1988年より車体設計を変更して旧来の2000系とは区別される6次車グループは、新宿線を中心に配置され、同系に存在しなかった4両編成から増備が開始されました。製造時期により相違点が存在する事は前回の中期車・後期車の記事でも触れましたが、今回は最初期車と後期車でも特異な仕様の編成について取り上げます。
4両編成×2本を連結した8両編成で各停運用に充当される初期車。前回同じ場所で撮影した中期車と比較すると正面に設置している非常用貫通扉の窓寸法が小さいのが特徴で、登場時は西武新宿方制御電動車のクモハ2401にも2基のパンタグラフを搭載する勇壮なスタイルでしたが後年に撤去され、中間のモハ2101から受電する方式に改造されました。池袋線系統への配置は1990年からの事で、この初期車は新宿線系統でしか見られない仕様です。
国分寺線で運用中の2045編成6連。この編成は1989年に2055編成として落成しましたが、8両編成の増備に伴い車番枯渇対策としてマイナス10され2045編成となり、新2055編成は最終増備車になりました。前期形に分類されますが側面はそのまま中期車同様に貫通扉窓の天地寸法が拡大されています。2008年には行先表示をフルカラーLED化した最初の編成となり更に通風機撤去やパンタグラフのシングルアーム化も受けた為、後期車と区別が付きにくくなりましたが旧来の床置式戸閉装置を搭載(後期車は鴨居取付型)する為、ドアの開閉動作で判別できます。
在来2000系との併結シーン。両車共に区別無く運用される為、新宿線では4両+4両、6+2の8両や4+6、8+2の10両など増減に柔軟に対応しながら運用されています。併結時には乗務員の通り抜けの際に柵代わりになる貫通扉横の手摺りや正面窓の違いが良く分かりますね。
改良工事未施工の初期車車内。ドアチャイムやスタンションポールも未設置で登場以来ほとんど変化しておらず原型に近いスタイルを維持しています。
登場してから一部の後期型編成に大規模更新工事が施工された事を除けば車体自体は余り変化せず活躍している新2000系グループですが、今頃になり改良工事を受ける編成が現れた事を考えると、もうしばらく主力車として活躍するものと考えて良さそうですね。