町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

変貌真っ只中の目黒線3000系

2018年08月21日 | 東京急行電鉄

2000年8月、目蒲線の系統分離で新たに目黒線として運転を開始してから早くも18年目を迎えました。かつての目蒲線時代は1980年代末まで戦前製の車両が残存し、近代化の遅れた路線として歌謡曲の歌詞にされる程有名な路線でしたが、系統分割以降は走行する全列車がVVVF制御化、更にATOによるワンマン運転に伴い、都内ではいち早くホームドアを設置するなど現在は超近代路線へと変貌を遂げました。この間にも2006年に不動前~洗足間での地下化工事や、2007年の日吉延伸など非常に多くの変化が見られましたが、今後は2022年下半期の相鉄線直通が控えており、車両・路線共により一層動きが激しくなるものと思われます。

その目黒線で主力車両として運用されているのがこの3000系で、現在6両編成13本が在籍しています。登場は目黒線への系統分割より早い1999年で、量産先行車に当たる3001Fは8両編成で落成し先行お披露目も兼ねて渋谷~桜木町間で急行を中心に運用されました。翌年に目黒線での本使用を控えて2編成目の3002Fにデハ2両とサハ1両を供出し6両編成化し現在の組成になっています。東急では久々となる丸みを持った正面形状に加え、IGBT素子によるVVVF制御装置や集中式冷房装置を初採用しました。写真は最終増備車の3013Fで、正面ワイパーがWアームからシングルアームに変更されており、下写真の編成と比較すると印象が異なります。

武蔵小杉で、三田線6300形と並ぶ3000系。2本並ぶと、窓配置や大まかなデザインに共通性が見受けられますね。目黒線の東急車は走行距離の関係で、都営三田線と東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道線内で完結する運用も多く、自社線で姿を見ることの方が珍しくなっています。編成によってVVVFのメーカーが異なり、車番の末尾が偶数の編成は東芝、奇数の編成は日立を搭載しており、磁励音も異なっています。

車内設備はローズ系でまとめ、FRPによる天井ユニットや背の高い袖仕切り、片持ち式シートなど、JR東日本の209系に近い設備が目立ちます。しかし、化粧板仕上げであること以外は2000系にも類似した形状のドアや側面窓など、独自色も目立ち、2000系と5000系グループの過渡期の車両であることを窺わせます。

扉上の車内案内表示器はLEDによる2段表示で、これも東急初採用です。乗客から目に見えない設備として、自動放送がありますが、こちらも東横線時代から英語放送(現在とアナウンサーは異なります)を実施しており、新時代の幕開けを予感させました。初物尽くしで登場し、現在はまだ目立つ動きが無い3000系ですが、神奈川東部方面線の計画次第では編成組み換えや他路線への転籍なども予想され、今後の動きが気になる存在です。

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