7月31日(金)の市場概況です。 赤字部は8月1日朝の更新
◆日経先物:10370円(+170)OSC65%(同値)7月16日の29%から切り返し中。指数値倍率:96(-1)
◆日経平均:10357円(+192円)OCC69%(+4%)7月13日の26%から切り返し中。
◆日経平均指数値倍率:97(-1)数字が減るほど上昇傾向を示します。
◆TOPIX:950.26(+13.3)OSC64%(+4%)7月13日の26%から切り返し中。
◆マザーズ指数:463.39(-1.34)OSC51%(-3%)7月13日の36%からは依然として上昇トレンド継続。
◆ヘラクレス指数:626.57(+2.15)OSC63%(同値)7月13日の29%から切り返し中。
◆ドル・円:94.71円(88銭円高)OSC61%(-6%)7月30日の67%から下落に転じる。更新
◆米ドルLIBOR(3ヶ月もの):0.48313%(前日比-0.00437%)7月30日現在。わずかに下落。0.5%以下が定着。
◆米10年債利回り:3.486%(-0.128%)-7月31終値。
◆日経先物イーブニングセッション:10340円(大証終値比-30円)
◆シカゴ日経先物:10320円(円建て、大証終値比-50円)更新
◆NYダウ:9172ドル(+17ドル)OSC73%(+1%)7月21日の80%から緩やかに下降中での終値切り上げ継続中。更新
後場は、終盤にかけて円高が進んだにもかかわらず堅調でしたね。但し、銘柄毎の濃淡が明らかです。
今日の1Q決算で急伸したのが、進捗率好調の2802味の素、4502武田薬品などと、赤字ながら上方修正した7221トヨタ車体、9110新和海運などでした。
味の素は昨日の三菱電機そっくりの値動きでした。途中までの押し目からは再度高値を攻略。陽線に転換したのは880円あたりでしたが、買えませんでした。
逆に売り込まれたのは、7282豊田合成や7011三菱重工業など。
豊田合成は通期で7億円程度の赤字とコンセンサス予想では出ており、これまでLED関連銘柄としても強気で買われてきただけに、連結決算の会社の25億円の赤字予想には失望したということになりますね。
売り込まれた後、一時プラ転したものの引けにかけて再度売り込まれたパターンは、味の素と全く逆でした。三菱電機の昨日の傾向といい、今後の参考にしたいと思います。
これまでは、場中の決算発表に対しては気にしておりませんでしたが、退屈な相場に一瞬緊張感が走るその様は、意外に病みつきになりそうですね。何かへまをやらかしたとき、家人から発せられる「ちょっと~!、これ何!!」という声を浴びた時に感じる緊張感と相通じる面があるようです。つまり、かなりうろたえます。
後場は、その決算発表があった7221トヨタ車体の上昇局面で1771円で飛びつき、1784円での速攻売りをしたトレードのみ。その後1740円まで押され、引けには筆者の売値まで戻しております。
この時間差は一体何故か?
通期の連結決算の経常損失額が200億円から50億円へと上方修正。中間決算では240億円の経常損失が90億円へと共に上方修正されていることが、じわりと評価されたようですね。
今晩のNY市場は、第2四半期の個人消費とGDPの発表という重要イベントがあります。これは雇用統計に匹敵する重大なデータです。
オバマ大統領は、フィリピンでアメリカ経済の縮小ぶりと雇用の喪失がこの発表によって示されるだろうと、事前アナウンスをしているようですが、果たして、これが予防線となるのかどうか?
いずれにしても、日経平均のOSCは69%まで上昇し過熱しております。これは6月12日の68%を抜き、6月1日の69%に並ぶ値です。6月1日の時はこの後1万円台を回復しておりますが、6月12日の時は、ここから500円ほどの調整に入っております。
今回は後者の確率が高いと踏んでおります。
引けに買いそうになりましたが、思いとどまりました。売りをかけ持ち越しをするにしても、この過熱状態ではひどい火傷をする可能性は一応ありますので、それも止めました。
-------1日朝のコメント-------
注目のアメリカ第2四半期GDPは、前年比-1%と予想より0.5%改善するも、第1四半期を-5.5%から-6.5%へと1%近くも下方修正し、この効果を相殺。続く、第2四半期の個人消費が-1.2%と予想の-0.5%より倍以上も悪化しており、ドルが売られました。
そこに、IMFの理事会が09年通期ではアメリカのGDPはマイナス2.6%の成長と予測し、この間の金融危機の中での逃避買いが強く、ドルはやや過剰評価されているとコメント。ドルが更に売られ、相関する原油と金が勢いを盛り返しました。
しかし、雇用統計もそうですが、GDPという最も重要な指標が1%も狂うというのは、あきれて何も言えません。市場は0.5%の差でも一喜一憂します。
これはもう病気に喩えれば、医師が患者の家族に対して、「クライアントの今日の容体は、昨日よりも確実に良くなっております。ところで、昨日は小康状態と言いましたが、実は危篤状態寸前だったようです。」と言うようなものです。ご家族の頭の中は大混乱必至。この医師、頭が変ではないの?と思わない方が異常かと。
なお、来週の雇用統計についてはオバマ大統領は更に悪化すると煙幕を前もって張っております。ついでに、この煙幕すら患者のご家族は、医師が医療ミスで訴えられることを避けるためのインフォームド・コンセントではないかと、疑心暗鬼中。
今のアメリカ経済に対する市場の反応は、以下のような構図かと思います。
・GDP、個人消費など主要景気指標の悪化の確認→株安(企業の好決算が支え落ちていない)
↓ ↓
債券市場へと資金は一旦逃避 ドル安→原油などコモディティにも逃避
↓ (資金のリターン低下を避けるため)
利回り低下(債券価格上昇)
この構図は、いわば中国などの新興国経済が、現在のようにうまく回っており、かつマネーが潤沢に市場に供給されている時に機能します。これが昨年秋のような状態になれば、決済通貨としてのドルや比較優位だった円への急激な逃避が再度起こると言う訳ですね。
しかし、現在は左側の利回り低下と、右側のドル安がある程度バランスが取れているのでOKですが、これで景気が本当に良くなりかけるとどうなるかというと、このバランスが崩れて、アメリカに集まっていた過剰なドル資金が他国通貨へと交換され(ドル安)、原油などコモディティ市場とアメリカも含め新興国の株式市場へと資金流出が加速します。これで世界はインフレ状態へと入ります。
そうなると、米国債券価格は大きく下落し、長期金利の上昇で企業の資金調達コストや住宅ローン金利が上昇し、かつ、アメリカの国債の利払いも増え、アメリカ経済は悪化するとともに、コモディティ高とドル安から生じるインフレが昂進するという最悪の事態を迎えます。
もっとも、アメリカがここまで没落すると、大量のドル債券を抱え込んでいる中国や日本の利害を大きく損なうだけではなく、世界経済そのものが、アメリカに代わるヘゲモニーを発揮できる国が見あたらないだけに、大きく崩れてしまうリスクが生じます。
従って、そうならないようにアメリカも殺さず、新興国はもっと元気になるような、極めて微妙な舵取りが要請されている訳ですね。
なお、今週の利回り低下という状況は、巨額の国債の入札を控えていたアメリカ政府にとっては願ったり叶ったりでした。
こうした様々な思惑が微妙に絡まって世界経済は日々動いていると言えそうです。
◆日経先物:10370円(+170)OSC65%(同値)7月16日の29%から切り返し中。指数値倍率:96(-1)
◆日経平均:10357円(+192円)OCC69%(+4%)7月13日の26%から切り返し中。
◆日経平均指数値倍率:97(-1)数字が減るほど上昇傾向を示します。
◆TOPIX:950.26(+13.3)OSC64%(+4%)7月13日の26%から切り返し中。
◆マザーズ指数:463.39(-1.34)OSC51%(-3%)7月13日の36%からは依然として上昇トレンド継続。
◆ヘラクレス指数:626.57(+2.15)OSC63%(同値)7月13日の29%から切り返し中。
◆ドル・円:94.71円(88銭円高)OSC61%(-6%)7月30日の67%から下落に転じる。更新
◆米ドルLIBOR(3ヶ月もの):0.48313%(前日比-0.00437%)7月30日現在。わずかに下落。0.5%以下が定着。
◆米10年債利回り:3.486%(-0.128%)-7月31終値。
◆日経先物イーブニングセッション:10340円(大証終値比-30円)
◆シカゴ日経先物:10320円(円建て、大証終値比-50円)更新
◆NYダウ:9172ドル(+17ドル)OSC73%(+1%)7月21日の80%から緩やかに下降中での終値切り上げ継続中。更新
後場は、終盤にかけて円高が進んだにもかかわらず堅調でしたね。但し、銘柄毎の濃淡が明らかです。
今日の1Q決算で急伸したのが、進捗率好調の2802味の素、4502武田薬品などと、赤字ながら上方修正した7221トヨタ車体、9110新和海運などでした。
味の素は昨日の三菱電機そっくりの値動きでした。途中までの押し目からは再度高値を攻略。陽線に転換したのは880円あたりでしたが、買えませんでした。
逆に売り込まれたのは、7282豊田合成や7011三菱重工業など。
豊田合成は通期で7億円程度の赤字とコンセンサス予想では出ており、これまでLED関連銘柄としても強気で買われてきただけに、連結決算の会社の25億円の赤字予想には失望したということになりますね。
売り込まれた後、一時プラ転したものの引けにかけて再度売り込まれたパターンは、味の素と全く逆でした。三菱電機の昨日の傾向といい、今後の参考にしたいと思います。
これまでは、場中の決算発表に対しては気にしておりませんでしたが、退屈な相場に一瞬緊張感が走るその様は、意外に病みつきになりそうですね。何かへまをやらかしたとき、家人から発せられる「ちょっと~!、これ何!!」という声を浴びた時に感じる緊張感と相通じる面があるようです。つまり、かなりうろたえます。
後場は、その決算発表があった7221トヨタ車体の上昇局面で1771円で飛びつき、1784円での速攻売りをしたトレードのみ。その後1740円まで押され、引けには筆者の売値まで戻しております。
この時間差は一体何故か?
通期の連結決算の経常損失額が200億円から50億円へと上方修正。中間決算では240億円の経常損失が90億円へと共に上方修正されていることが、じわりと評価されたようですね。
今晩のNY市場は、第2四半期の個人消費とGDPの発表という重要イベントがあります。これは雇用統計に匹敵する重大なデータです。
オバマ大統領は、フィリピンでアメリカ経済の縮小ぶりと雇用の喪失がこの発表によって示されるだろうと、事前アナウンスをしているようですが、果たして、これが予防線となるのかどうか?
いずれにしても、日経平均のOSCは69%まで上昇し過熱しております。これは6月12日の68%を抜き、6月1日の69%に並ぶ値です。6月1日の時はこの後1万円台を回復しておりますが、6月12日の時は、ここから500円ほどの調整に入っております。
今回は後者の確率が高いと踏んでおります。
引けに買いそうになりましたが、思いとどまりました。売りをかけ持ち越しをするにしても、この過熱状態ではひどい火傷をする可能性は一応ありますので、それも止めました。
-------1日朝のコメント-------
注目のアメリカ第2四半期GDPは、前年比-1%と予想より0.5%改善するも、第1四半期を-5.5%から-6.5%へと1%近くも下方修正し、この効果を相殺。続く、第2四半期の個人消費が-1.2%と予想の-0.5%より倍以上も悪化しており、ドルが売られました。
そこに、IMFの理事会が09年通期ではアメリカのGDPはマイナス2.6%の成長と予測し、この間の金融危機の中での逃避買いが強く、ドルはやや過剰評価されているとコメント。ドルが更に売られ、相関する原油と金が勢いを盛り返しました。
しかし、雇用統計もそうですが、GDPという最も重要な指標が1%も狂うというのは、あきれて何も言えません。市場は0.5%の差でも一喜一憂します。
これはもう病気に喩えれば、医師が患者の家族に対して、「クライアントの今日の容体は、昨日よりも確実に良くなっております。ところで、昨日は小康状態と言いましたが、実は危篤状態寸前だったようです。」と言うようなものです。ご家族の頭の中は大混乱必至。この医師、頭が変ではないの?と思わない方が異常かと。
なお、来週の雇用統計についてはオバマ大統領は更に悪化すると煙幕を前もって張っております。ついでに、この煙幕すら患者のご家族は、医師が医療ミスで訴えられることを避けるためのインフォームド・コンセントではないかと、疑心暗鬼中。
今のアメリカ経済に対する市場の反応は、以下のような構図かと思います。
・GDP、個人消費など主要景気指標の悪化の確認→株安(企業の好決算が支え落ちていない)
↓ ↓
債券市場へと資金は一旦逃避 ドル安→原油などコモディティにも逃避
↓ (資金のリターン低下を避けるため)
利回り低下(債券価格上昇)
この構図は、いわば中国などの新興国経済が、現在のようにうまく回っており、かつマネーが潤沢に市場に供給されている時に機能します。これが昨年秋のような状態になれば、決済通貨としてのドルや比較優位だった円への急激な逃避が再度起こると言う訳ですね。
しかし、現在は左側の利回り低下と、右側のドル安がある程度バランスが取れているのでOKですが、これで景気が本当に良くなりかけるとどうなるかというと、このバランスが崩れて、アメリカに集まっていた過剰なドル資金が他国通貨へと交換され(ドル安)、原油などコモディティ市場とアメリカも含め新興国の株式市場へと資金流出が加速します。これで世界はインフレ状態へと入ります。
そうなると、米国債券価格は大きく下落し、長期金利の上昇で企業の資金調達コストや住宅ローン金利が上昇し、かつ、アメリカの国債の利払いも増え、アメリカ経済は悪化するとともに、コモディティ高とドル安から生じるインフレが昂進するという最悪の事態を迎えます。
もっとも、アメリカがここまで没落すると、大量のドル債券を抱え込んでいる中国や日本の利害を大きく損なうだけではなく、世界経済そのものが、アメリカに代わるヘゲモニーを発揮できる国が見あたらないだけに、大きく崩れてしまうリスクが生じます。
従って、そうならないようにアメリカも殺さず、新興国はもっと元気になるような、極めて微妙な舵取りが要請されている訳ですね。
なお、今週の利回り低下という状況は、巨額の国債の入札を控えていたアメリカ政府にとっては願ったり叶ったりでした。
こうした様々な思惑が微妙に絡まって世界経済は日々動いていると言えそうです。