Maria Callas Diary

着物・ドール・お料理・お家・家族など、日々のことを日記として書いています。

着物のこと・・・

2010-11-15 22:35:18 | 日記
今日はなんだかお天気が悪くて、気分までどんよりしてしまいますね。
冬の雨はどうも好きになれません・・・

通勤電車の中で、石川あき著の「昔のきものに教えられたこと」を読みました。
著者は関西の裕福な旧家のお生まれで、子供時代から20日に一度は呉服屋さんが
反物を持ってくるお家だったそうで、たくさんの美しい着物に囲まれて育ったとか

自分の好みが言えるようになってからは、着物も帯も別誂えをお願いしたそうです。
当時はしっかりとした技術を持った職人さんが数多くいて、好みの着物を作ってもらう
ことも現在ほどには敷居が高くなかったのでしょう。うらやましい限りです


着物に合わせて下着(長襦袢ではなく、着物の下に重ねる、もう一枚の着物)や帯
まで別誂えをしてもらっていたというのですから、かなりの贅沢ぶり。
とはいえ、やはり関西の方らしく、着られなくなった着物は帯にしたり座布団にしたり、
良い物を誂え最後まできちんと始末するという、綺麗なお金の使い方をされています。

私の着物の中にも母から譲られたものが数多くあり、いずれ母が祖母から譲られた
ものが私に回ってくる予定。着物はこうして何世代も着てあげたいものです。
譲られた着物はきちんと洗い張り・仕立て直しをして、大切に着ています
何もわからない頃に作った何点かは別として、ここ数年で私が新しく作った着物達も、
いずれは次の世代へ受け継いでいけるよう、質の良いものを選んで誂えています

最近の着物は生地も薄く柄もプリントの安価な物が多く出回っていますが、長く受け
継ぐ事を考えれば、しっかりとした良い生地に丁寧な手仕事が施されているものこそ、
値段は高くとも長い目でみれば良いお買い物になるのでは、と思っています

私が通っていた着付け教室の先生も、「若い子には、どんな着物でもいいからまず
は自分で着られるようになってほしい。着られるようになって着物が好きになれば、
いずれは本物が欲しくなるから。」とおっしゃっていました。

どうか、着物に興味を持つ若い世代がもっと増え、着物産業を支えるたくさんの職人
さん達の素晴らしい技術が途絶える事なく受け継がれていく様にと、祈るばかりです。