都知事というものは、知事の中でも一番権力があります。

　中日新聞の「おじさん図鑑」というコーナーで、「傷つく」というタイトルで飛島圭介さんがエッセーを書かれていました。



　「母の慈愛をもってコトに対処してほしい」と言われた女性首長が、
「自分は母になったことがない。傷ついた」という意味の言葉を返した。昨秋のことだ。

　なんというお粗末で愚かな発言であろう。
”母の慈愛”は子どもを産まない女性には無縁だとでもいうのか。
毎年５月の「母の日」にも、女性首長は「傷ついて」しまうのか。
人に対して思いやりと優しさが豊かにあれば、どんな女性も”慈愛”に満ちているのだ。

　普通の想像力があれば、”母の慈愛”は、ごく一般的な「たとえ」でしかないことは分かる。
女性首長が母親になろうがなるまいが、まったく関係のないことだ。
トンチンカンな誤解をして「傷ついた」など、片腹痛い。
「傷ついた」のはこの発言を聞いた全ての”慈愛”の持ち主たちだ。

　政治家は民主的な手続きを経て、一定の権力を付与される。
その権力は一般庶民のためにだけ行使されるべきもの。
加えて、政治家は庶民の幸福を常に考え、無私公正でなければならない。
つまり、政治には、男女の別なく温かい血の通った”母の慈愛”こそが、
必要不可欠なのだとおじさんは思うのだ。


　以上です。

　どうもこのエッセーの首長は、小池都知事のことを指しているようです。
こんな記事が去年の１１月ネットに載っていました。


　東京都の小池百合子知事は、今月の全国知事会議で鳥取県の平井伸治知事から「母の慈愛の心を持って」と言われたことに対し、
１６日の定例会見で「私は母になれなかった。安易な発言で、大変傷ついた」と不快感を示した。

　全国知事会議は９日に都内で開かれ、大都市の税収の一部を地方に配分する「偏在是正」をめぐり、議論が交わされた。
地方を中心に多くの県が是正に賛同しているが、東京都は税収減につながるため、小池知事が反対している。

　平井知事は、今年のハロウィーンのコスプレイベントで小池知事が人気漫画「銀河鉄道９９９」のキャラクター「メーテル」の衣装を着たことに触れ、
「先日のメーテルはすばらしかった。私たちの世代、男たちはメーテルに恋をしている。
メーテルに頭をなでてもらう『鉄郎』になりたいと思っていたもので、いまの柔らかいお声に感激もした」と発言した。
さらに「メーテルの名前の語源はギリシャ語で母。ぜひ母の慈愛の心を持って、
大都市と地方の折り合える案を考えていただければ」と語った。

　これに対し、小池知事は１６日の定例会見で、この発言への批判を自ら切り出し、「ちゃかすような発言があり、非常に困惑した」と強調。
小池知事は子宮筋腫のために子宮を全摘出しており、「『母として』と言われたが、私は母になれなかった。
私ができなかったことをみなさんにかなえてほしいと、
多くの女性に仕事も子育てもやってもらえるような環境づくりをしている」と話し、「大変傷ついた」と述べた。

　平井知事はこの日、「広い視野で議論したいという以外に全く他意はありませんでした。
しかしながら、小池知事のお気持ちを害したこととなり、率直に心から深くお詫（わ）び申し上げます」とのコメントを出した。



はからずも小池都知事は、教養のなさを露呈しましたね。
”母の慈愛”の心を持って、大都市の税収の一部を地方に配分していただきたいという鳥取の平井知事のお願いを、
単に母親という言葉尻を捕らえて反論する。
　このような教養のない方と、まともに議論はできないですね。（苦笑）

　”母の慈愛”
「母親が子供をいつくしみ、かわいがるような、深い愛情。」という意味を取り違えられたようです。


＞「ちゃかすような発言があり、非常に困惑した」と強調。

　鳥取の平井知事が、茶化すような発言をされていないことは明白です。
自分の教養のなさを棚に上げてのこの発言。

　次回の都知事選では、小池さんが再度都知事になられるなんてないように思います。
都民の期待を裏切り続けているように思えるからです。

　平井知事は謝る必要がないのに、小池都知事に謝っていらっしゃいます。
都知事というものは、知事の中でも一番権力があります。
それは東京都が、一番お金があるからでしょうね。（苦笑）







君たちがいて僕がいた／舟木一夫・本間千代子