ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「官能小説の女」、孤独な小説家と女子大生の恋の行へ

2016-08-11 16:21:58 | ドイツ映画
おすすめ度 ☆

劇場未公開 R+15

ドイツ・ベルギー合作

小説家・ウォルターは図書館で女子学生・アグネスに出会う。

いつしか、肉体関係に。

ウォルターは、アグネスの求めに応じ、その関係を小説に綴る。

現実と小説の世界が交差して。

やがて、死を意識するようになる。

官能は小説になるが、小説は官能にならない。

ベッドシーンは多いが、エロチックではない。

あくまで文学的。

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「生きうつしのプリマ」、死んだ母にそっくりなプリマ!

2016-08-10 19:07:50 | ドイツ映画
おすすめ度 ☆☆☆

なんともミステリアス。

真相は、なぜか徐々に明らかに。

そして同時並行的にラブロマンスが。

1年前に亡くなった母エヴェリンにそっくりなオペラ歌手がニューヨークにいることをネットで見つけた父親。執拗に尋ねることを強要する。

仕事と愛に息詰まっていた、ソフィ。父親が金を出してくれるとのことで、そのオペラ歌手カタリーナを尋ねる。

適当にあしらわれるが、カタリーナのマネージャとねんごろになったおかげで、再びカタリーナと接触。彼女の母であるローザを訪ねる。彼女は痴ほう症だが、エヴェリンを知っていた。

そして明かされる、父パウルと父の兄ラルフの確執。ラルフも母エヴェリンを愛していたというのだ。

舞台となるドイツとニューヨークの美しい風景、ドイツでは田園風景が、ニューヨークでは人工的な美しさが映画を引き立てる。

主役のソフィは、ジャズ歌手、ドイツではあまり好かれなかったが、ニューヨークでは受ける。その歌詞はこの映画のテーマを語っているかのよう。一方、カタリーナは、正統派オペラを歌い上げます。演じるスコバとリーマンは歌がうまい。

ミステリアスな展開に興味津々で最後まで見せてくれる。

ただ、父親は気の毒で妻の夢にうなされている。

「ハンナ・アーレント」のマルガレーテ・フォン・トロッタ監督がちょっと変わった味付けの作品を作った。


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「帰ってきたヒトラー」、この21世紀にヒトラーがいたら!

2016-07-25 18:00:55 | ドイツ映画

おすすめ度 ☆☆☆

ヒトラーの風刺映画好き ☆☆☆☆

1945年に亡くなったヒトラーがタイムスリップして、現代に現れたらという、SF映画。

似ているからと言って役者が演じているのだから、本物というべくもないが、

実際に街に出て、ヒトラーがインタビューするというリアル、ドキュメンタリー風なシーンもあって。

ドイツで作られた感が強い。

テレビマンが、偶然ヒトラーを撮影し、それをネタにひと仕事しようという、マスコミが絡んだ作りに現代が感じられるが、

1945年とよく似た現状を思うとき、他人ごとではなく日本でも、大衆愚は経験済みだけに、今後が心配だ。

それにしても、よく映画化できたものだ、ドイツでは評判は良いらしいが。

翻って、日本で、天皇とか東条とかが風刺されたらどうだろうか、かまびすしい展開になるだろう。いやもっとあからさまな行動に出るかな。

いまだに、ヒトラー映画が次々と公開され、人々の痛みがあぶり出される一方で、こういった風刺画が出るって事は、ドイツが大人な証拠。

ただ、テロが頻発する昨今、人々は英雄を求めかねない。

映画が、警鐘の一端になってくれればうれしいが。

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「僕らの家路」、幼い兄弟が母を探す3日間。

2016-06-04 18:12:47 | ドイツ映画
おすすめ度 ☆☆☆

子供映画好き ☆☆☆☆

PG12 最初のほうに、母親と男とのセックスシーンあり。

10歳のジャック、6歳になる弟。

父親はいない。母親は、新しいボーイフレンドとの生活が楽しい。従って、ジャックは弟の面倒を見ている。

或る出来事で、ジャックは、施設に預けられることに。

だが、孤独に育ってきたジャックは、皆と打ち解けられずいじめの対象に。

夏休み、皆はそれぞれの親の元へ帰るのに、母親から迎えが3日ほど遅れるとの連絡が。

だが、居残ったいじめっ子に、水につけられ溺れそうになる。そして友人に借りた双眼鏡を池に放り投げられる。

このいじめの陰湿さと、約束の日に迎えに来ない母親に、絶望する。

この辺の描写は、痛切で、いじめの経験のある私にはよくわかる。

そして、自力で帰宅するも、家の鍵が見当たらず流浪に。

弟を連れだし、3日間の流浪生活。

途中、友達に返そうと双眼鏡を盗む。決して優等生ではない。

母の元カレを訪ねるが、最後に警察に連れていかれようとして、頑強に拒否。そりゃ、あのいじめ学園には帰りたくない。

で、ラスト、母と巡り合えホッとする。優しい母。

だが、母には新しい男がいる。

ジャックは、男の決断をする。

ジャックの成長物語でもある。

原題は、ジャック。邦題は優しすぎる。


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「サム・ペキンパー 情熱と美学」、バイオレンスの監督として知られるペキンパーの伝記映画

2016-06-02 11:25:41 | ドイツ映画
おすすめ度 ☆☆

サムペキンパーは、1955年から1983年にかけて、映画を作ってきた監督だ。

1984年、心不全のため59歳の若さで亡くなっている。

西部劇全盛期に、バイオレンスを売りにした映画で注目されている。

代表作は、「ワイルドパンチ」、「わらの犬」「ゲッタウェイ」「ガルシアの首」「戦争のはらわた」である。

独特の作風は、好評だったが、金銭の面で会社やプロデューサーとの対立があった。

本映画は、2005年に制作されている。

ドイツの映画史家マイク・シーゲルが演出。

俳優たちの証言と、フィルムとで、構成され、年代順で、ペキンパーの来し方が振り返れる。

酒と麻薬に溺れた状況も語られ、女との伝記もすごい。

ただ、特に目新しいこともなく、古い映画を見る参考になるだろうか。

日本の現代の映画監督も影響を受けたようだ。

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「顔のないヒトラーたち」、アウシュビッツ事件をドイツ人の手で裁いていた。

2016-03-15 17:40:12 | ドイツ映画
おすすめ度 ☆☆☆

ナチスドイツに関心ある方 ☆☆☆☆

一部実際にあった話、一部フィクション。原題は、沈黙の迷宮の中で。PG12.

1963年にアウシュビッツ裁判を実現させた検察官たちの苦闘を描いている。

戦後、20年復興の中で、若い世代たちは、アウシュビッツを知らなかった。

そんな時代の新人検察官。

ある事件を契機に、アウシュビッツに興味を持ち、裁判へ持ち込む。

周りの反対もあったが、上司をはじめ応援隊もいて、調査開始。

そこには膨大な資料が。

そして、アウシュビッツで犯罪にかかわった人々を裁判に持ち込む。


このような、裁判が行われていたこと、そしてこのような映画が今作られたことに、ドイツの精神を見る。

翻って、日本では、「過去を青年たちに追わせてはならないと公言する」首相を持つ。

この差は何なのだろうか。


だが、この映画は、成功談だけではない。

主人公自身の問題(父がナチスだった)、生体実験を行っていた医師は逃亡。

いまだに、尾を引いているのだ。

ただ、メルケル首相の態度は立派。見習うべきだろぷ。


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「あの日のように抱きしめて」、ナチスのせいで顔を失った女性の叫び

2016-02-10 18:46:23 | ドイツ映画
おススメ度 ☆☆☆

シリアス恋愛ドラマ好き ☆☆☆☆

「東ベルリンから来た女」のクリスティアン・ペッツォルト監督と主演のニーナ・ホス、共演のロナルト・ツェアフェルトが再タッグを組み、ナチスの強制収容所で顔に大怪我を負った妻と、変貌した妻に気づかない夫の愛の行方を描いたサスペンスドラマ。

1945年ベルリン、ネリーは強制収容所から奇跡的に生き残ったものの顔に大きな傷を負い、再生手術を受ける。

過去を取り戻すため夫を探し、見つけるが、夫は自分を認識してくれない。

そればかりか、遺産相続のため妻を演じてくれという。

夫は自分を愛してくれていたのだろうか。

ヒチコックの「ままい」を思い起こさせるサスペンス。

そのギリギリの展開は、ラストまでもつれこむが、

ラストの展開は、見事。

そのためにそれまでの展開があったのかとも思い起こされる。

ナチスの残虐さは、このロマンスの舞台に過ぎない。
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「ヒトラー暗殺、13分の誤算」、家具職人の青年がなぜヒトラーを狙ったのか

2015-11-06 18:58:54 | ドイツ映画
おススメ度 ☆☆☆

歴史映画好き ☆☆☆☆

1939年11月8日、ミュンヘンのビアホールで演説中のアドルフ・ヒトラーを狙って爆弾が仕掛けられたが、あいにく悪天候で、時間が早められ、退席のわずか13分後爆発が起こり、8人が命を落とした。(ヒトラーは生き延びる)

その手口から、独秘密警察ゲシュタポはクーデターや英国諜報部の関与を疑ったが、逮捕されたのは、田舎に暮らす平凡な家具職人、ゲオルク・エルザーと名乗る36歳の男だった。

青年は当初、頑として口を割らなかったが(結構きつい拷問)、恋人が連れてこられると、自分の犯行を説明する。だが、ヒトラーは、背景を探れと執拗に迫る。

映画は後半、この逮捕された男の動向と、彼が爆破するに至った状況が描かれる。

純朴な青年で、青春を謳歌していた。ダンスシーンとか不倫の恋とか、一般人の人となりが描かれるが、結局、人々がナチスになびいていき、このままでは戦争になると危機感を抱くようになったようだ。

取り調べ側にも、その後展開があり、ヒトラーを裏切ったゆえに、刑事警察署長が絞首刑にされる。(このシーンはえぐい)

淡々と地味な事実が積み重ねて描かれるので、かなり根気がいる。

ヒトラー圧政下でこのような計画を実行した人がいたとは、ドイツの良心をも描いているようだ。
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「ドッペルゲンガー 凍てつく分身」、謎の分身、そしてアクション

2015-06-14 17:24:32 | ドイツ映画
おススメ度 ☆☆

またまた劇場未公開 WWOWで公開

ある日突然、自分の分身が現れ、自分にだけ見える不思議な現象。

そして犯罪組織との関わりあい。

やがて、針きゅう師の針から、記憶が戻され、

そこから怒涛のアクションシーンに。

ドイツらしい骨太な映画だが、

やはり話が難解。

出演者の表卿が暗い。

思わぬ展開だが、記憶喪失が原点。

愛する女との関わり合い。

名前だけでつられて見たが、

ちなみにドッペルゲンガーとは、自分とそっくりな分身。だがこの映画は自分の分身ではない。そこが難解。 
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「ニック/NICK 狼の掟」、ティル・シュヴァイガー主演アクション映画

2015-06-14 10:12:12 | ドイツ映画
おススメ度 ☆☆

アクション映画好き ☆☆☆

劇場未公開

「ニック/NICK リベンジ」を先に見て、面白かったので、前篇を見ることに。

ティル・シュヴァイガーの渋みあるカッコよさに惹かれたってわけだ。

で、「リベンジ」に比べて、説明部分が多く、結局、前後編は順番に見るべきだった。

勿論、アクションも多く、ティル・シュヴァイガーの魅力十分。

さらに、今回の標的が売春組織とあって、その女性との因縁のバトル。

一方、家庭では娘との確執と、ドラマ部門が多い。

刑事にして、あまりの身勝手ぶりに、中での評判はよくないが、その刑事魂は立派。

元同僚との確執もあって、物語の展開に色を添える。

まあ、無難なアクション映画だ。
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