ＮＥＸＴ

映画「ＮＥＸＴ」は、ＮＥＸＴが読める男が主人公だ（ニコラスケージが熱演）。

でも、たった2分先、それも自分に関係のあるものだけというもの。

一方、核弾頭を仕掛けたテロリストグループを相手にするＦＢＩは、その予知能力に期待をつなぐ。

一方、乗り気でなかった予知能力男の前に

素敵な女性が現れ、なぜか彼女を予知できる。

彼女に惹かれた男は、ＦＢＩに協力する。

まあ、こんな話だが、要は、アクションの連続だ。

テログループは、ＦＢＩの読みを知り予知男を抹殺しようとする。

2分先が読めるから、敵の行動が予知できるため、いろんな場面で難を逃れる。

しかし、恋人はさらわれ、危地に立つ。

そして大爆発が。

間違えたって、そんなことあり？

それにしても、2分後の予知って、同じ場面の違うパターンでの繰り返しがあって

複雑だ、あまりにそのことにこだわりすぎた感あり。

つぐない

最後に二つの物語が用意される。

この小説の作家が、幼いころに犯した罪を償うために！

英国の実業家の豪邸。

立派な屋敷と庭。

その庭には人工の池があり、木々も生い茂っている。

下男がいる。下男といっても、あるじの計らいで、大学に行っている。

この下男が、屋敷の二人の娘の標的にされる。

当然の恋物語。

そして嫉妬。

これらが美しい自然ときれいな映像のカットバックで、

見事な映像美を演出してくれる。

しかし、物語は残酷。

戦争が始まるからだ。

数年後、男は戦地に、女は看護婦に。

運命のいたずらか、恋のさや当てか

償いは償いきれるのか。

戦地のショッキングな映像。修道女のきれいな死体の数々

病院での署金愚な映像。戦地で受けた傷の生々しさ。

きれいな映像であるがゆえに、それがよけいに悲惨な現場を浮き彫りにする。

心にしみる映画だ。

、

Ｔｏｋｙｏ ｒｅａｌ

渋谷に遊びに行き、ドラッグに手を出し、集団レイプされ、

恋人が見つかるが、孤独に耐えかね、ふたたびヤクにおぼれ

落ちていく少女の物語。

携帯小説の映画化だというが、まさに女が、

転落していくさまを、都会の風景の中に溶け込ませる。

怖い映画だ。一面ではヤク防止の映画だが、

一面ではヤクを助長する映画でもある。

見ようによっては怖い映画だ。

ゼアウィルビー・ブラッド

何とも暗い映画だ。

石油でひと儲けする男の物語だが、石油自身が真っ黒で

その発掘は大変な苦労だ。

事故も多く、人が死ぬ。

爆発が起こったり、石油が噴き出したり、それに石油を浴びると真っ黒だ。

ただ、これら事故の映像はかなり迫力があり、その点ではアクション映画みたいだが

映画の大半は石油王のあくなき事業欲が占めていて、

色気もなければ、愛もない。いわゆる感動がないのだ。

まして、宗教に話が及んで、キリスト教のわからぬ日本人には難しい。

家族の問題も出る。

他人の子を養子にする。偽の弟が現れる。瓜二つの宗教家の兄弟。

そして、簡単に人を殺す。

血と血縁とＢｌｏｏｄの意味は複雑だ。

ただ、全編通してほとんど石油王が出てくるが暑苦しいダニエルデイ・ルイスが演じて圧巻だ。

once ダブリンの街角で

アイルランド・ダブリン。

街角でギターを弾き、金をもらっている男。

そこへやってきた、ピアノの好きなチェコの女。

二人の不思議な関係がこの映画のテーマだ。

そして流れる音楽、歌うメロディー

音楽映画のように、音楽は豊富だ。

しかし、音楽を持て余す人には辛いかも。

二人でレコーディングしようということで盛り上がる。

でも、二人のには恋人や夫と子供がいる。

それこそ　qnce　なのだ。

二人はその時期、ちょっと恋愛関係が冷えていた。

そして、音楽で結ばれる。

でも、それが終われば、別々の生活に。

一緒にならない二人の音楽での結びつきが

それはそれで、軽快なロマンスだ。

渋谷区円山町

珍しくテレビで深夜映画を観た。

はじめテレビドラマかなと思って見ていたら、結構本格的に撮っているので映画だった。

二つのストーリーからなるが、東京郊外の女子高生の物語。

題名の通り、渋谷のラブホ街が舞台となっている。

臨時教師に対する恋物語と、いじめに合う子と彼女を支える子の二人の友情。

高校生の淡い青春物語だ。

漫画が原作で、永田琴の演出で、少女の微妙な心を流れるような映像で描く。

話しながら歩く、彼女たちの後ろからなめるように近づくカメラワークは

渋谷という都会の喧騒とうつろさをえぐり取る。

バックに流れる音楽もよくあっている。

今、NHKの朝ドラに出ている栄倉奈々がういういしい高校生を演じている。

相手役は、EXILの真木大輔で、二人のせつない恋はドキドキさせられる。

また、渡したプレゼントをことごとくゴミ箱に捨てられ

毅然としている女性も、やはり聞いてくれる相手が出来て

渋谷で一夜を明かす。

永田は、岩井俊二の助監督を務めていて、女性らしい情感をよく出している。

大日本人

ダウンタウンのまっちゃんの映画ということで、

たけしに対抗して、話題になったが

映画の内容が、封切り前に説明がなかったので

何の映画か全く予備知識なしで見た。

これは、佐藤という普通の人間が

電気ショックで大男になり、怪獣を退治するという物語だ。

前半は、佐藤なる長髪のあやしげなまっちゃんに

インタビューするという構成で、ちょっとなマッチョロイ映画かなと思っていたら

中ほどから、本格的に怪獣との戦いが描かれ面白くなる。

しかし、この大男といい、怪獣といい

ゴジラとかエイリアンのようなかっこいいものではなく。

怪獣自身が日本の昔話というか伝説に出てくる怪獣で

たとえば、ろくろ首を模した、股から延びた首状の目玉であったり、

くさい匂いを発するカエルのようなものであったり、

そして、話は、初代からの大日本人の話となり、

本人には娘がいたりする。

まあ、しかしCGがちゃちでそれが狙いだろうが

昔の紙芝居的で、なんとも和風なおとぎ話風で

最後はなんとかレンジャーのような変身者が出てきたり、

奇想天外でおもしろいのは面白い。

でも、何でまっちゃんがこんな映画をという疑問は残る。

相棒 劇場版 絶体絶命！42.195ｋｍ東京ビッグシティマラソン

仰々しいタイトルだが、その通りテレビで放映されているものを

劇場版に拡大したものだ。

宣伝がよくされているので、結構客入りもいいらしい。

しかし、この物語どこかで見たようなストーリーだ。

何か、あちらとこちらの話をもらったような。

まあ、それだけに一応スリリングではあるのだが、

でも犯人たちが仰々しくて、嘘っぽい。

だって、のっけから、アフリカかどこかで、戦車が出動しての戦争が出るのだから、

そして、その国で、ゲリラに日本人がつかまり殺される。

もう一方で、パソコンのサイトで死刑判決が下されるという

これまたどこかでみたような？

東京マラソンが爆破の舞台になるが、結局、爆破はおこらない。

起こるぞ起こるぞというスリルが楽しみだが。

まあ、テレビよりは画面が大きいだけに迫力はあるのだが。

フィクサー

フィクサーは黒幕のことだ。

本来は黒幕の仕事をしていた弁護士が、

同僚の不審な行動から、大きな訴訟の裏工作を嗅ぎつけ

上司の警告も無視して、農薬会社の内幕をばらす。

その間の、会社の法務担当者との絶妙な駆け引きを

ジョージクルーニーが演じる。

対する、女担当者も、さるもの、ティルダスィントンが扮し、アカデミー賞を獲得する熱演を見せる。

アメリカは、訴訟社会だが、見事にその状況を浮き彫りにし、

正義の味方のカッコよさが描かれる。

スリリングにとんだサスペンス調でもあり、終わりまで見せてくれる。