明日は雨水。降る雪が雨へと変わり、氷が解けだすころです。昔からこの季節は
春に向けて農耕の準備を始める目安とされてきました
初候である2/18~2/22は「土脈潤い起こる(どみゃくうるおいおこる)」。
中国から日本へ伝来した七十二候暦ですが、古代中国ではもともと雨水の初候は
獺祭魚と言われていました。獺は魚を捕らえたあと、それを岸に並べてなかなか
食べようとしないことから、祭のお供え物をしたように見えたことによるとか
この時期は柔らかくて美味しい春キャベツがたくさん出回りますね。また、布を
染める藍の種を蒔く時期でもあるそうです
次候である2/23~2/27は「霞始めて靆く(かすみはじめてたなびく)」。
春霞がたなびき山野の情景に趣きが加わるころです。この時期は奈良の若草山、
京都の大原、山口の秋吉台などでは風のない晴天の日を選んで野焼きが行われ、
春の風物詩となっています
また、二月十五日は菅原道真公の忌日にあたりますので、菅原道真公を祀る京都
北野にある北野天満宮では、梅花祭が行われます。上七軒の芸舞妓による野点を
楽しむこともでき、年によっては雪中梅も楽しめるそうです
末候である2/28~3/4は「草木萌え動く(そうもくもえうごく)」。
草木が芽吹き出すころで、雨水のこの時期に降る雨を「木の芽起こし」と言うの
だそう。植物が花を咲かせるのに大切な雨で、木の芽が膨らむのを助けるように
降ることからそう呼ばれるのだとか
この時期に咲き始める菜の花はいまや雛祭りに欠かせないようになりましたが、
花開く前の蕾にはビタミンC、カルシウム、鉄分などが豊富に含まれています。
雛祭りと言えば蛤も欠かせませんね。蛤の貝は対となるもの以外はかみ合わない
ことから、夫婦和合の象徴とされ、古来より慶事の食材となっていました