本年6月11日に、東京臨海高速鉄道が発表した経営改革プランで現在運用中の70-000形に代わる新型車両を2022年度に導入する計画が明らかにされました。1996年に東京テレポート〜新木場間の第1期区間が開業した当初、4両編成からスタートした同線は2002年の大崎延伸開業によるJR埼京線との直通運転開始や臨海副都心の開発に伴う飛躍的発展から、2010年代は東日本大震災が発生した2011年を除き増加の一途を辿っているとの事で、長年行楽や仕事で頻繁に利用している一乗客としては御同慶の至りであります。
現在の主力車両70-000形。都営地下鉄のように、ハイフンを抜かして「ななまんがた」と読みます。開通当初は車両基地を持たずJR東日本に検査を委託していた関係で、209系電車をベースに設計されました。外観は海をイメージした三色の爽やかな帯と丸味のある前頭部などに個性が現れていますが、車体や走行機器などに共通部品を用いている為、亜流車であることが窺えます。
大崎駅に停車している70-000形。4両編成当時は中間の電動車のパンタグラフが2基搭載されており、亜流ながら私鉄電車らしさを感じさせる部分もありましたが、2002年のJR埼京線直通を控えて、直通対応10両編成5本と線内用6両編成5本の体制になり、2両1ユニットの外側に来るパンタが撤去されました。その後2004年10月のダイヤ改正で全編成が10両編成・JR直通対応化されています。
209系ベースながら、化粧板はクリーム色とし袖仕切も背の低い独自の形状のタイプを設置しています。近年は座席モケットの更新やアクリル製パーテーションの取り付けが実施されました。ドア部分は化粧板仕上げで、窓ガラスの固定具が金属製の初期車と、209系タイプの接着式ガラスの2種類が存在し、写真は後者です。
車内案内表示も209系同様、LEDで文字がスクロールせず次駅名を繰り返し表示する装置(例:次は新宿→Next Shinjuku→次はシンジュク)でしたが、コイト電工製の画面に換装され、同時にドアチャイムも更新されています。しかし自動放送の搭載は見送られてしまいました。