8月7日(金)の市場概況です。
赤字部は8日朝の更新
◆日経先物:10420円(+20)OSC65%(+5%)8月5日の57%から再度の切り返し中。指数値倍率:95(-1)
◆日経平均:10412円(+24円)OCC66%(+5%)8月5日の57%から再度の切り返し中
◆日経平均指数値倍率:96(同値)数字が減るほど上昇傾向を示します。
◆TOPIX:956.76(-0.8)OSC63%(+5%)8月5日の56%から再度の切り返し中。
◆マザーズ指数:456.83(-1.66)OSC46%(-5%)8月3日の60%から下げに転じる。
◆ヘラクレス指数:625.26(-3.96)OSC65%(-3%)8月3日の77%から下落中。
◆ドル・円:97.49円(2円6銭の円安)OSC67%(+6%)8月3日の59%から円安へと転じる。
更新
◆米ドルLIBOR(3ヶ月もの):0.46125%(前日比-0.00313%)8月7日現在。下落継続中。0.5%以下が定着。
◆米10年債利回り:3.856%(+0.102%)-8月7日終値。
◆日経先物イーブニングセッション:10390円
◆シカゴ日経先物:10590円(円建て、大証終値比+170円)
更新
◆NYダウ:9370ドル(+114ドル)OSC65%(-1%)ここから再度ジャンプアップするのか?
更新
後場は13時まで一旦落としてから、そこからは綺麗な上げとなりましたね。先物が25本線に下からクロスしたのが14時前。そこを超えるとフェイントもなく、ほぼ一直線に上昇しての終了でした。
今晩の雇用統計を既に市場は織り込んでしまったかの値動きでした。
後場は、その動意付いた終盤で、7717Vテクを652Kで仕込み、引け際に664Kで手放し、返す刀で7532ドン・キホーテを1925円で仕込み、これはそのまま持ち越しました。
Vテクはホールドすることも考えたのですが、今日の後場の動きを見ても、些か高値圏でのふらついた値動きがありましたので、一旦ここは降りました。ボトム圏からの立ち上がり過程なら文句なくホールドですね。サイクルからいうと月曜日は上がる気配ですね。
そのことよりも、この株を後場もずっと監視を続け、先物に連動しないでむしろ下げている不可思議な値動きも理解しておいた上で、まさに上抜ける雰囲気に変わった652Kで、思い切って拾うことが出来たのが大きいですね。
こうしたタイミングをきちんと捉えるトレードを、来週以降も是非心がけたいと思います。
-------8日朝のコメント-------
米雇用統計で失業率がまさかの昨年4月以来の前月比低下。それでも
先進国の中ではもっとも高い失業率です。以下、フランス、ドイツ、イギリス、イタリアと続いておりますが、面白いのは、あの福祉国家スウェーデンが9%程度となっており、フランスやロシアよりも高くアメリカに次いでいることです。
また、リンク先を見ても1980年代以降の不況期にはイタリアやフランスは12%程度までの上昇を記録しているのに対して、現段階ではまだそのピーク値からはかなり下にあります。
ところが、アメリカと日本だけは1980年代のピーク値にほぼ並んでいます。
この失業率の変遷だけを見ると、アメリカがいち早くリセッション脱出へと向かったように見えますが、よ~く、リンク先の図表を見てみると、過去に比べて、さすがにグリーンスパンお爺さんが100年に一度と言っただけのことはあり、昨年からの失業率の上昇がかなり急激です。特にアメリカ(及びイギリス、日本)がシャープに切り上げております。
失業率というのは、景気遅行指数と言われておりますが、その意味するところは、企業が最後の手段として雇用カットに手をつけるためです。ところが、このアメリカの急激な上昇は、日本のそれも同様ですが、何によって説明されるのかと言えば、それは、いわゆる非正規労働者の就業者人口に占める割合が、近年大きく増えていたからではないかと推測します。
ちなみに、非正規と正規労働者で賃金格差が少ないオランダをご覧下さい。比較的、失業率の切り上げカーブが緩やかですね。(これは単なる偶然かも知れませんが。)
ここから言えることは、日本もアメリカも、とりあえず未曾有の100年に一度の危機だから、非正規をまずばっさり切ってしまえ、との判断を急激に行ったのではないかと言うことです。もちろん、アメリカは非正規に限らず人員カットをしやすいお国柄であることもありますが。
実は、米英の資本主義とドイツやフランスなどの資本主義とは少々タチが異なります。欧州の資本主義は、ミシェル・アルベールが「資本主義対資本主義」という本で主張したように、包括すると「ライン型資本主義」と呼ばれており、社会福祉に対する眼差しが米英の資本主義とは少々異なります。そのため、いきなり急激に人員カットをする風土ではありません。
(細かく見ると、欧州各国でもその資本主義は当然ながら異なっております。これは松岡正剛の「千夜一夜」という読み物の、「
7つの資本主義」をご覧下さい。)
日本もかつては欧州型の資本主義に近いと言われていましたが、今回、図らずも雇用を巡っては米英並に「情け容赦ない」ことが明らかにされました。
松岡正剛が、ぶっちゃけて言っているように、日本の資本主義は、2000年初頭段階では、「協力しながら競争するという世界中が理解できないシステム原理で進んでいる資本主義」だったのですが、非正規労働者の大幅な導入により、この「協力する」という部分がかなり剥げ落ちてしまっておりました。
考えても見て下さい。2-3年でいなくなる派遣労働者やアルバイトと、一体どうやって協力するのですか?マニュアル通りの仕事以外の高度な技術を身につけさせるために、わざわざ時間をとって教え込み、熟練させるモチベーションが、力のあるとても忙しい正社員側にありますか? そんなものありません。
これで、会社内においても「協力する」風土がかなり陳腐化してしまいました。正社員同士でも多分同じです。人のことを構っている時間的・精神的な余裕がこのところ失われてきていたのです。社員同士でも、協力どころか競争(切磋琢磨する)も少なくなってきたことは、筆者が2003年まで30年以上も籍を置いていた会社での経験から、十分に分かることですね。
さて、またまた長くなってしまいましたが、言いたかったことは、今般の失業率の低下は、アメリカの急激な失業率の切り上げの反動としての、一時的な誤差の範囲での失業率の低下である可能性があるということです。
それに最後にもう1つ重要な要素は、失業率というのは、仕事を探していない限り、失業して働く意欲があっても、「完全失業者」としてはカウントされないということです。
あまりに雇用環境が厳しくなれば、人はもう仕事探しそのものを諦めることでしょう。にもかかわらず、これだけ急激に失業率が上昇したということは、その副作用として、諦める人も一時的には急激に増えたのではないでしょうか?
その副作用の揺り戻しのようなものが、もう1つの理由としては考えられそうです。
以上、筆者の素人目からの、今回のアメリカの失業率の低下を巡る問題への「急ごしらえ」の解釈でした。何か、ご意見・ご感想があれば是非お聞かせ下さいね。