ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

米国保険事情

2008年08月21日 | 米国○○事情
ニュージャージー州に住む、わたしの周りだけの、わたしが知っているちっちゃな事情です。

この国には国民健康保険が存在しません。
なので、民間の保険会社(半端な数ではない)の保険を買わなくてはなりません。
月々の支払いが、安い借家の家賃以上だったりするのは日常茶飯事。とても高いです
うちの場合は、旦那がマンハッタンで会社員をしていた1年半は、会社が3割ぐらい負担してくれていたけれど、
それでも月々10万円を超えていました。
同時テロの直前にクビになって失業保険をもらっていた時は保険無し。
それからしばらく厳しい経済状況が続いた3年間は、州が出す低所得者用の保険を使てました。
確かに、この保険は貧しいわたし達を助けてはくれたけれど、
旦那がバイトをして少しでも低所得の枠を超えると、即刻契約を切られるので、
なんだか貧乏を強要されているようで、複雑な気持ちになりました

保険に入っていると、コーペイと呼ばれる診察料($15~50)を払いさえすれば、
高額な検査や手術、それから薬も、かなりの範囲で保険会社が負担してくれます。

ただ、最寄りの病院や、自分が選んだ医者に診てもらうのはかなり難しいです。
自分が契約している保険会社とつながっている病院、もしくは医者にかかった時のみ、保険が有効だからです。

保険会社が提示する名簿の中からまずホームドクターを選び、
そこで診察を受けて紹介状をもらい、またまた名簿から専門医を選びます。
専門医の所はたいてい予約がいっぱいで、2週間待ち、1ヶ月待ちなんて珍しくありません。
そんなこんなをしているうちに、病気じゃなくなったり、もっと重くなってしもたりします
検査の予約をしたものの、ちょいと不安になって前日に電話したら、
「あ、その保険、もううちでは使えなくなっちゃいました~」なんて、明るく断られたこともありました

とにかく、8年間ここで暮らして思うことは、半端な気持ちでフラフラしてちゃイカン、ですね。
早寝早起きして、基本的に健康でないといけません
微熱とか目眩とか、そういうマイナーな不健康が時々遊びに来てたわたしですが、
そういえばここ3年、しんどくなって寝たという記憶がありません。
アメリカに適応したってことでしょうか

それからもうひとつ、ただ今お世話になってる最中の車の保険。
かくいうわたしも、去年、急に車道に飛び出してきたバンにぶつけてしまいました。
どちらもなかなか堂々とした破損状況。
わたしの場合は相手が現場にじっとしてくれていたので、二人で警察に電話しました。
警官が到着。彼はわたしと相手をかなり離れた所に立たせて、
別々に、なんだか秘密の相談でもしているみたいに、わたしの話、相手方の話を聞いてリポートします。
こんなん、好きなように言えるやん、などと、かなり不安になりました
そして彼は、今日からきっちり3日後に署に出頭して、自分のリポートを受け取るようにと言って、
車のことなんか全く見ずに去ってしまいました。おぉ~いっ
リポートを受け取って初めて、保険会社が動き始めます。
相手側の査定調査員が来て、車の状態をくまなく写真に納め、
警察からのリポートと写真をもとに、保険会社同士で話し合い、どちらに何%の責任があるかを出すのやけど、
わたしの場合、100%相手方に責任があるという結果になり、
保険会社が判断した修理に必要な費用が、小切手で送られてきました。
日本では、どんな事故でも100%悪いってことにはならないと思てたので、これにはびっくり
しかも、修理箇所の欄に昔につけた古傷まで入っていたりして、こういうアバウトさは大歓迎~
小切手の額を見た時、これを他のことに使っちゃったりなんかしたりして~なんて考えてると
しっかり顔に出てたのか、旦那が「これは修理代」と、短くきっぱり
でも、時々ほんまに使っちゃったりしてる人もいるそうです。
向こうはそんなこともアリを承知で送ってるんでしょうかね。

そして息子の場合。
彼の相手は、明るく手を振って去ってしまっちゃったので、車両保険を使うことになりました。
わたし達の負担分は$500。あとの費用はすべて保険会社もちです。
そして……やっぱりこの場合も、旦那パパがつけた古傷もしっかり修理してもらえそうです。なんだかなあ……。

日本はどんなだったか、あんまり覚えてません。
まあ、どんなことにも、いいこと悪いことがあるんでしょうけどね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする