二つ星の空

(旧「風からの返信」-11.21.09/「モーニングコール」/「夢見る灯台」/「海岸線物語」)

2005-07-04 23:35:35 | Weblog
霧のような雨が降る。

まるで、誰かの涙のような、細かく、煙るような雨。

優しい、つかの間の今日。

全然、本質的に優しくも穏やかでもないのだけれど。
やれやれ、しんどいね。でも、今だけは、だまされたふりをして。優しいふりの一日を送る。手をつなぐふり。受けとめるふり。

疲れてるから、表面だけの笑顔でも、許してくれる?

TVのコマーシャルで「うつ」の人は我慢しないで病院に行きましょう、ってのが流れてるね。時代も変わったもんだ。あのCM観て泣けちゃう人は、本当に、病院に行こうね。無理しちゃダメだよ。

そう言えば、日曜版の新聞に、村上春樹の「ノルウェイの森」についての特集があった。あれが流行ったとき、自分はとてもとまどったのだけれど。今も、ちょっとよくわからない。

あの物語は、専門家の観るとおり、病気と病人の満載する話で。あの物語を切ないラブストーリーとして受容できる人々に、おいらはとても驚いた。だって、あの物語は一度読むだけでも重すぎて。封印するしかないぐらい苦い物語で。あの時、まだ子どもだったおいらは、あの物語を日常の中に受けとめている世の中との亀裂を、激しく感じたんだ。

時代は変わって、その亀裂が、少なくとも新聞で分析されるほど、世論は多様化し、深くなった。いや、病的になったのかな。それでも、あの物語を無防備に支持する人々とは、断絶を感じる。哀しいかな。

おいらにとっては、「哀しい」としか、形容のしがたい物語だ。じつは「せかちゅー」も、そうなんだけど。(こっちは、友人が白血病で2人死んでるから、っつー身も蓋もない現実に負けてるだけなんだけど。未だに中盤以降を読めない。)

例えば、太宰の「人間失格」を読むときのマナーみたいな。そんな密やかさがあれば、いいのだけれど。(「人間失格」は隠れたベストセラーだけど、皆隠れて文庫を買うんだ。おいらも、おいらの妹も、密かに押入に隠し持っていて、引っ越しの時に発見して、お互い気まずさを笑い飛ばした。そんな感じ?)

まぁ、所詮個人的な趣味、っつーことです。主義主張を声高に叫ぶプロパガンダが、嫌いなわけじゃない。(G8にかこつけた各国のコンサートも、かわいいじゃん、と応援したくなる質だ。)

隣のあなたが、何を考えているのか、私は知らない。それでも、ため息ついているあなたを、受けとめたいと思う。それが、世の中の「国際化」かなぁ、なんて、唐突に思う。

かなり支離滅裂だね。失礼しました。
コメント
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