中日新聞の「くらしの作文」に「出世しないサル」というタイトルで、74歳の女性が投稿されていました。
夫が帰ってきたと思ったら「お〜い、サルはいないの?」と呼ぶ声がする。
「あ! 忘れていた」と返事する。
サルとは、豊臣秀吉が織田信長に「サル」と呼ばれていたときのエピソードをもじったものだ。
木下藤吉郎を名乗っていたが、サルとあだなされた秀吉は「草履取り」として信長に仕えた。
ある冬の日、信長が素足で玄関から外へ出ようとしたとき、サルはすかさず、懐で温めていた信長の草履を土間に置いた。
殿様に冷たい思いをさせていけないとの一心だった。
その忠義心を高く買った信長は以後、サルに目をかけるようになった。
このエピソードのように、我が家では冬になると家族の着替えの服を炬燵の中に入れて温めておく習慣がある。
寒い外から帰ってきて着替えるとき、温められた服を着るのは嬉しいものだ。
これは私が子ども時代から続く習慣だ。
母が炬燵の中で温めておいてくれた服を着るときの、何とも言えない満ち足りた幸福感を忘れられないからだ。
夫が帰宅する前に、着替えの服を温めておく。
私は、さながら我が家の「サル」である。
秀吉は草履を温めたおかげで出世したが、私は主婦業から一向に出世する見込みはない。
以上です。
>ある冬の日、信長が素足で玄関から外へ出ようとしたとき、サルはすかさず、懐で温めていた信長の草履を土間に置いた。
殿様に冷たい思いをさせていけないとの一心だった。
その忠義心を高く買った信長は以後、サルに目をかけるようになった。
ちょっと抜けていると思いました。
草履が温かいので、信長はサルがあまりに寒いので草履の上にお尻を置いていたと思い、サルを叱った。
サルが「あまりに寒いので懐で温めていました」と言ったことで、信長は感心してそれ以降目をかけるようになったと思います。
>このエピソードのように、我が家では冬になると家族の着替えの服を炬燵の中に入れて温めておく習慣がある。
私も子ども時代、お袋が炬燵に下着類を温めていてくれました。
冬 何もされていない下着を着るとひんやりしますが、炬燵で温まっていますのでほっこりしました。
今は炬燵がないので、着替えるときはエアコンをつけて着替えることが多いです。
>秀吉は草履を温めたおかげで出世したが、私は主婦業から一向に出世する見込みはない。
この文章には笑えました。
「めぐり逢い紡いで」大塚博堂(菅野美穂)