川崎と立川を結ぶ南武線は、尻手から分岐し浜川崎までに至る4.1キロの支線(浜川崎支線、通称南武支線)を有し、本線区間とは独立する形で終日に渡り2両編成の列車が運転されており民営化から1年が過ぎた1988年3月よりワンマン化を実施しています。南武線の本線区間の205系は2017年にE233系への置き換えが完了していますが、支線では中間車に運転台を設置し先頭車化改造を施した205系1000番台が運用されており、新系列電車への置き換えが急速に進んだ今日の首都圏では数少ない205系の定期運用線区となりました。
2002年に導入されたワ1編成。元は中央総武緩行線の所属車で、武蔵野線へ転属する際に10両から8両へ短縮した為余剰になったモハユニットですが、国鉄時代の1980年より長らく運用されて来た101系置き換えに充当されることになりクモハ205+クモハ204の205系では最小単位の2両編成が誕生しました。現在は写真のワ1編成の他、ワ2と元山手線の小窓ドアを備えるワ4(3編成は欠番)の3編成体制になっています。
鶴見線営業所公開時に展示されたワ1編成。行先は定期運用ではあり得ない武蔵白石行きです。当初の計画では、運用数に余裕がある南武支線用1000番台にクハ1両を必要に応じて増結し鶴見線でも運用する計画があったようです。結局は別々に車両を配置することになりますが、実現していたら面白い編成が見れたでしょうね。
1000番台の車内(クモハ204で撮影)。当初は他路線と同じく緑色の座席でしたが、2016年の小田栄駅開業時に外装の帯に五線譜と音符のイラストと「NAMBU LINE」のロゴを追加の上、座席モケットを更新し吊り手も黒色の新品に交換されました。最近は更に自動放送に英語の文章が追加され、さながらE205系といった様相です。
南武支線といえば1988年からワンマン車であることを示す独特な塗装の101系が運用されていましたが、それ以前も戦前形17メートル級車体の旧型国電が1980年まで定期運用されるなど、特に古参の車両が走る路線として有名でした。現在は後継車の計画が具体化していないので、205系1000番台も最後の国電世代の車両として残存しそうですね。