江ノ島電鉄では2018年12月より、沿線の江ノ島・鎌倉の魅力を発信することを目的とした情報発信トレインを運転しており、1000形2次車の1101編成を起用して車体に特別ラッピングを施しています。
緑をベースにカラフルな横縞模様が入る装いが一際目を引く1101編成。このカラーリングは、江ノ島を始めとした沿線に広がる植物の新緑から紅葉まで、1年間の季節の移ろいを表現しているのだそうです。
情報発信トレインに起用された1101編成は、1000形の2次車に当たり天井を冷房準備仕様とした車両で1981年に落成しました。翌年の1982年に冷房化を実施しています。走行機器・外観は先に登場していた編成と大差ありませんが、前照灯の設置場所の切れ込みの角部分に丸みがついたのが外観上の識別点です。
車内は通常の広告は一切掲出されず、沿線の風景写真で統一されており、ドア上の液晶画面に表示する内容も観光情報のみを表示します。ドアステッカーもこの編成でしか見られない、えのんくん仕様のものが新たに用意されました。
冷房準備車として落成したため、車内と天井には風道と共に首振り式扇風機も設置され、改造工事施工後も存置されました。しかしこれ以降、冷房装置搭載に当たってはラインデリアを標準装備するようになったことから扇風機が撤去されるようになりました。この為、最期まで非冷房だった初代500形が引退してからは江ノ電唯一の扇風機装備車となっています。