ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

けったいなシンコペーション

2008年08月25日 | 音楽とわたし
旦那の患者さんに、某有名トランぺッターのツアーメンバーで、日本でもちょっと名が知られてるドラマー、ビリーがいる。
彼のドラムはとてもファンキーで、エネルギッシュで、個性的で、雄々しくて、
ライブなんかで聞いた日にゃ、いっぺんにファンになってしまう
普段は公演で世界中を回ってるのやけど、たまに休みが入ると即、うちに来て、鍼山と化し、あ~気持ち良かった~と言って帰っていく。
その彼がやって来て、診察室に入ったと思たら、
いきなりボブ・ジェイムズの超ファンクな歌声が大音響で聞こえてきた
何事かと思い、ちょいと偵察に行ったら……(実は何事なのか知ってたけど)、
しっかりビリーのファンクリズムの講義が始まってるではないか!
彼はすでに治療してもらう体勢に入ってたはず。
だってだって、彼が説明しながらバシバシ叩いてるのは、まさしくマッサージテーブルの音やもん。

実は先週末、25年ぶりの高校の同窓会に参加すべく、旦那は実家のあるペンシルバニアに帰っていた。
何回も、一緒に行かへん?って誘われたけど、他人の同窓会ほど行っても意味の無い所は無い。
なのできっぱりお断りさせていただいた。何回も。
それで、渋々彼は独りで帰ったのやけど、やっぱりなんだか居心地が悪くなって、ちょいと早目に戻ることに決め、
なんで僕ってどこに行ってもなんとな~く居心地が悪いんやろってちょいと落ち込んでたら
だいぶ前から無くしてしもてたジェームス氏のカセットテープがヒョイッと見つかったそうな
早速車に持ち込んだカセットプレイヤー(古っ!)にセットして、ノリノリで運転して帰ってきた。
そして今朝、朝の早よからいきなりファンクを聞かされて、しかも、リズムを説明して欲しいというので、紙に♪を書いたら、
ちゃうちゃう線(|)でって……あんさん、そいつぁ~わたしには酷っちゅうもんでっせ~。
旦那はきっと、わたしの説明では全く満足できず、今日来るビリーに聞くもんね~と企んでたに違いない。

まったく……公私混同ってこういうことちゃいます?
って……、こっそり内緒で、にわか講義を嬉しそうに盗み聞きしてたわたしも、しっかりその仲間?

あ、こんなこと、神さんに誓て言いますけど、絶対にしてません!ほんまに。
治療中は隣の部屋に立ち入り禁止になるし、なってなくても近寄らないし。

講義の最後にビリーはこう言い切った。
旦那は、なんとなくカクッカクッとずっこけそうになる、ちょいとズレたような、けったいなシンコペーションが好きなんだと。
そういう好みって、ほんまに個人的なことなんやけど、実はわたしもそういうのが好きな方。
なんか元気が今一出ない時や疲れた時は、彼の音楽は結構効き目がある

そしてビリーはこんなことも打ち明けてくれた。
彼がツアーなんかでどうしようもなく疲れてるのに、気分が高揚して落ち着けないような時は、演歌を聞くのだそうな……
石川さゆりの『天城越え』がベストだそうな……。彼の奥さんは美人の日本人です。念のため。

あ~気持ちよかった~と、あくびをしいしい、元気印の息子ブルちゃん(ブルトーザーからきてるらしい)に早く早くと引っ張られながら、
またすぐ来るからね~とビリーは帰って行った。

またいつか、彼のライブを聞きに行きたいなあ。
そんな余裕ができる日は、いったいいつのことになるのかなあ。

けったいな鍼灸師&いちびりのピアノ教師は、今日もこつこつ、明日もこつこつ、がんばりま~す

コメント
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