
レンブラントの描いた「夜景」という絵をめぐる物語だ。
舞台劇風なつくりになっていて、前半は、セリフの多いこと多いこと
言葉のわからない私は、字幕を読むのに一生懸命だ。
まして、登場人物も多く、何でこんな苦労をしなければと思ってしまう。
しかし、レンブラントを演じるマーティンフリーマンは
自らの肉体をすべてさらけ出しての熱演で、物語に引き込まれてしまう。
当時、絶頂期にあったレンブラントは、アムステルダムの市警団に
集団の絵を頼まれ、いやいやだったが、調べていくうちに
市警団の裏が明らかになり、その汚さを絵に託そうとする。
それが、レンブラントの悲劇になろうとは?
レンブラントの人物画は、生きているように精密で躍動的だ。
その彼が、絵に込めた謎、そのミステリーと、
妻を亡くして、召使たちと繰り広げる、愛の讃歌。
後半になって、がぜん面白くなってくる。
舞台芸術風なセットと、
絵から出てきたような当時の舞台衣装は絢爛で
美的に楽しませてくれる。
ただ、赤子の泣き声が耳に着いた。