町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

色褪せぬ人気のフラッグシップ・京急2100形

2020年01月28日 | 京浜急行電鉄

京浜急行電鉄創立100周年の1998年に、1982年以来快特用として運用されて来た2000形に代わるオールクロスシート車両として2100形は登場しました。間近に迫る21世紀に向けた車両ということで、2100の形式が与えられたものですが、従来車とは異なり内外共に欧州の製品を導入した極めて斬新な車両として、また関東では数少ないオールクロスシート車として独特な存在感を放っています。特にVVVFインバータ制御装置にはドイツ・SIMENS社の製品である「SIBAS32」を搭載し、JR東日本E501系に近い(但し2100形は回生制動が切れる速度が高いため、停車時には音階は聞かれず音もやや大きいなど相違点があります)音階調の磁励音が特徴で、機器更新が完了する2015年まで耳にすることが出来ました。

600形をベースにしながら、ワイパーカバーに形式名をスリット状の打ち抜き文字で表現した正面が特徴で、文字部分のスリットで運転士が連結器周りの様子を確認できるようにしています。この正面スタイルは2002年登場の新1000形に引き継がれ、また600形にも車体更新改造時に波及しました。現在の正面にはマスコットキャラ「けいきゅん」のイラストがありますが、これは車体更新の際に貼り付けられました。

久里浜工場公開時に晴れ姿を披露する2100形トップナンバー。行先は定期運用が存在しないエアポート快特の羽田空港行きです。2100形も都営浅草線には入線することが可能ですが、2扉クロスシート車両ということで定期での直通は都営地下鉄側が難色を示しており、臨時列車での運転のみに留まっています。

クロスシートが並び、連続窓に横引きカーテンが設置される車内。特別料金不要の列車では最高レベルの水準で、座席は乗務員室からの操作で転換され常に進行方向を向き、乗客の手での転換は出来なくなっています。この転換座席はノルウェー・エクネス社製で、座席モケットはスウェーデン・ボーゲサンズ社製品と、2カ国の製品を組み合わせています。

ドア上には車体更新改造時に17インチワイド液晶画面とドアチャイムを新規に設置しましたが、更新前はLED表示器で、京急では初採用の設備でした。

SIMENS社の制御装置・主電動機は登場から10年で東洋電機製造のものに更新され、最大の特徴が失われてしまいましたが、その後は格下げ改造などもなく今年で22年目に入ります。前任の2000形は3扉化・ロングシート改造で快特用クロスシート車としての活躍は18年余りでしたが、今後も関東唯一の転換クロスシート車両として長く活躍して欲しいものです。

 

 


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