おすすめ度 ☆☆☆ (劇場鑑賞)
映画好き ☆☆☆★
2012年に逝去した若松孝二監督が代表を務めていた若松プロダクションが、若松監督の死から6年ぶりに再始動して製作した一作。
1969年を時代背景に、何者かになることを夢みて若松プロダクションの門を叩いた少女・吉積めぐみの目を通し、若松孝二ら映画人たちが駆け抜けた時代や彼らの生き様を描いた。
監督の白石は、若松プロで、助監督をしていたので、ある意味自身の映画でもある。
若松孝二は、ピンク映画でのし上がった。この映画でもピンク時代の映画も出てくるが、ピンク度は薄い。
むしろ、当時の映画界の若者たちの鬱屈を描いている。
「菊と刀」で、実録物を描いた白石が今回も、当時の若者たちを群像劇として描いている。
ただ、後半、若松がカンヌにでかけ、パレスチナのゲリラ組織を持ち上げるようなり、ゲバラにあこがれるようになり、映画から離れていく。
そして、吉積の妊娠などがあって、終幕となるがちょっと物足りない。
本当は、もっと反権力、ピンク映画の若松が見たかった。
吉積を、門脇麦、若松を井浦新、そのた、当時のプロダクションの面々が出てくる。
大島渚、三島由紀夫、重松房子など、反権力側の人たちも大勢出ている。
あまり、プロパガンダにしたくなかったのかも。
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