新年早々から、曲の採譜をしています。
曲の採譜をすることによって発見できることが多数ありますね。
特にトルコの伝統的な舞曲。
ほとんどがシンプルな構成なのですが、魅惑的な旋律が繰り返し渦を巻き、各楽器特有のデコレーションでメロディーに装飾が施されるため、単旋律音楽にも関わらず、非常に複雑な響きが聞こえてきます。
これをジプシー、またはジプシーのテイストを持った演奏者が演奏すると、情熱という魂までが、その音楽に内包するわけですから、誰が聞いても面白くないわけがありませんね。
このような音楽を採譜する作業というのは、あたかも無数の絢爛豪華な蔦を取り除いてシンプルな木の幹だけにする「単純化」の作業になるわけです。
しかし、オリエンタル音楽にしろ、ジプシー音楽にしろ、共に西洋音楽とはまったく別のアイデアから発しているところが面白く感じられます。
楽譜というのは、メモ書き&作曲者の意図を伝える記号にしか過ぎないのは、どちらも同じ。
ただ、オリエンタル音楽は、そのメモ書き以上の「展開」に対して価値観をおくので、その点が正反対ですね。
タクシームや、ソロのパートが特に重要だったりしますしね。
また、リズム、つまり打楽器が非常に重要であることも特筆すべきでしょう。
こういった「価値観」を更に養うためにも、アラディーンの上半期は、トルコの伝統音楽&ジプシー音楽を積極的に取り入れて行きたいと思ってます。
ところで、今はノーマッド・クラブでもお世話になった関口義人さんの著書「ロマ・素描~ジプシー・ミュージックの現場から(東京書籍)を読んでいます。
どうやら、ジプシーの起源というのは膨大な言語学的な研究成果の結果からインド起源説というのがもっとも有効みたいですね。
まだ全部読んではいないのですが、今自分が関わっている音楽に関して、密接な情報がたくさんあるので、大変参考になります。
いつかジプシーのミュージシャン達とも共演したいですね