6月3日(水曜日)の市場概況です。
赤字部は4日朝の更新
◆日経先物:9760円(+50円)、OSC64%(同値)5月20日の53%から切り返し中。指数値倍率:102(同値)
◆日経平均:9742円(+37円)、OCC66%(+1%)5月18日の46%から切り返し中。
◆日経平均指数値倍率:103(同値)数字が増えるほど上下降傾向を示します。
◆TOPIX:914.5(+1) OSC62%(+1%)5月18日の48%から切り返し中。
◆マザーズ指数:402(+3.06)、OSC65%(同値)5月20日の46%から切り返し中。
◆ヘラクレス指数:604.95(+2.38)OSC76%(+1%)5月20日の55%から切り返し中。
◆ドル・円:95.94円。(24銭円安)OSC56%(同値)5月21日の37%から円安へと切り返し中。
更新
◆米ドルLIBOR(3ヶ月もの):0.64625%(前日比-0.00375%)6月2日現在。5月21日から底這い状態へ。
◆米10年債利回り:3.549%(-0.063%)
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◆日経先物イーブニングセッション:9690円(大証終値比-70円)
◆シカゴ日経先物:9620円(円建て、大証終値比-140円)
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◆NYダウ:8675ドル(-66ドル)OSC62%(+3%)5月22日の43%からまだ切り返し中。
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後場は、2時前に指し値を1071円に引き上げた5802住友電工が、1066円あたりまでの急落局面で約定。この急落場面は必ず戻しがあるので我慢して1072円で手放したものの、やはり、この急落を見せつけられるとその後の1080円に近い水準までは持ち越しができず。
こうした大型株でも、突如値を飛ばしますのでその下への押し目水準を厳しめに見ておくべきでした。1066円で拾っておくと余裕が出ていたことでしょう。
余談ですが、この住友電工、今日は公取委の立ち入り事件で安く始まり、そこが底だったように、安いところで拾おうとしている投資家が大勢いるようです。
それは、1-2ヶ月前の日経のインタビューで、この会社の社長がチラッと漏らしておりましたが、送電ロスが極めて少ない高温超伝導ケーブルを開発しているのがこの会社です。社長の言葉から期待度はかなり高いと見ました。
ある意味で環境銘柄であり、オバマ大統領のスマートグリッド計画に沿った銘柄です。いずれ噴くでしょうが、今は自動車関連事業の不振で、600円台から戻したとは言え、株価はまだ低迷中。
どうも筆者は、こうした世界唯一の技術を開発している銘柄に惹かれる癖がありますので話半分に聞いておいて下さい。ところで、この会社の研究開発陣を一度見てやって下さい。
気の強そうな女性が4人も顔写真付きで載っております。特に最初の写真のグループ長なる女性。多分、仕事一筋のお方なのでしょう。
しかしこれからも、地合が悪化して押されたところからの反発が期待できる銘柄ですね。
来期見通しはコンセンサス予想を29%下回るにもかかわらず、レーティングの上げが相次いでおります。格下げされている同業の古河電工とは大違いです。
-------4日朝のコメント-------
欧州株もNY市場も調整しましたが、主因は週間石油在庫統計で原油在庫が予想の-150万バレルに対して、+287万バレルと大きく増えたことが第1。これに呼応するように、このところ続いていた昨年12月中旬あたりまでのドル・インデックスの下落に歯止めがかかり、一旦、78.5ポイントから79.5ポイントレベルまで押し戻された(ドルの買い戻し)ことにあります。
この動きで、これまでインフレ懸念から買われていた商品市況や金も軟調になり資源国通貨も売られております。
経済指標のADP雇用統計やISM非製造業景況指数(5月)なども予想を若干下回り株式市場の調整を促しました。
しかし、NYダウは引けの15分程度で50ドル程度戻すなど、まだ底堅い動きを示しているようです。
バーナンキ議長始めホーニングカンザスシティ連銀総裁も、現在の低金利政策を放置するとインフレリスクがあると言明し、預金金利の引き上げで政策金利の引き上げを可能とし、この1年で2.5倍程度に拡がったFRBのバランスシート下でも利上げはできるとの見解を示し、インフレ・デフレ双方を警戒する姿勢を鮮明にしております。
なお、マイナーなところでは、筆者も訪れたことがあるラトビアで財務省の短期証券の入札を行ったところ応札がなく失敗しております。ラッツという通貨の切り下げの噂やら、外貨準備からのラッツ買いでの外貨準備高の減少などが失敗の原因とか。
これは、ドルの近未来の懸念と全く同様のことです。FRBもラトビアや南アメリカのような事態になるのをもっとも恐れております。
まあ、景気が回復しない限りアメリカも脱出口がないのは他国と同じですが、バブル崩壊以降の日本と同様な隘路に陥りつつあると言えます。
つまり、①世界の株式市場の崩落で約3000兆円を失う。②3月からの株式市場のリバウンドで1000兆円は上昇し ③株式市場に資金が流れ込んだ分、債券価格が下落(金利は上昇)し今度は債券の損失が拡大中。(500兆円のGSE債を入れてアメリカは1000兆円の国債を保有。10年債の2.2%から3.5%への1.3%の上昇で130兆円の損失)
このように、FRBのバランスシートの膨張の裏で、損失の実態が株式市場から債券市場へと移っており、景気刺激策や金融安定化のための追加国債発行をすればするほど、今は債券市場での損失が更に大きく膨らむために景気がよくならないという、基本的なジレンマに陥っていると言えます。
景気を良くしないとドルが益々弱くなり海外からの(債券や証券の)ドル買いが途絶え、FRBのバランスシートが更に膨らむという悪循環に陥る事態ですね。
この危うい綱渡りの現状の行き過ぎ(ドル売り)への、一時的な補正が入ってドル高へと転じ、それまで上げていた原油などの商品が売られたのが、昨日の欧米市場という訳ですが、これはもちろん、上述の大きな流れの中での一時的な調整過程ですので、少し時間が経てば、再度元に戻る動きと言えます。
今日の日本市場では、石油関連や資源関連・商社株などは軟調であることだけは言えそうです。
なお、アメリカと心中すると繰り返し言うだけの日本政治の無策により、ドルと一蓮托生のドル・円相場だけは方向感なく虚空に漂っております。ドル安で日本が持つドル債券600兆円は、このまま座して見ているだけだと、30%のドル安で180兆円の損失となり、年金基金の積立残高が吹っ飛ぶ勘定です。
ことここに及んでも、我が国の高齢者達は、未だ現在の政治体制の継続を望んでいるとすれば、怒りを通り越しまさに哀愁感さえ漂います。(年金が出ない事態となって初めて気づくのでは遅すぎます。)