺に生活する二人の、それでも灯りが見えてくる。

そこで事件が(ネタバレ)
























娼婦の客が行為中に腹上死する。びっくりした彼女は、公園へ。

その間に戻ってきた男は、事情を知らぬ間に男をのこぎりで切り刻み、山に捨てる。(男自身は菜食主義者で鶏さえ料理できないのだが)

だが、階段に残る血の跡からばれて、警察に捕まる。

淡々と事件を追いながら、やむを得ず犯した罪を、結局許す結末に。

暗くなりがちな底辺の青春を、未来的に明るく描いた演出はさえている。

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「囚われのサーカス」,ホロコースト生存者の収容所でのドラマ。

2013-11-29 11:43:05 | ドイツ映画
おススメ度 ☆☆

劇場未公開 2008年の映画だが、今月DVDとしてリリース。


ドイツでマジシャンとして一世を風靡した男が、家族で、ホロコーストに収容され、自らは収容所長に犬として飼われ、妻と娘を救うこともできず悩む。

そんな男が、テルアビブの砂漠の中にあるユダヤ人収容施設で心の傷を受けた人たちの施設にやってくる。

白黒の回想シーンと、現実の収容所でのシーンが混在し、ちょっと分かり難い。

おまけに、施設には、美人の看護士がいて主人公に絡む。

さらに、施設には、犬が収容されていたが、実は、男が犬の真似をして近づくと、少年か少女か不明のやせぎすた子供だった。

この子の、再生物語でもある。

特別に、ホロコーストの陰惨さは描かれるが、虐待シーンとかもなく、淡々と話は進む。

まあ、主人公の心の痛みを描いた映画なのだろうが、やや、開き直ったような描写に、深刻さはない。

ドイツとイスラエルの共同製作。

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「イヤーオブザスネーク 第4の帝国」、ロシアでテロに巻き込まれ収監されるドイツ人記者

2013-10-30 17:26:41 | ドイツ映画
おススメ度 ☆☆☆

劇場未公開。WOWWOWで公開。

亡き父が創刊に携わったロシアの雑誌で働くためモスクワへやってきたドイツ人記者。

ロシア政府が一刻も早く反テロ法を施行しようと反政府勢力を弾圧する中、ジャーナリストのイジェンスキー殺害現場に出くわす。

カティアという魅力的な女性と知り合い、行動をを共にする。

そして、地下鉄爆発事件。記者は気を失う。

気を取り直したところで、テロ犯行の実行者として疑われる。

女性との密会写真が動かぬ証拠となる。

そして刑務所での不当な扱い。

何が起こったかわからず、弁明も聞いてもらえない、その恐怖は、サスペンスを呼ぶ。

かなりてきぱきとした描写で、あれよあれよと犯人に仕立て上げられる恐怖。ロシア語が分からないので余計だ。

後半は、父親が残した謎のメッセージから、ある出来事が明らかになっていく。

何とも不気味なロシア。時代は1990年代、チェチェンとの関係に問題があった時期。

題名の「イヤーオブザスネーク」は、原題の訳、巳年のことなんだが?



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「命をつなぐヴァイオリン」、ドイツ占領下のウクライナの悲劇

2013-09-07 15:10:59 | ドイツ映画
おススメ度 ☆☆☆

ナチスのユダヤ人迫害は、いろんな形で映画化されているが、この映画も例に漏れない。

私たちには、ちょっとなじみのないウクライナ。

1941年春、ウクライナのポルタヴァ。

そこに神童と呼ばれるヴァイオリンの名手とピアノの弾き手がいた。

当時ソ連占領下、彼らは各地で演奏会を開き喝采を受け、ソ連での好評から、アメリカへ行くはずであった。

そこに移住してきたドイツ人一家がいた。

その娘はヴァイオリンが上手で、2人の神童と一緒に学びたいと希望を持ち願いがかなうことに。

しかし時代は、緊迫。独ソ不可侵条約の下、ソ連の締め付けが強くなり、ドイツ人一家が狙われる。それを助けたのが神童たちの家族。彼らはユダヤ人だった。

突然、ドイツが不可侵条約を破棄、ソ連に攻め込んだ。

ウクライナも、ドイツの手に。

ヴァイオリンの名手であるがゆえに、ユダヤ人迫害の魔の手から逃れられるのか。

緊迫の画面が続く。

しかし、話が少年少女の音楽家の絆。

随所に、ヴァイオリンの演奏が流れ、暗くなりがちな画面を救う。

命を救ったヴァイオリン、それは哀しい悲劇だった。
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「アイアンスカイ」、月面に生存したナチスの地球への攻撃です。

2013-02-23 15:24:17 | ドイツ映画
おススメ度 ☆☆
    SF映画好き ☆☆☆☆

これは痛烈な皮肉を込めたドイツ映画です。

月の裏面にナチスドイツの軍事基地があったとは驚きの発想。

物語の発端が、月へ派遣された地球からのロケットが、黒人を運び、初の黒人宇宙士が誕生というジョーク。

これは、SF映画のもじりとしては最高のものだ。

受け取った側のナチスは、白人純潔主義、そこへ黒人が現れたからはたと困って、白人化の薬を注射、白人にしてしまうというジョーク。

そして、次期総統候補の恋人である女性軍人が、この黒人に惚れてしまうのも面白い。

さらに地球に潜入して、チャップリンの「独裁者」を見て、自らの国の過ちを認識するとは。

一方、地球側も、宇宙への攻撃について各国が寄り集まった国連のような会議で、それぞれの国のお国柄が。

という風に、風刺溢れた映画だが、宇宙と風刺に疎い人にとってはいささか苦痛の映画だ。

アメリカまで風刺で包み込んでしまう、ドイツ(フィンランド)人の度量に感心する。

ラストの皮肉もさらにアップ。下ネタも満載。
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「東ベルリンから来た女」、解放前の東独で働く女医の話です

2013-02-17 16:37:46 | ドイツ映画
おススメ度 ☆☆☆☆

ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作です。

西と東に分断されていたドイツ、そんなドイツだからこそ描ける、人間ドラマ、むしろサスペンス映画とでもいおうか。

技術がありながら、西ドイツへの移住申請を出したばかりに、地方の病院へ転属させられた女医。当然、当局の監視がつく。

この女医に扮するのが、ニーナ・ホス、なかなかのドイツ美人です。

この女医が、恋人を頼って、西へ国境越えを計画する話と、病院にやってきた患者に対する女医としての責務とが、淡々とだが、サスペンスを含みながら物語は進みます。

ある程度説明を端折っているので、少しわかりづらいところはありますが、上司の医師の監視役としての責務と徐々に惹かれていく恋愛感情。こちらの方も物語に絡んできます。

東ドイツの片田舎の風景は何とも美しく、和ませてくれます。

それにしても、東での監視という社会は、なんと陰惨なのでしょう。分断国家を経験しなかった日本では考えられない世界です。
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『ゲーテの恋/君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」』、まさにゲーテの恋です

2013-02-03 16:18:15 | ドイツ映画
おススメ度 ☆☆☆
    ヨーロッパ映画好き ☆☆☆☆

ゲーテといえばあの文豪、彼の「若きウェルテルの悩み」は有名だ。(小生は未読)

その「若きウェルテルの悩み」を地で行ったゲーテの恋の物語。ただ、かなり脚色はされているみたい。

小説を書くのは好きだが、なかなか売れないゲーテは、父の要請で地方の裁判の事務所に勤務することに。
そこで同僚と行った舞踏会で、一人の娘に恋をしてしまう。

娘の家に行くが彼女は留守、妹たちと遊んだ帰り彼女と出会い、燃えるような愛を経験する。

だが、彼女は貧しく妹たちを養わなければならず、彼女に惚れた参事官と結婚することに。(参事官はゲーテの上司だ)

その婚約の席に駆けつけたゲーテ、失意のどん底に。

まあ、そんな失恋物語だが、当時の時代考証が緻密なのと、田舎の風景が実に綺麗で、中世の画を思わせる。

かなり自由な雰囲気で恋を楽しむので、明るい映画に仕上がっている。

その後、友人の自殺とか、決闘とか、刑務所とかちょっと暗い話もあるが、ラストで再び明るさが見え、万々歳だ。


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