先日、映像から切り取った写真とともに、いかにデタラメな採決であったかをお伝えしました。
採決であった、などと言いたくもない、粗末で破廉恥な者たちの姿。
あんな連中を、国会議員などという立場に居座らせてはなりません。
読売新聞が、南スーダンのPKOに対する「駆け付け警護」の追加を検討していると、早々に報じています。
安保関連法案なるものが現れる以前から、もう決まっていたことが、今後どんどん公にされていくことになります。
武器輸出も解禁。
どこにでも出前警護(警護する際に攻撃されたらし返さねばなりません)。
相手が、軍として訓練された子どもであっても、一般市民のように見える人であっても。
真島省三議員のフェイスブックに、こんな記事が載っていました。
三菱重工のロケット工場に視察に行ったら、「武器輸出解禁や5カ年計画の防衛費確保はありがたい」と活気づいてました。
我が国最大の兵器メーカーとして君臨する同社。
史料館があって、ゼロ戦の復元機があって、「我が社の技術者がつくった」と、ゼロ戦がいかに活躍したかを散々聞かされました。
自分たちの製品で、多くの人が殺されてきたことへの罪の意識はかけらもなく、目を輝かせて語るエンジニアたち…。
*「日本の軍需産業と戦争法案について」(佐々木憲昭氏)
http://blogos.com/article/117792/
【BLOGOS】2015年6月19日
安倍内閣は、国民の多数が反対しているのに、なぜ国会会期を延長してまで、戦争法案を執拗に押し通そうとしているのか。
その背後でけしかけているのは、いったい誰なのか。
誰が利益を得るのか。
――こんな疑問を抱いて調べてみました。
手がかりとして、武器、弾薬など、「防衛装備品」を受注している会社(防衛省資料=中央調達の契約相手方別契約高)上位20社を調べました。
それを見ると、三菱重工がいちばん金額が大きく2632億円で、調達総額の約17%を占めています。
次が、川崎重工の1913億円で12%を占めています。
20社で約1兆1400億円、72.4%を占めています。
国が発注する「防衛装備品」のじつに7割強を、わずか20社で受注しています。
さらに注目したいのは、このなかに、2014年・2015年に、日本経団連の役員をしている企業が10社も入っていることです。<経団連役員一覧表参照>
三菱重工業、日本電気、ANAホールディングス、三菱電機、東芝、小松製作所、伊藤忠アビエーション、JX日鉱日石エネルギー、日立製作所、伊藤忠エネクスの10社です。
(伊藤忠アビエーションと伊藤忠エネクスは、経団連に役員を出している伊藤忠商事の支配下にある)。
この10社で45.6%、防衛装備 品調達総額の半分近を占めているのです。
第二次安倍内閣が成立した後、日本経団連の役員改選は、2014年7月と2015年6月に行われています。
2014年の役員企業38社のうち9社(24%)が「調達20社」の中に入っており、
2015年の役員企業37社のうち8社(22%)が「調達20社」の中に入っています。
日本経団連が軍需に深く関わっていることは、これを見るだけでも明らかです。
しかも、これらの軍需産業には、防衛省・自衛隊からの多数の天下りがあります。
6月2日の参議院外交防衛委員会で、日本共産党の井上哲士参議院議員は、
軍需産業上位10社に、天下りが64人もいることを暴露しました。
日本経団連には、さまざまな委員会が設けられていますが、そのなかに、防衛産業委員会というのがあります。
その委員長には、最大の軍需会社である、三菱重工業の社長が就任しています。
また、密接に関連する宇宙開発利用推進委員会の委員長には、三菱電機相談役が就任しています。
これらの委員会が中心となって、軍需産業の政府への要望をまとめ、しばしば「提言」を行っています。
その要望の中心は、「軍事予算の増額」と「武器輸出3原則の緩和」であり、安倍内閣はその要望に忠実に応えつつあるのです。
日本経団連は、2013年5月14日に、
「防衛計画の大綱に向けた提言」を出し、
「防衛装備品の開発・生産や自衛隊の運用支援を担う防衛産業の役割は、ますます重要となっている」とのべ、
軍事予算の増加や、防衛生産・技術基盤の維持・強化などを求めています。
2013年12月17日に、
政府が、「国家安全保障戦略」と「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画2014~18年度」を決めると、
経団連会長は「評価する」というコメントを出しました。
2014年11月18日の、
経団連の「宇宙基本計画に向けた提言」では、真っ先に「安全保障の強化」を掲げています。
これを受け、今年1月9日、安倍内閣は、新たな宇宙基本計画を策定しています。
2014年4月1日には、安倍内閣が、
「国家安全保障戦略」にもとづいて、武器輸出三原則に代わる新たな政府方針として、
「防衛装備移転3原則」を定め、武器の国際共同開発・生産に参画していくことを決めました。
これに対して経団連会長は、間髪を入れず、「大いに歓迎する」とコメントを発表しています。
さらに、アメリカの圧力があります。
日米首脳会談では、日米安保体制の強化が議論され、
日米間では、安全保障に関する「緊密な政策協議」と、軍事協力に関する仕組みがつくられてきました。
政策協議の代表的なものとして、防衛・外務の閣僚級協議の枠組みである、日米安全保障協議委員会(「2+2」会合)があります。
これは、「安全保障分野に おける日米協力にかかわる問題を検討するための重要な協議機関」(『防衛白書』2014年版)と、位置づけられています。
また、「日米防衛協力のための指針」(「指針」)があり、PKOや武力攻撃事態などに対応するとして、
自衛隊と米軍との間で、物品や役務の提供を可能とする「日米物品役務相互提供協定」
(ACSA:Acquisition and Cross-Servicing Agreement)を締結しています。
アメリカ政府は、沖縄をはじめ、全国に軍事基地を置き、
日本の軍事技術を取り込むために、武器輸出規制を撤廃させ、
アメリカの世界戦略に沿って、日本の軍事力を最大限に活用しようとしてきました。
安倍内閣が強行しようとしている、憲法違反の戦争法案の背後には、日米支配層の危険なねらいがある。
――このことを、改めて確認した思いです。
「安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める申し入れ」への賛同を、心からお願いします!
なお、この賛同署名は、9月25日(金)10時が締切りです!
「安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める申し入れ」への賛同のお願い(大至急)
http://netsy.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-6f5b.html
2015年9月20日
市民の皆様へ
政府・与党は、9月17日の参議院安保特別委員会で、2つの安保関連法案ほか計5件の案件を「採決」し、「可決」したとみなし、マスコミもそのように報道しています。
しかし、「採決」の場面をテレビで視た多くの市民の間で、
「あのように委員長席周辺が騒然とし、委員長の議事進行の声を自席で委員が聴き取れない状況で、5件もの採決がされたとは信じられない」
という声が、ネット上で飛び交っています。
至極もっともな感想ではないでしょうか?
ということは、「強行採決」に抗議する以前に、「採決」はそもそもなかった、というのが真相ではないでしょうか?
にもかかわらず、審議の模様を中継したNHKが、事実関係を確かめないまま、いち早く「法案、可決」と伝えたのは、
数の力に頼んだ政府・与党の、理不尽な行為を追認し、既成事実化したものと言っても過言ではありません。
安保関連法案が、参議院本会議で「可決」された今、
特別委員会の「採決」について異議を唱えても、実益は乏しいという疑問を持たれるかもしれません。
確かに、「採決の不存在」を申し立てても、手続きを前に戻すことは不可能と思えます。
しかし、別紙「申し入れ文書(安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める申し入れ)」(http://netsy.cocolog-nifty.com/fusonnzai.pdf)に記しましたように、
あの「採決」は、「参議院規則」に照らしても、「表決」の要件を充たしていません。
現に、弁護士有志は、
「参議院特別委員会での、安保関連法案の議決の不存在確認、および審議の再開を求める声明」をまとめ、賛同を募っています。
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/bengoshiyusi_seimei.pdf
今後、安保法(案)の違憲訴訟や、廃案を求める運動が、全国規模で起こされると思います。
そうした運動の正当性への確信を強め、運動への支持を広げるためにも、
政府・与党が、違憲の法案を、不当な手続きで強行した二重の罪を、国民の前に明らかにする意義はたいへん大きいと考えます。
そこで、皆様に、以下の要領で、別紙「申し入れ文書(安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める申し入れ)」(http://netsy.cocolog-nifty.com/fusonnzai.pdf)への賛同と、呼びかけの拡散をお願いする次第です。
(別紙「申し入れ文書」は下記にも貼り付けてあります。)
呼びかけ人 醍醐 聰(東京大学名誉教授 電話:080-7814-9650)
1. 申し入れに賛同くださる方は、次の「賛同署名の入力フォーム」にご記入のうえ、「確認」「送信」ボタンを押してお送りくださるようお願いします。
http://form1.fc2.com/form/?id=009b762e6f4b570b
2. ご記入いただいた氏名、所属/お住まいの都道府県名はそのまま名簿に記載して提出します。また、記入いただいたメッセージとともに、このページ(http://netsy.cocolog-nifty.com/blog/l2.html)に掲載させていただきます。(右リンク集のTOPにもあります。)匿名をご希望の方はその旨を必ず付記ください。
3. 申し入れは、賛同者名簿を添えて、今国会の会期末(9月27日)までに提出します。
それに合わせて賛同署名は9月25日(金)10時締切りとします。
4. 時間が切迫しているため、僭越ながら醍醐1人の呼びかけでスタートさせていただきますが、呼びかけ人に加わっていただける方はご一報をお願いします。
(shichosha_kangeki@yahoo.co.jpまたは、080-7814-9650へ)
──────────────────────────────────────
参議院議長 山崎正昭 様 2015年9月25日
参議院「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」委員長 鴻池祥肇 様
安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の続行を求める申し入れ
市民有志
参議院に設置された「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」(以下「特別委」)は、
2015年9月17日、同特別委に審議を付託された、安保関連法案等計5件の採決を行い、いずれも賛成多数で可決されたと言われています。
しかし、採決が行われたとされる同日16時30分頃の、委員会室の模様を、参議院のインターネット中継やテレビの中継・録画で視る限り、
鴻池委員長席の周囲は、与野党議員によって何重にも取り囲まれ、委員長の議事進行の声を委員が聴き取れる状況になかったことは、一目瞭然です。
また、委員長も、動議提出の声を聴き取り、各委員の起立を確認できる状況になかったことは明らかです。
こうした状況の中で、採決というに足る手続きが踏まれたとは、到底言えません。
また、委員会室にいた特別委の委員自身も、
「可決はされていません。・・・委員長が何を言ったかわからない。いつ動議を出したのか、採決されたのかわからない」(福山哲郎委員)、
「いったい何がおきたのか、そもそも動議が出たのかどうかも、委員長が何を発言したのかも誰もわからない。
そして、私は自民党席の前にいたが、彼らも何もわからないまま立っていただけですよ」(井上哲士委員)
と語っています。
実際、速記録(未定稿)でも「、議場騒然、聴取不能」と記されるのみで、議事の進行を記す委員長の発言も、質疑打ち切り動議の提案も、記されていません。
こうした一連の事実と状況に照らせば、上記5件の「採決」なるものは、
参議院規則が定めた、「議長は、表決を採ろうとするときは、表決に付する問題を宣告する」(第136条)、
「議長は、表決を採ろうとするときは、問題を可とする者を起立させ、その起立者の多少を認定して、その可否の結果を宣告する」(第137条)、
という表決の要件を充たしていないことは明らかです。
国会での審議が進めば進むほど、違憲の疑いが深まった安保関連法案を、
参議院規則まで踏みにじり、締め括りの質疑も省いて、「採決」なるものを強行したことは、憲政史上、稀にみる暴挙です。
以上から、私たちは貴職に対し、次のことを申し入れます。
1. 私たちは、5件の「採決」と称されるものは、すべて採決の要件を充たさず、採決は不存在であると考えます。
貴職が、こうした私たちの見解を受け入れないのであれば、参議院規則にもとづいて反証されるよう、求めます。
2.「採決」が存在しない以上、安保関連法案の審議は未了です。
よって、改めて所定の手続きを取り、法案の審議を再開されるよう求めます。
採決であった、などと言いたくもない、粗末で破廉恥な者たちの姿。
あんな連中を、国会議員などという立場に居座らせてはなりません。
読売新聞が、南スーダンのPKOに対する「駆け付け警護」の追加を検討していると、早々に報じています。
安保関連法案なるものが現れる以前から、もう決まっていたことが、今後どんどん公にされていくことになります。
武器輸出も解禁。
どこにでも出前警護(警護する際に攻撃されたらし返さねばなりません)。
相手が、軍として訓練された子どもであっても、一般市民のように見える人であっても。
真島省三議員のフェイスブックに、こんな記事が載っていました。
三菱重工のロケット工場に視察に行ったら、「武器輸出解禁や5カ年計画の防衛費確保はありがたい」と活気づいてました。
我が国最大の兵器メーカーとして君臨する同社。
史料館があって、ゼロ戦の復元機があって、「我が社の技術者がつくった」と、ゼロ戦がいかに活躍したかを散々聞かされました。
自分たちの製品で、多くの人が殺されてきたことへの罪の意識はかけらもなく、目を輝かせて語るエンジニアたち…。
*「日本の軍需産業と戦争法案について」(佐々木憲昭氏)
http://blogos.com/article/117792/
【BLOGOS】2015年6月19日
安倍内閣は、国民の多数が反対しているのに、なぜ国会会期を延長してまで、戦争法案を執拗に押し通そうとしているのか。
その背後でけしかけているのは、いったい誰なのか。
誰が利益を得るのか。
――こんな疑問を抱いて調べてみました。
手がかりとして、武器、弾薬など、「防衛装備品」を受注している会社(防衛省資料=中央調達の契約相手方別契約高)上位20社を調べました。
それを見ると、三菱重工がいちばん金額が大きく2632億円で、調達総額の約17%を占めています。
次が、川崎重工の1913億円で12%を占めています。
20社で約1兆1400億円、72.4%を占めています。
国が発注する「防衛装備品」のじつに7割強を、わずか20社で受注しています。
さらに注目したいのは、このなかに、2014年・2015年に、日本経団連の役員をしている企業が10社も入っていることです。<経団連役員一覧表参照>
三菱重工業、日本電気、ANAホールディングス、三菱電機、東芝、小松製作所、伊藤忠アビエーション、JX日鉱日石エネルギー、日立製作所、伊藤忠エネクスの10社です。
(伊藤忠アビエーションと伊藤忠エネクスは、経団連に役員を出している伊藤忠商事の支配下にある)。
この10社で45.6%、防衛装備 品調達総額の半分近を占めているのです。
第二次安倍内閣が成立した後、日本経団連の役員改選は、2014年7月と2015年6月に行われています。
2014年の役員企業38社のうち9社(24%)が「調達20社」の中に入っており、
2015年の役員企業37社のうち8社(22%)が「調達20社」の中に入っています。
日本経団連が軍需に深く関わっていることは、これを見るだけでも明らかです。
しかも、これらの軍需産業には、防衛省・自衛隊からの多数の天下りがあります。
6月2日の参議院外交防衛委員会で、日本共産党の井上哲士参議院議員は、
軍需産業上位10社に、天下りが64人もいることを暴露しました。
日本経団連には、さまざまな委員会が設けられていますが、そのなかに、防衛産業委員会というのがあります。
その委員長には、最大の軍需会社である、三菱重工業の社長が就任しています。
また、密接に関連する宇宙開発利用推進委員会の委員長には、三菱電機相談役が就任しています。
これらの委員会が中心となって、軍需産業の政府への要望をまとめ、しばしば「提言」を行っています。
その要望の中心は、「軍事予算の増額」と「武器輸出3原則の緩和」であり、安倍内閣はその要望に忠実に応えつつあるのです。
日本経団連は、2013年5月14日に、
「防衛計画の大綱に向けた提言」を出し、
「防衛装備品の開発・生産や自衛隊の運用支援を担う防衛産業の役割は、ますます重要となっている」とのべ、
軍事予算の増加や、防衛生産・技術基盤の維持・強化などを求めています。
2013年12月17日に、
政府が、「国家安全保障戦略」と「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画2014~18年度」を決めると、
経団連会長は「評価する」というコメントを出しました。
2014年11月18日の、
経団連の「宇宙基本計画に向けた提言」では、真っ先に「安全保障の強化」を掲げています。
これを受け、今年1月9日、安倍内閣は、新たな宇宙基本計画を策定しています。
2014年4月1日には、安倍内閣が、
「国家安全保障戦略」にもとづいて、武器輸出三原則に代わる新たな政府方針として、
「防衛装備移転3原則」を定め、武器の国際共同開発・生産に参画していくことを決めました。
これに対して経団連会長は、間髪を入れず、「大いに歓迎する」とコメントを発表しています。
さらに、アメリカの圧力があります。
日米首脳会談では、日米安保体制の強化が議論され、
日米間では、安全保障に関する「緊密な政策協議」と、軍事協力に関する仕組みがつくられてきました。
政策協議の代表的なものとして、防衛・外務の閣僚級協議の枠組みである、日米安全保障協議委員会(「2+2」会合)があります。
これは、「安全保障分野に おける日米協力にかかわる問題を検討するための重要な協議機関」(『防衛白書』2014年版)と、位置づけられています。
また、「日米防衛協力のための指針」(「指針」)があり、PKOや武力攻撃事態などに対応するとして、
自衛隊と米軍との間で、物品や役務の提供を可能とする「日米物品役務相互提供協定」
(ACSA:Acquisition and Cross-Servicing Agreement)を締結しています。
アメリカ政府は、沖縄をはじめ、全国に軍事基地を置き、
日本の軍事技術を取り込むために、武器輸出規制を撤廃させ、
アメリカの世界戦略に沿って、日本の軍事力を最大限に活用しようとしてきました。
安倍内閣が強行しようとしている、憲法違反の戦争法案の背後には、日米支配層の危険なねらいがある。
――このことを、改めて確認した思いです。
「安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める申し入れ」への賛同を、心からお願いします!
なお、この賛同署名は、9月25日(金)10時が締切りです!
「安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める申し入れ」への賛同のお願い(大至急)
http://netsy.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-6f5b.html
2015年9月20日
市民の皆様へ
政府・与党は、9月17日の参議院安保特別委員会で、2つの安保関連法案ほか計5件の案件を「採決」し、「可決」したとみなし、マスコミもそのように報道しています。
しかし、「採決」の場面をテレビで視た多くの市民の間で、
「あのように委員長席周辺が騒然とし、委員長の議事進行の声を自席で委員が聴き取れない状況で、5件もの採決がされたとは信じられない」
という声が、ネット上で飛び交っています。
至極もっともな感想ではないでしょうか?
ということは、「強行採決」に抗議する以前に、「採決」はそもそもなかった、というのが真相ではないでしょうか?
にもかかわらず、審議の模様を中継したNHKが、事実関係を確かめないまま、いち早く「法案、可決」と伝えたのは、
数の力に頼んだ政府・与党の、理不尽な行為を追認し、既成事実化したものと言っても過言ではありません。
安保関連法案が、参議院本会議で「可決」された今、
特別委員会の「採決」について異議を唱えても、実益は乏しいという疑問を持たれるかもしれません。
確かに、「採決の不存在」を申し立てても、手続きを前に戻すことは不可能と思えます。
しかし、別紙「申し入れ文書(安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める申し入れ)」(http://netsy.cocolog-nifty.com/fusonnzai.pdf)に記しましたように、
あの「採決」は、「参議院規則」に照らしても、「表決」の要件を充たしていません。
現に、弁護士有志は、
「参議院特別委員会での、安保関連法案の議決の不存在確認、および審議の再開を求める声明」をまとめ、賛同を募っています。
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/bengoshiyusi_seimei.pdf
今後、安保法(案)の違憲訴訟や、廃案を求める運動が、全国規模で起こされると思います。
そうした運動の正当性への確信を強め、運動への支持を広げるためにも、
政府・与党が、違憲の法案を、不当な手続きで強行した二重の罪を、国民の前に明らかにする意義はたいへん大きいと考えます。
そこで、皆様に、以下の要領で、別紙「申し入れ文書(安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める申し入れ)」(http://netsy.cocolog-nifty.com/fusonnzai.pdf)への賛同と、呼びかけの拡散をお願いする次第です。
(別紙「申し入れ文書」は下記にも貼り付けてあります。)
呼びかけ人 醍醐 聰(東京大学名誉教授 電話:080-7814-9650)
1. 申し入れに賛同くださる方は、次の「賛同署名の入力フォーム」にご記入のうえ、「確認」「送信」ボタンを押してお送りくださるようお願いします。
http://form1.fc2.com/form/?id=009b762e6f4b570b
2. ご記入いただいた氏名、所属/お住まいの都道府県名はそのまま名簿に記載して提出します。また、記入いただいたメッセージとともに、このページ(http://netsy.cocolog-nifty.com/blog/l2.html)に掲載させていただきます。(右リンク集のTOPにもあります。)匿名をご希望の方はその旨を必ず付記ください。
3. 申し入れは、賛同者名簿を添えて、今国会の会期末(9月27日)までに提出します。
それに合わせて賛同署名は9月25日(金)10時締切りとします。
4. 時間が切迫しているため、僭越ながら醍醐1人の呼びかけでスタートさせていただきますが、呼びかけ人に加わっていただける方はご一報をお願いします。
(shichosha_kangeki@yahoo.co.jpまたは、080-7814-9650へ)
──────────────────────────────────────
参議院議長 山崎正昭 様 2015年9月25日
参議院「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」委員長 鴻池祥肇 様
安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の続行を求める申し入れ
市民有志
参議院に設置された「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」(以下「特別委」)は、
2015年9月17日、同特別委に審議を付託された、安保関連法案等計5件の採決を行い、いずれも賛成多数で可決されたと言われています。
しかし、採決が行われたとされる同日16時30分頃の、委員会室の模様を、参議院のインターネット中継やテレビの中継・録画で視る限り、
鴻池委員長席の周囲は、与野党議員によって何重にも取り囲まれ、委員長の議事進行の声を委員が聴き取れる状況になかったことは、一目瞭然です。
また、委員長も、動議提出の声を聴き取り、各委員の起立を確認できる状況になかったことは明らかです。
こうした状況の中で、採決というに足る手続きが踏まれたとは、到底言えません。
また、委員会室にいた特別委の委員自身も、
「可決はされていません。・・・委員長が何を言ったかわからない。いつ動議を出したのか、採決されたのかわからない」(福山哲郎委員)、
「いったい何がおきたのか、そもそも動議が出たのかどうかも、委員長が何を発言したのかも誰もわからない。
そして、私は自民党席の前にいたが、彼らも何もわからないまま立っていただけですよ」(井上哲士委員)
と語っています。
実際、速記録(未定稿)でも「、議場騒然、聴取不能」と記されるのみで、議事の進行を記す委員長の発言も、質疑打ち切り動議の提案も、記されていません。
こうした一連の事実と状況に照らせば、上記5件の「採決」なるものは、
参議院規則が定めた、「議長は、表決を採ろうとするときは、表決に付する問題を宣告する」(第136条)、
「議長は、表決を採ろうとするときは、問題を可とする者を起立させ、その起立者の多少を認定して、その可否の結果を宣告する」(第137条)、
という表決の要件を充たしていないことは明らかです。
国会での審議が進めば進むほど、違憲の疑いが深まった安保関連法案を、
参議院規則まで踏みにじり、締め括りの質疑も省いて、「採決」なるものを強行したことは、憲政史上、稀にみる暴挙です。
以上から、私たちは貴職に対し、次のことを申し入れます。
1. 私たちは、5件の「採決」と称されるものは、すべて採決の要件を充たさず、採決は不存在であると考えます。
貴職が、こうした私たちの見解を受け入れないのであれば、参議院規則にもとづいて反証されるよう、求めます。
2.「採決」が存在しない以上、安保関連法案の審議は未了です。
よって、改めて所定の手続きを取り、法案の審議を再開されるよう求めます。