株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

偽りのリバウンド

2009-08-21 11:36:08 | 株に出会う
やはり、昨日の日経平均と先物の引けにかけての強烈な上げは「偽りのリバンド」だったようです。

シカゴCMEの円建て価格より安く寄りついた先物は、その後10時頃にかけての反転はあったものの、その後は昨日の安値水準めがけて真っ逆さまです。

弱-弱-弱のトリプル弱ですね。

多分、これはある種の諦念が相場に作用しているものと想像します。

その諦念とは何か?

今朝の日経の一面を飾っていた、民主党300議席を超える勢いという選挙予測です。

これまでの株価の上昇は、誰もが憶測したように、年金ばかりか郵貯まで動員しての政権政党の50兆円の見せ金も含めた、なりふり構わぬ選挙対策としての株価介入でした。

それが、ついに誰が見ても、選挙での大敗が明らかになりつつあるのです。ネットでの口コミ調査ではもっとひどい結果が出ております。民主党の258議席に対して自民党は小選挙区では39議席です。

もっとも、こうした優勢な選挙結果が事前に出た場合は、本番ではいわば判官贔屓が働いて、劣勢な陣営が思わぬ復活を遂げることがよくありますが、今回ばかりは、バブル崩壊以後の国民の「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍んで」きたその堪忍袋の緒がどうも切れかかっているようなのです。

チョイと様子がこれまでとは違います。これは江戸時代の一揆のようなものです。そうです。日本人にもこの一揆の血が脈々と流れていたのです。こうなりゃ、死んだっていい、あのお金持ちの穀倉をトコトン叩き潰してやるという、あの血ですね。

この血が、ある時は「鬼畜米英」などという宣伝文句に踊らされて、とんでもない結果を招いたこともありました。

多分、あの小泉二世も、5月の横須賀の何とか祭りで、健気にも、小泉二世の有権者との接触の合間をじっと待って、空いた隙に握手を求めた民主党候補を、つれなく無視した咎で落ちるかも知れません。こういう血も涙もない、相手を馬鹿にしたような態度をする人間に対しては、日本人は時には果敢な怒りを発します。この時の言い訳として、小泉二世がのたまわった言葉、「有権者との握手を優先したかった」は、ユーチューブの動画で、見事に単なる言い訳であったことが証明されました。こういう嘘を見抜く先天的な素質も持っております。

前場は危うくリバウンドした7717Vテクを買いそうになりましたが、飛びつき買いも、下落途上での待ち受け買いも我慢しました。新興銘柄では押されていた2121ミクシイと3073ダイヤモンドダイニングあたりが好調なようです。

日経平均もTOPIXもOSCはまだ前日同値ですので、後場の思わぬ切り返しはあるかも知れません。先物はこの後反発しても10290円まではすいすいですが、10300円と10310円に大きな壁がありますので、これを突破できるかどうか?

為替と上海総合指数の動向も要チェックですね。
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市場概況(8.20.09)

2009-08-21 06:02:34 | 市場概況
8月20日(木)の市場概況です。 赤字部は21日朝の更新

◆日経先物:10360円(+150円)OSC47%(+1%)8月1日の66%からまだ下落中。指数値倍率:96(-1)
◆日経平均:10383円(+179円)OCC43%(+3%)8月14日の63%からまだ下落中。
日経平均指数値倍率:96(-2)数字が減るほど上昇傾向を示します。
◆TOPIX:958.59(+15.3)OSC45%(+4%)8月14日の64%からまだ下落中。
◆マザーズ指数:450.73(+1.03)OSC43%(同値)8月14日の60%からまだ下落中。
◆ヘラクレス指数:634.02(+4.94)OSC56%(+2%)8月14日の68%からまだ下落中
◆ドル・円:94.16円(10銭の円安)OSC44%(+3%)19日の41%を底に円安へと切り返したか?更新
◆米ドルLIBOR(3ヶ月もの):0.41875%(前日比-0.00625%)8月19日現在。再度金利下落中。
◆米10年債利回り:3.428%(-0.024%)-8月20日NY時間午後3時現在。
◆日経先物イーブニングセッション:10340円(大証終値比-20円)
◆シカゴ日経先物:10405円(円建て、大証終値比+45円)更新
◆NYダウ:9350ドル(+71ドル)OSC63%(+4%)8月17日の54%から切り返し基調継続。更新

いや~、後場の先物の執拗な上げは凄かったですね。10400円までも突破。

ついつい引けに何か買って持ち越そうと思いましたが、引けに買った6923スタンレー電気も+手数料程度で撤退。

各市場のOSCをご覧頂くと、ついつい完全に切り返しモードにスイッチが入ったのかと見間違う程です。

ここは、これまでのつたない経験から、日経平均の中期波動分析により、確かに安値・高値ともに前日を上回っておりますが、もう1つのルールである、OSCが前々日のOSC値以上にはなっておりませんでした。前々日は46%ですが、今日は43%です。

よく見ると、それぞれの市場は8月14日にOSCのピーク値をつけております。日経平均で見ると63%→48%→46%→40%→43%と推移しておりますね。

終値も今日こそ上げたものの、徐々に下降してきております。ということは、今日の上げは押されすぎからのリバウンドの範囲であり、再度10630円を抜くための反転攻勢の礎とは思えないのです。

当然、このポジションから明日以降に少しずつOSCを切り上げていって、高値に到達することは十分に考えられますが、中期波動分析のルールでは、今日の反発はまだ様子見となります。

NYダウもOSCは順調に上げて59%まで戻しておりますが、17日の54%を底と見なすなら、それ前日の61%を少なくとも抜かないと駄目ということになります。つまり、気合いが入った切り返しにはNY市場もまだなっていないのです。

今日のNY市場は、景気先行総合指数(7月)や、フィラデルフィア連銀指数(8月)、そして新規失業保険申請件数といった経済指標の発表があります。これらを見ながら、上海総合指数の今日の堅調ぶりを確認して上げてくれば、明日の日経も本格上昇の手がかりを掴めることになりそうです。

と言う訳で、そういう不安定な時期の、しかもかなり先物が無理をして上値を後場に追ったその日に、あえて買い持ち越しは不要と判断。買うなら、今の相場ではかなり押した日ですね。

-------21日朝のコメント-------

ドイツのGDPは第3四半期に更に上昇する可能性があると、独連銀が発表し、ユーロが堅調になるとともに、欧州株も日本株や上海の流れを引き継いで堅調に終了。ダウも値幅がたったの96ドルで71ドル続伸し、OSC61%と確かな切り返しに転じてきました。

ユーロ圏が最初に利上げをする可能性があるとの言も、英中銀あたりから出てきております。確か、ヨーロッパは東欧の不良債権処理や、不動産バブルの周回遅れでの損失拡大で、不透明な実態がアメリカに比べて残されており、回復はアメリカの方が早いのではないかと見なされておりましたが、ここに来てドイツ経済の堅調ぶりから少し風向きが変わってきているようです。

ドイツ経済といえば、日本以上に輸出で持っている経済です。その連想からも日本経済が今のところGDPの回復もあり、外人から買われているのかも知れませんね。

アメリカの新規失業保険申請件数は、予想よりも悪かったのですが、これはマーケットはほぼ織り込みの範囲であり反応せず。

フィラデルフィア連銀指数の8月も、先日のNY連銀指数に続き4.2ポイントと予想以上(2月の-41.3ポイントからの回復)だったのですが、これにも大きくは反応せず。

要するに、「企業の業績の落ち込みに歯止めがかかりコスト削減が功を奏して、製造業を中心に良くなっているのはもう分かった。コスト削減の一貫で人員削減が進んでいるのもやむを得ない。世界的な経済の落ち込みで仕入れ価格も下がって、その分(価格はCPIを見てもさほど下げていないので)企業の業績への貢献があるのも分かる。ところで、肝心の人々の生活は、失業が増え、支出が減り、貯蓄が増え、借金はあまり減っておらず、破産や延滞は増えているが、それでこの後一体どうなるのよ???」

といったところが、現下の市場の最大関心事だと思います。

ところで、あのAIGすら一部資産を売却して政府から借りた金を返すと宣言し、AIGの21%高を始め、金融株価が大幅に上がっております。先日、ベンモシェCEOへの今年の報酬が約10億円に決まったことで世間の非難を未だ浴びておりますので、このあたりで何か行動を起こす必要があったのでしょう。

あのシティも、8月2日のウォール・ストリートが報じるところでは、エネルギートレーディング部門の長に昨年は9890万ドルを支払い、今年は1億ドルを与える可能性があると言われております。何と94億円ですよ。ベンモシェ氏にしてみれば、あの死に体のシティの部門長の10分の1の報酬で、何で世間から咎められるのか、全く理解できないことでしょう。

先日、「アニマルスピリット」の定義の1つに、「腐敗」があるとお伝えしました。この「腐敗」は、CEOの報酬といったことはこうして表沙汰になりますが、SIVなど米金融機関の別働隊の「腐敗」までは決して表には出てきません。そこは当局も一体となって時価会計の停止の闇に紛れているためです。

これが世界経済にとっての最大の時限爆弾と思います。今の状況は、ひょっとすると「夢の島」の上に急いで建てた張り子の家かも知れません。時間が経つにつれ、土台が悪臭とともに腐り始める前に、何とか土台を固めなければなりません。しかし、これはかなり困難を伴う作業かも知れません。

何しろ、そこは「腐敗」とは無縁の「夢の島」と人々は思っておりますので、その夢を壊すことなく修復することが、途轍もなく難易度の高い作業となるからです。

しかし、ゴミ処理の埋め立て地を「夢の島」と名づけた東京都の担当者は、諧謔の精神とともに先見の明までありました。数10年後に「金融の夢の島」が世界のあちらこちらに出現するとは、まさか夢にも思わなかったことでしょう。
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